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kahoの日記: 二酸化炭素の除去法

日記 by kaho

大気中の二酸化炭素がこれまでに大きく変化してきた大きな理由は,陸上の植物による光合成や火山噴火などもあるだろうが,かなりの部分が海中の植物プランクトンによるものだと考えられている.

海中の元素比を示すものにレッドフィールド比という数字があるが,これは炭素:窒素:リンの比率が106:16:1となるというものだ.
これら有機分子以外にも鉄の比率も含まれており,海中に鉄分を供給することで海の植物プランクトンの活動を補助して海への二酸化炭素の取り込みが増えるということは以前から言われていた.(参考:海水中の微量金属と生物生産
もし化石燃料の燃焼によって大気中に放出された二酸化炭素を海中に捨てることができるなら,温室効果ガスによる温暖化をコントロールすることができると期待されている.

今週のNatureの論文に,溶解有機物による効率的な炭素除去という話があったので,何か新しいブレークスルーがあったのかと読んでみた.

レッドフィールド比はかなり前に提唱されていた数字で,その後深海など,海全体では異なる比率になっているということがいくつも報告されていたのだと言う.
また炭素の海中への廃棄という視点で見ると,レッドフィールド比の計算で用いた,有機分子の微粒子をみるのは正確ではなく,溶解有機物 (dissolved organic matter; DOM)をみるべきだという.そして今回は今までよく分かっていなかったDOMの元素構成比率を調べたというものだった.

思っていたよりも専門的でちょっと失敗した気がしたが,その結果はこれまで報告されていた元素構成比がばらばらだったのは海水中のDOMの量によって元素構成比が異なるからということで,DOMの元素構成比はバルクで光合成プランクトンを培養したときの比率とレッドフィールド比の中間的なC:N:P=199:20:1という値となったそうだ.

これをそのままうけとって,海底に二酸化炭素を沈めるためには現在の海水よりも窒素やリンを多くした方がよいという話だった.
まあしかし鉄の時にも言われていた環境負荷の方について考えられていないので現在ではすぐに実行に移す訳にはいかない.ただ鉄と違うのはプランクトンを増やしただけでは海底に炭素が沈められるとは限らなかったがDOMならば一応確かだというところだ.

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