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kazunosukeの日記: ニヤけては、溜め息をつく男 4

日記 by kazunosuke

 「おはようございまーす!」

 あ、今日はニヤける日だ。そう僕は思う。
それは交互にやってくる。毎朝、彼と職場で会うたびその表情と声のトーンで
ニヤけるか、また溜め息をついている日なのかがわかる。

 「メール来ないんっすよ!!」

 今日は溜め息の日だ。この日はイマイチギャグにもキレがない。
むしろ自爆ネタ。断然自爆ネタ率100%。

 「もしかして遊ばれているだけ・・・なのかも。いや、絶対そうですよね」

何の脈絡もなく話し始める彼。

 「ごめん、君たちの遣り取り知らないから・・・」

笑いながら、よくわからないまま話に付き合う僕。

 「じゃあ教えてあげますよ・・・俺がどれほど相手にされていないのか」
 
 「いいってば別に知りたくないよ。あはは」

僕は彼が好きだ。カッコいいし明るくて何よりも笑顔が素敵だ。

 「俺、甘えキャラなんですよ~」

と、微笑む姿で“本当に甘えキャラなんだろうなぁ”という気がしてくる。
僕が女の子だったら確実に好きになっている。残念なことに。
僕は笑顔が素敵な人に弱い。それは男女に限ったことなく。
そして、恋に落ちている人にも弱い。それも男女に限ったことなく。

 彼女(といっても「she」の意味での彼女)とは合コンで知り合ったようだ。
どうやら彼女の方が一枚上手らしい。年上で「前の彼氏も年下の甘えキャラだった」(彼談)
とのことなので、その手の男の扱いには慣れているのだろう。

 彼は僕よりも少し年下の新卒だ。世間知らずの僕がしょうがなく先輩の口調になってしまう。
休み時間、下らない話ばっかりしている仲だ。
その日の彼は溜め息モードで、やっぱりこんな話を振ってきた。

 「先生は絶対に合コンには誘いませんよ!」

 「なんで?」

 「だって絶対に良いところ持って行きそうだから」

 「そんなことないよ。だって僕、合コンなんてそんなに行ったことないし」

 「ウソだ~?」

 「本当だって。それに行ったとしても少し話題の合いそうな子と喋るくらいだから
  全然戦力にもならないよ。場も盛り上げられないし」

 「えー?! だってそんなキャラ、普段の“わはは”って感じの先生からは想像も出来ないですよ」

 「そうだからしょうがない。だって恥ずかしいじゃん・・・」

 「あー、もう、絶対に誘わないっスよ。くそー、そういう手があったのか!!」

 「あははは・・・」

 まあ、どの職場とも雰囲気は変わらないと思う。
学生気分が抜け切れていないと言ってしまえばそれまでだけれど、僕も彼もきちんと
仕事はこなしているし、その合間に下らないことを言い合っているだけだ。

 しかし彼に言ったことは本当だ。
合コンなんて殆ど行ったことがない。自分が主催することももちろんなく呼ばれることもない。
合コン嫌いの人の中には「あのテンションが嫌だ」と言う人もいるだろう。
だけど僕はそのテンションには大賛成と言わないまでも賛同できる。
だってみんな(いろんな意味で)真剣なんでしょう? なんかそういうのって応援したくなる。
自分がアグレッシブじゃないからかもしれない。だからそういう前向きな姿勢を垣間見ると
「おぉ!!!」ってな気分になれる(でも何事にも限度はあるけどね)。

 話を戻す。
彼はかなり面白い男だ。

 「俺、今日、めちゃんこブルーですよ。生徒にキレちゃうかも!」

 「“なんでメール送ったのに返事をよこさないんだ!!!何故なんだ!!答えろ!!!”って??」

 「あはは、それいいかも。いただきですよ。よし今度からは生徒に怒りをぶつけよう」

 ね?面白い男でしょう?
彼には栄光を掴み取ってもらいたい。どうにかしてその彼女(she)をゲットしてもらいたいものだ。
だけどその一方で彼を邪魔したくなる自分がいるのも事実。
間違いなく飲み会の席に僕もいたならば彼を邪魔して苛めてしまうだろう。
そんなことを僕が言ったら、また彼は面白いことを言った。

 「あー、たぶん先生も苛められキャラなんだ。だからその反動で俺のことを苛めたくなるんでしょ?!」

彼のそういう鋭いところも好きだ。

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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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