kazunosukeの日記: 0420『ビッグ・フィッシュ』
『ビッグ・フィッシュ』を観てきました。
僕はファンタジーが苦手でした。
日常とかけ離れているのは良いのだけど、心温まる話、それを感動の材料とするのは
得意ではなかったのです(だからときにファンタジーを多用するアニメーションは
それほど好きではないのかもしれません)。
主人公の父親が話す物語は、いつも非日常的なワクワクする話でした
(映画ではそれを美しい原色と古き良き60,70年代のデザインが表現し日常とのコントラストを明確にします)。
しかしその話を何百と聞かされている息子には不満が残るのです。自分はもう子供ではない。
だからオチも暗記している御伽話ではなく真実が知りたい。「父さんの本当の話が聞きたい」と。
だけど父親は本当の話をしません。
そして断絶した親子の関係を残しつつ父親の最期のときが迫ります。
魔女の話、5mもの大男の話、人魚の話、時を止め一面を水仙の花で敷き詰めプロポーズした話…
数々のファンタジーを残しても現実の中にいる息子には届きません。
それでも父親の最期のときに・・・。
心温まるファンタジーが苦手な僕も簡単に落とされてしまいました。
それは父親の話と日常との対比で見せる方法が、ただの一元的な御伽話の世界で終わるのではなく、
息子の視点を取り入れた二元的な世界で撮られているからです。
だから僕は容易くお父さんの荒唐無稽なお話も受け入れることができ、その親子の対話の中にある
人間ドラマにも共感することができました。映画の中の「息子」は僕だったのだから当たり前ですね。
そして感動のまま映画館を出て、あることに気付くのです。
「お父さんのお話はもちろん、息子の世界であった日常、それさえもファンタジーだった。
この映画の全て、そして自分が生きている世界でさえファンタジーだった」
という事実に(映画のコピーである「人生なんてまるでお伽話さ」は、そういう意味でしたか)。
あぁ、もうすっかりやられてしまった。
押し付けがましい感動は苦手だけど、この作品はじんわりとからだの芯に染み込んできます。
映画を観終わって何時間も経った今の今も僕の心の中を温かくしています。
「永遠の子ども」と言われたティム・バートンが次はどんな作品を撮るのだろうと思ったらこれですよ。
『シザーハンズ』『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』はこの映画の前振りに過ぎなかったのか
・・・と思うほど素晴らしい作品です。
ファンタジー最高だよ!!!
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採点・☆☆☆☆☆
(☆20点、★10点、100点満点)
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