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216317 journal

ken_non_sumの日記: ヒ去らしむる能わず

日記 by ken_non_sum

「本能寺の能の字は、この寺が二度の火災に遭ったために、ふたつの『ヒ』の字を去らしむ、という願いから、つくりが『去』になっているのだ」という話を聞いて、こんな風説を広めておいて、知ったかぶった他所者に恥をかかせようなんて人の悪い京わらんべが居たものだと思っていたのだが、それが公式見解らしくてびっくりした。

少なくとも、日本の(手書きの)書の歴史においては、室町時代まではまず「『去』に見えなくもない」つくりをもつ能が書かれていたはずである。
というのは、初唐の三大家や、智永の真草千字文をはじめ、極東の楷書文化に直接、間接にしろ大きく影響を与えたであろうこれらの書家の作品もそうだし、あるいは私自身は孫引き程度にしか知らないが国内において成された書、あるいはお経、古文書の類もやはりこの法に則っているからである。
「ヒ」ふたつの字は、楷書では顔真卿に例があるくらいで、広まったのは出版文化由来、それが決定的となったのは康煕字典……(以下飽きたので略)

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