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kazunosukeの日記: 深夜日記

日記 by kazunosuke

 そのむかし「今日は良い天気だな」と事あるごとに言い続ける男がいた。別に良い天気じゃなくてもいいのである。話す切欠さえつかめればそれでよかった。「雨降ってるじゃん!」と言われればそれでガッツポーズである。「あぁ、俺は生きているな」と。この場合の「生きている」とは「注目されている(された)」の生きているである。そう彼は注目が生きがいであった。言わずもがな異性からの。男しかいない場所では、どちらかというとかなり無口な方であった。廊下であっても、軽く「やぁ」と眠そうに投げやりに答えるだけだった。しかし、まわりに女子がいようものなら抜群のスマイルで蹴りを入れてくるのであった。昼飯を食うときはいつも変であった。朝、コンビニでいつもおかしなものを買ってきていた。だけど奴のネタには乗ってはいけないのである。それは奴の作戦だ。平静に。たとえ一緒に飯を食っていても何事もないように。だけど必ず乗ってしまうバカな奴がいるのだ。「おまえ、昼飯にヨーカンなんて食うのかよ?」なんて突っ込んでる。バカやろ。それじゃ奴の思う壺だぞ。ほら見ろ、むこうで女子が食いついてきた。「本当におもしろいよね、○○くん。一緒にいれば飽きないよね~」。そういえば、こんなことがあった。珍しく、ひとり黙々と図書館で勉強していたある日。どこからともなく聞き覚えのある声が近づいてくる。やけにテンションの高いあの声だ。女の子の「やぁだ~」という笑い声も聞こえてくる。しかし、聞き覚えのあるあの声と、もうひとつ別のテンションの高い男の声があることに僕は気付いた。2人の男と1人の女。男たちは即興の掛け合い漫才をしているようだ。そこにたった1人の観客である“姫”を頂いて。男はお互いに競い合っているかのごとく。おいおい、お前らは仲間じゃないのか?やっぱり敵なのか?そうなのか。お互い下らない遣り取りしているようで、それは“姫”に聞かせているのだろう?つーか、お前ら声でかいよ。売れない若手芸人よりもテンションが高いよ。高すぎだよ。お前ら男なのにテンションだけで“ZONE”のメンバーに入れるよ。男は僕に気付いたようだった。「よ~、かずりんじゃないの?どったの?・・・あ、こいつ俺の高校からの親友」バカ野郎。大げさに手なんか振ってくるんじゃねぇ。しかも、おまえ「かずりん」なんて1回も呼んだことねーだろ。親友、神佑、深憂・・・。隣の男もさっそくネタを披露である。「へ~、○○の親友か。どうぞ、よろしこ」・・・は~、やっぱり“姫”は大笑いだ。「じゃあまたね~」テンションの高い男2人と“姫”は嵐のように去っていった。再び訪れる静粛。静粛。静粛。僕はひとり呟いてみた。雨が降り続ける窓の外を見ながら。

 「今日は良い天気だな」

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ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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