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日記

kenketsuの日記: 勇者対策 10

日記 by kenketsu

こちら経由で魔王は勇者の誕生をどうすれば止められるのかを読んでみて、ふと思ったことを書いてみる。別段、新しい考えははないと思う。

よくある世界観をベースにして考えてみる。勇者とその仲間がいて、各地に王様や国民がいて、神様がいて、そして魔王がいる。そんな感じの世界。魔王は強大な力を持つが、それでも神や邪神のような世界そのものに働きかけるメタな力を持たない存在だとする。

勇者が、特別な血筋や資質を持つ存在か、ただ単に超強力な能力を持つ個体なのかにもよるけれど、そもそも勇者の誕生自体を止めることが困難だろうと思う。

人間側はその辺良く分かっていて、あらかじめ複数の隠れ里を作ってみたり、勇者の血筋を王族に限らず世間に広く残してみたりする。極端な場合は、別の惑星や異次元にある別世界や過去・未来の人間たちからも支援を受けられるよう手を打っている。だから、人間側およびそれらに協力する陣営を世界から根絶しない限りは、勇者になるポテンシャルを持つ存在が生まれる可能性はゼロにできない。

よって、目的が人間界の支配であるケースの魔王としては、後手に回るのが宿命だろう。領土の確保が目的で、最終的に人間の根絶を目指す魔王であっても問題は同じだ。リスクを根本からなくすのはマネジメントの大事な観点だが、できないことは当然できない。メタな力を持たない魔王であればなおさらだ。

勇者が生まれることを許容した場合、彼らを止めるのは困難だ。彼らは異常に成長が早く(例えば幼児と呼べる年齢でも)文字通り一騎当千の力を持ち、紆余曲折はあれども基本的には人間側全体が彼らの支援に回り、運よく勇者を死亡させられたとしても第二・第三の勇者がきっと現れる。さらに厄介なのは世界の理や仕組み的なものがその背後にいることだ。

その世界全体を管理し、物理法則すら捻じ曲げることができるであろう存在であるいわゆる神が、魔王を倒すポテンシャルを持つ個体を何としてでも誕生させ、かつその成長を促進するために、陰に陽に関与する。生まれながらにして~とか、試練と称する能力向上施策が都合よく用意されていたりとか、伝説の武具があっさり見つかったりとか、勇者とその仲間は死んでも何度でも生き返られるのはその好例だと思う。

世界の管理側が世界に影響を及ぼす直接的な手段を持たないか、世界への関りを最小限にしなければならない縛りがあったとしても、魔王側がこの状況的な不利を覆すのは困難だ。メタな関与ができる存在に立ち向かうのは無謀でしかないだろう。

だから、魔王は最終的には討伐されることを宿命づけられている。魔王といえども世界を構成する一コマに過ぎないからだ。魔王軍を立ち上げ、ある程度世界を侵略できたとしても、それは管理側からすればまだ世界への影響は少ないとして、ただ泳がされているに過ぎない。管理側が世界の多様性を維持するための手段としていたり、調子に乗った人間側にお灸をすえるためにあえて放置しているケースもあろう。

そして、もう世界に魔王は不要になった、というタイミングで満を持して勇者が誕生し、人間側の主観ではぎりぎりのタイミングで劇的に魔王を討伐するのだ。それにより人間側の体制も引き締まり、神への更なる忠誠も確保できるというわけだ。

それなら魔王側はどうすればよいかというと、個人的には人間側を魔王側の思想・論理で染め上げてしまうしかないのかな…と思う。魔王そのものは世界に君臨できなくても、魔王の思想は世界に残り影響を与え続け、人間側から魔王側に歩み寄る状況を作るという感じ。魔王が短期間での目的達成を狙って真正面から軍事行動を起こすことにより、人間界の各所で人的・経済的な被害が出ることが人間側に強く問題視されるのであって、搦手から行くことを徹底するか、いっそ大前提となる目的を変えてみると、また違った結果になるのではないかと思う。

この場合は焦りは禁物。数世代以上の時間を要する遠大な事業になるだろう。勇者が誕生したとしても、その本人や周囲の人間が魔王を倒す意思を持たないようにしなければならない。魔王側の論理はそのままでは人間側には通用しないだろうから、最初は良き隣人として登場して、一見して人間側の利になることからじわじわと侵略して、取り返しがつかないところまで持って行く。厄介な管理側もこれが自然の成り行きであると考えるよう、危機感を持たせないように魔王側もじっくりと進める。魔王はそういう手段を考えられる人材を確保すべきだ。宗教面から攻めてみるのも良いかもしれない。

ある意味では平和で、実質的には魔王が世界を制してしまっているとも言える状況ではあるが、でも、実はあと少しでこの状態に持って行けるケースは多いのではないだろうか。

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  • by taka2 (14791) on 2017年07月16日 14時28分 (#3245432) ホームページ 日記

