kahoの日記: 今日も目ネタ
メカジキは目を暖めて視力を上げるという記事がNature Web Newsに.
私は知らなかったのだが,魚の中で体温を上昇させるメカニズムを持っているものは25,000種の魚類のうちメカジキ,マカジキ,マグロ,サメの一種など22種類しか知られていないのだそうだ.
空気中よりも水中の方が熱の拡散が速いのだから,水中生物が体温をコントロールする方がよほど難しく,コストも高い.
それでも体温を上げるためにはそのコストに見合うだけの利益がなければならないはずだ.
メカジキでは眼球の近くの筋肉に温度を上げる組織があり,水温よりも10-15℃周辺の温度を上げている.
この原因を調査したところ,温度を上げることで獲物を良く見えるようにしているらしいとのこと.
実験はメカジキを釣ってその網膜が温度との関連でどの程度反応が変化するかを観察したところ,温度が上昇すると「よく見える」ようになっていたということだ.
獲物を捕らえるのに視力を発達させたというのは体温上昇を行うのが補食魚ばかりであるという事実とも符合するが,マグロでは体温全体を上げているとかサバのように体温上昇を行わない補食魚もいることなど全てが説明できる訳ではない.
そこまで調べるつもりはないのだが,このシステムは収斂進化なのか共通のシステムから受け継がれてきたのかも興味あるところだ.
---1/13追記
論文を手に入れて読んでみた.
測定方法は光の強さとそれを受けた網膜の反応かと思ったが,光をあてる周波数を変えて,そのときに網膜に流れる電流が追随するかを観測していた.
入力光の周波数をあげていくと網膜電位の変化が小さくなるが,6℃では6Hzくらいで反応しなくなるのが21℃では40Hzまで追随するというような観測だ.
天候が晴れであればカジキの生息域では600-700mまで光が届くそうだが,100m以上潜ると水温は5-7℃になってしまうので,暖めることが非常に有効となるだろうということ.
これで面白いのは目の周辺だけを暖めるカジキは温度を上げることによる反応性の上昇が高く,マグロではそうでもないということだ.
つまり,網膜とそれを暖める組織が両方とも進化しているということ.
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