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kazunosukeの日記: カンヌでの『華氏911』のパルムドール受賞について 2

日記 by kazunosuke

 http://www.asahi.com/culture/update/0523/001.html
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040523-00000311-yom-int

 いやいやいや、柳楽優弥くん凄いよね。おめでとうございます。
ま、それは置いといて、

 マイケル・ムーアの『華氏911』がパルムドールですか。
予想はしていたけれど、やはりそのとおりになりましたね。
『華氏911』というタイトルは以前日記にも書いたレイ・ブラッドベリの『華氏451』からとったもの
ということはわかります。
『華氏451』は紙が燃え出すときの温度で、思想統制を目的とした焚書作業を仕事としている
"ファイヤーマン"がふとしたことから、本を書くことも読むことも許されない社会の中で
本を読む楽しさに目覚め・・・と、いうお話です。
この作品から果たしてどのようにマイケル・ムーアがブッシュ(アメリカ)批判を
からめてくるのかは見ものだとは思います。
だけど『華氏911』は言ってしまえば「ブッシュ嫌いの人たちが評価するブッシュ嫌いの人の作品」
のような気がしないでもないのですが。

 僕もブッシュ嫌いですよ。
だけどね、このような政治的なメッセージを強く持つ作品が国際的な映画祭で、社会情勢の後押しも
受けつつ最優秀賞を取るのはどうかと思うのです。
「映画の優秀さ」の比重をどこに置いているのかはわかりませんが、政治を絡めた思想的な作品というのは
全く別の考えを持つ人間が観たならば、180度意見が反するものになってしかるべきものです。
だけどこの作品はカンヌでパルムドールを取ってしまった。
審査員の中に「こんな政治的な(自分たちの考えに近い)作品を大絶賛している俺らってキモいよね?」と
思う人間がいない(とは言わないけれど結果としてかなり少なかった)ことが恐ろしいです。

 いや、まあ、それ以前にこの作品が思想的なことを度外視するほど非常に優れている
というものならば異議はないんですけどね。前作を観る限りではそうとも言い難いわけです。
だって普通に考えてキモいでしょ?
日本で「日本人は優秀だ!」の映画が公開されていて、それが「非常に素晴らしい作品」と
評論家や映画祭のお墨付きを得て、連日映画館ではヒットが続く状態。
別に僕だって日本は大好きだけれど、何か気持ち悪いし怖い。
プラスの感情でこれだから、ましてや某国大批判の映画が公開され、メディアで大絶賛される
ようなものであったら非常に危険であると思う。大戦中じゃないんだし。
それがヨーロッパの世論では支持されているんだなと思うと、国際的な感情は、安穏としている
日本人の想像を超えているのかもしれません。

 数ある映画の中で『華氏911』のような存在があってもいいと思います。
だけどこれは決して最優秀な作品だとは思いたくない。それが限られた地方の映画人で構成される
映画祭であったとしてもです。偏った考えは、相手を否定するところから始まり、そして
いつになっても「だったらどうしてその人がそういうことを考えているのか?」というとこまでは至りません。
もうそこで感情という一方的な非難の壁を作ってしまうから。
「自分が正しく相手が間違っている」と思うことは別におかしくはないです。
だけど大切なのはその人がどういうことを考え、その思想に至ったのかを、違う考えを持っている自分が
考察することではないかと思うのです(そしてそれには早急な結論はいらない)。
別に僕はまだこの『華氏911』を観ているわけではないので、「ブッシュ(アメリカ)批判」という
メディアの情報だけで断言してしまうのもどうかと思うんですけどね。思うままに書いてみました。

#参考までに、『華氏911』の監督であるマイケル・ムーアの前作
#『ボウリング・フォー・コロンバイン』の私的レビュー

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 昔からけっこう政治的な色彩を帯びるときがあるでしょ。
    1968年パリで5月革命が起こったときに中止になったりとか。
    今回もそれと同列の出来事だととらえればいいのでは。
    それに,すぐれた作品がパルムドールをとっているとは限らないし。
    •  もちろんそうですよね。
      もっと言えばカンヌなんてアカデミー賞に比べれば甘っちょろいもんですよ。
      古くはインパクトはあったものの下馬評の低かった『紳士協定』が作品・監督賞を受賞したことや、
      最近ではスピルバーグ作品の(中で僕がいつも忘れてしまう)『シンドラーのリスト』が圧倒的な支持で
      受賞された経緯も政治的な匂いがします。
      それより記憶に新しいところでいうとポランスキーの『戦場のピアニスト』でしょうか
      (アカデミーでの監督賞をはじめ、カンヌでもパルムドール取ってますよね)。
      アカデミー委員からは「過去の罪は問わず作品を評価したい」との声明を受けての受賞でしたが、
      それならなぜ『紳士協定』を撮ったエリア・カザンの名誉賞受賞に関しては多くの人が反対したのか。
      たとえレッドパージに加担したとしてもハリウッド映画の発展には多大な貢献をしてきたはずなのに。

      > 今回もそれと同列の出来事だととらえればいいのでは。
      > それに,すぐれた作品がパルムドールをとっているとは限らないし。

       そうなんですけどね。でも何か嫌な感じがするんですよ。
      冷静に考えれば、カンヌも今までと同じ流れなので「こんなもんでしょ」というリアクションを
      とればいいのでしょうけど、それができない性分です(笑。

      #遥かむかしの自コメントで申し訳ありませんが
      #ラズベリー賞のアカデミー賞化 [srad.jp]。
      親コメント
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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