    「人間側を魔王側の思想・論理で染め上げて」ってので、「まおゆう」を思い出しました。
    魔王が勇者を懐柔して人間界の経済的な改革を進める話。

    • by shibuya (17159) on 2017年07月16日 14時47分 (#3245435) 日記

      同じ作品を連想しました。

      魔王が指導する経済改革を肯定した上でさらに一歩進めて
      将来の子供達、動物たち、植物たち…のために持続可能な社会を目指す
      ということになると勇者の立場がもっと悪くなるかも。

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      • by kenketsu (37657) on 2017年07月16日 15時18分 (#3245441) 日記

        コメントどうもです。

        でも、その観点が人間の観点に寄ってしまっていると魔王が実現したい世界とは違うことになってしまうかもしれないので、私としてはじわじわと人間側の思想面・体制面・環境面の改造が進められ、ふと気付くといつの間にやら魔界になっていた!!的なシチュエーションを妄想します。

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    • by kenketsu (37657) on 2017年07月16日 15時12分 (#3245439) 日記

      コメントどうもです。

      「まおゆう」は名前だけは知っていたのですが、内容は知りませんでした。Wikipediaであらすじをざっと見てみると、魔王側の生き残りを図るため、経済や各種制度を整えて人間側と融和する方針を探る…というお話であるように思えました。

      私としては、もっと「表向き・建前上は人間側の思想・制度が継続しているが、その実は魔王の思想に転換されている」的なイメージで書いたのですが、こういうのもありかもしれませんね。

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  • by Anonymous Coward on 2017年07月16日 21時09分 (#3245502)

    堕落を誘う悪魔の手口やんか

    # そして神はすでに滅して隠蔽する大天使が。。。

    • by kenketsu (37657) on 2017年07月16日 22時10分 (#3245519) 日記

      コメントどうもです。

      悪魔と評価されるような戦略センスを持った魔王は、今まで果たしてどのくらい存在したものなのでしょうか。真の意味で手口を選ばず、長期的な視点も持ち合わせ、自らの目的に対して必要な役割に最後まで徹しきり、一時的な感情に決して流されない強い意志を持った魔王は…。

      そんな彼らならば、自らの方針を如何様に評価されても「勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」と平然と言うでしょうし、実際に目的を達成しそうな気もします。

      多くの物語において、魔王側が世界征服という事業に奇妙なロマンを抱き、人間側の様式や論理に合わせた戦略を採用しています。でも、それでは勝てるものも勝てないのです。数多くの魔王がそれを証明してきました。

      私としては、魔王が人間のモラルや常識に全く縛られず、持てる能力を十全に活用し、勇者も神をも物ともせずに人間界を蹂躙しつくす、そんな物語を読んでみたいですね(もうあるのかな?)。

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      • by Anonymous Coward

        > 勇者も神をも物ともせずに人間界を蹂躙しつくす、そんな物語を読んでみたいですね

        人間界を魔界に読み替えればおk
        http://www.pressnet.or.jp/adarc/adc/2013/no1_b.html [pressnet.or.jp]

        • by kenketsu (37657) on 2017年07月16日 22時40分 (#3245523) 日記

          ふふふ。

          まあ、征服者としては良い姿勢だと思います。彼は目的が最初から明確で、自らの正しさを疑うことはきっとなかったでしょう。それが目的の完遂に繋がる強い意志を生んだのです。自らの優れた戦闘能力を生かした戦略を最後までブレさせなかったことからも、意志の強さが分かります。

          しかも忠誠心の高い複数の仲間を低コストで雇用できてもいたのですから、成功は最初から約束されていたものでしょう。

          さらに、目的を達成したと判断したら即座に手を打ったことも重要でしょう。彼の目的は相手側の殲滅ではなく、彼の戦力を誇示して自身の要求を飲ませることにあったのでしょうしね。

          過剰な要求は相手側の反感を生み、以後絶対に解消されないわだかまりを生みます。このケースでも当然遺恨は残りますが、相手側が一丸となっての反抗は当面はないでしょう。その隙に、彼も態勢を整えるのです。少数での奇襲作戦などそうそう通じるものではありませんからね。良いセンスです。

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  • by Anonymous Coward on 2017年07月18日 11時28分 (#3245973)

    現在の地球はヤハウェという魔王に蹂躙され尽した世界、という仮説。
    宗教的アプローチが功を奏し、勇者出現の気配はない。
    日本なんか例外的にやられてない方なんだけどね。

    • by kenketsu (37657) on 2017年07月18日 23時57分 (#3246433) 日記

      コメントどうもです。

      これを書いていて、私もそう感じてしまいました。アブラハムの宗教の面々は、大きく見れば同じ勢力なのに細かい解釈の違いで延々と争っていて、それはある意味蠱毒というか、争いを通じてより強く地盤を固めるべし、結果的に生き残った者が世界を制するべし…という意思が何かしら働きかけているせいでは?という妄想もしないではないです。

      でも、日本はその点何なんでしょうね。おいしい部分は節操なく取り込むのに、いらない部分は巧みに採用しない。そのくせ変なローカルルールがあったり。もしや日本が、現在の勇者の発生候補地なのでは…。

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