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kazunosukeの日記: 『キル・ビル』はB級映画? 4

日記 by kazunosuke

 僕はB級映画が好きです。
何を持って「B級映画」と呼ばれているのか、その定義もあやふやですけど、まぁ、とにかく。
「うわ~、くだらね~!」なんて大喜びしながら観てます。
しょーもない映画にも僕にはそれぐらいの利用価値があると。
中には確信的なB級映画もたくさんありますからね。

 そんなわけで(どんなわけだ?)、『キル・ビル』をまだ観てません。
こちらの日記でも「良かった」という人と、「観ない方が良い」という人、意見が分かれていますね。
まだ観ていないので「良い」「悪い」の判断はもちろんできないけど、
観なくても、ひとつだけ判っていることがあります。
すなわち、

 『キル・ビル』はB級映画である

と。

 誤解のないように言っておきますが、最初にも書いたとおり「B級映画=つまらない映画」という
わけではないですよ。もちろん「偉大なるB級映画」というのも存在しています。
B級の定義は難しいけれど、一般的に考えられるのは「低予算」「低認識」
「ワクにとらわれない(“はちゃめちゃ”ともいう)」の三本柱だと思うのです。
あと意外(?)に侮れないのが「こんなのありえねーよ」というシュチレーション
(『キル・ビル』の場合は後者2つに該当)。

 だから僕は公開前の(配給の)ギャガさんのPR作戦には、正直、ビックリしました。
B級映画の宣伝費にこんなにお金をかけるもんなのか、と。
で、思ったままに「タランティーノってそんなに有名なの?」って、ある方に聞いたんですよ。
そうしたら「それはバカにしすぎだよ」って怒られちゃいました。
いや、別に僕はバカにするつもりもなく、疑問に思ったことを、そのまま言っただけなんですけど。

 でも、確かにそのまま僕の言葉を受け取ったら、「何言ってんだ」と思うかもしれません。
じっさいタランティーノは、あの若さでカンヌを制したわけですから、
その功績(?)で、認識されているのは当然とはいえるけど、だったら、なぜ、みんな、
そんなに有名な監督の作品である『レザボア・ドックス』も『パルプ・フィクション』も
『ジャッキー・ブラウン』も観てないの?と、聞きたいです。

 僕は人が殆どいない映画館でワナワナ震えていましたよ。
『パルプ・フィクション』を観ながら。
タランティーノという人が、この映画でカンヌを獲ったということを知っていたので
観に行ったのに、映画館はガラガラ。
もしかして、つまらない映画なのかと、心配し始めた僕を尻目に映画は始まり、
あっさりとその心配を、トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンの下らない話が
破壊してくれました。
彼の作品の登場人物は、もうほんとに全員、マシンガントークが止まらないのです。
しかも会話が全然、物語と関係のない、どうでもいい話。
たとえばマフィアの2人が、裏切った取引先の相手を殺しに行く車中での会話は

 ト「フランスとアメリカは、実は似ているようでほんの些細なことが違う」
 サ「たとえばどんなことが?」
 ト「マクドナルドでビールが売っている」
 サ「他には?」
 ト「マクドナルドの1/4ポンドバーガーとは言わない。メートル法の国だから」
 サ「なんて?」
 ト「チーズ・ロワイヤル」
 サ「チーズ・ロワイヤル?!」
 ト「あとはビックマックとは言わず、ル・ビックマック」

…なんて話が延々と繰り返されるのです(ビデオ・DVDを観すぎて憶えてしまった)。

 これは衝撃的でしたね。
小学校のころから、映画やドラマを観ていて、いつも疑問に思っていたことがあったのです。
「何で作品の登場人物は、実社会と違って、下らない、ほんとうにどうでもいい話をしないのか」と。
でも、この監督は僕の疑問を打ち壊してくれました。
どうでもいい話が映画にあってもいいんだよ。どうでもいい話がこの映画には必要なんだって。

 じっさいタランティーノの映画では、この「どうでもいい話」が作品自体に小気味良いテンポを付け、
なくてはならないものになっています。
#そこがキタノ映画と近いところだと思っているんですよね。
#キタノの場合は逆に、最低限必要とも思える会話を、ことごとく排除し
#物語に関係ないと一見、思われるカット(いわゆる「間」)を挿入することによって
#作品に躍動感を持たせています。

 でも、どう考えてもこの型破りの手法が「売れる映画」とは思えなかったんだろうな。
だからカンヌを獲った『パルプ』ですら、それほど広告費は、かけてもらえなかった。
それに、じっさい今までも、ビデオレンタル店に行っても『パルプ』は、
いつも借りられていなかったし、『レザボア・ドックス』にいたっては
大きな店であるにも関わらず、置いていなかったわけで。

 配給会社もわかっていたんです。
これはB級映画だって。
だけど今回の『キル・ビル』では本気のPR作戦でしょ。
そして配給40億とか50億とか言っちゃってる。
#「深作さんが死んだから話題性がある」なんて言う人もいますが、
#今の若い人が(僕が言うと変だな)、『BR』以外で深作欣二を観ているかどうかも
#疑問ですよね。。
もう本当にビックリです。
やっぱり宣伝にお金かけるとヒットしちゃうのかなぁ…。

 だからこの映画を観て「つまんねー」って思う人が、たくさん出てもしょうがないのです(ぉ。

#なんか、B級映画について語るつもりがタランティーノだけで終わってしまった。。
#気が向いたら、他のB級作品を作り続ける監督についても書きます。

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  • 現実世界と明らかに違って余計な会話がない点が私に違和感を抱かせて、普通の映画やドラマは嫌いです。

    SFとかならいいんですけどね。現実じゃないよって最初に断っているようなものだし。

    #それだけでは説明できてないかもしれないけど一応こう思ってます程度に(ぇ
    •  まぁ、その違和感を楽しむため…という人もいるのかもしれませんね。
      好きでも嫌いでも、理由付けはなかなか難しいものですよ。
      いかにして、その理由によって他人や…自分でさえも、納得できるように、
      するかが重要になってくると。強引でも良いんです。
      でも、人に説明するなら、それは面白いほうがいい(ぉぃ。
      親コメント
  • っていうか、あたしにはタランティーノ映画の良さなんて分からないわ。
    会話で現実味を出すんじゃなく、画で現実味を出してよって感じ。映画が
    フィルムって呼ばれてる理由も考えて。と。

    音楽のセンスが良いとかいう意見もあるけれど、それも好みの話だしね。

    結局のところ映画評は主観でしかなく、実際に自分で観ない限り意味は
    無いのだガナ~(トビヤン風)。
    --

    There is no spoon.
typodupeerror

吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

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