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日記

kenketsuの日記: 遊歩道

日記 by kenketsu

浜松には「遊歩道」という言葉に特別な意味がある地域が存在する(はず、自分の地域はそうだった)。昔にあった、遠州鉄道奥山線という鉄道路線の線路跡にできた歩道で、浜松城の近くから始まって、住宅街の中をずっと北側に向かって延びている。自分が小学生の頃、住んでいた地域のすぐ近くにもそれが通っていた。

遊歩道は自転車の通り道になっていたり、子供の遊び場になっていた(今もそうだろうか?)。柵があって、車やオートバイは入れないのが普通。多分単線の路線だったので、道幅もそれに合わせて狭かったから、ということもあるが。

この遊歩道をたどっていけば、浜松城のある市の中心部に迷わずに行けるので、市街地に行く時はそこを自転車で行くのが普通だった。浜松市の中心部に市内北側の住宅街から行くには三方原台地を下る必要があるのだけれど、昔は電車が通っていたせいか、子供の自転車でも大丈夫な、かなり緩い坂だった覚えがある。

前述のとおり、遊歩道は住宅街の中を通っている。その中では、遊歩道側に面したところを入り口にしていたりする家もあり、さらにお店もあった覚えがある。例えば子供向けのおやつを売っている店とか。お好み焼きとかたこ焼きとか。なので、普通の軒並みの中にそういうものがちらほら混じっていた感じ。商店街とはちょっと趣の違った、個人が片手間にやっているささやかなお店という感じ。

なぜ今更この遊歩道を思い出したのかというと、昨日サークル的なもので池上線の沿線を歩いたから。東京都内かつ23区内と言えども、大きな通りから少しだけ奥へ入り込めば、地方とそんなに変わらない風景が広がっている。銭湯とか、そろばん塾とか、くたびれた飲食店・スナック・食料品店・魚屋・八百屋・衣料品店などなど。自分のような昭和の終わり頃に生まれた人間にとって、当たり前と思える風景。親近感を覚える風景。ノスタルジーを感じる風景。

そういう風景を、平成生まれの若い子が見た時にどういう印象を受けるのか。単に古臭いと見るのか、汚らしいと見るのか、すげーかっこいいと見るのか。結構ウケは良かったようなのだけれど、自分にとってはそれがある意味普通。今時の全国展開しているようなチェーン店があるそばにそういう風景があると、かなりミスマッチ的なものがあって、ちょっと頭がくらくらする。今住んでいるところの周囲でもあるけれど、あまり意識はしていないことに気付く。

思えば、昔はそういうチェーン店的なものが周囲に全然なかった気がする。もちろん、市内とか県内でのチェーン店は普通にあった。例えばヤオハンとか遠鉄ストア、トーア(トウア?確かそんな感じ)とか。でも、全国展開しているようなものは稀だったと覚えている。だけれど、今は全然そうではない。ちょっと前に浜松に帰った時も、全国展開している店の種類の多さに驚いた覚えはある。「え、この店が浜松にもあるんだ」という感じで。例えばドンキ。

この文章はここでとりとめもなく終わるけれど、昔東京に出てきた時、ランドマーク的なものに行ってみる他にも、わざと一歩入ったところを好んでうろうろしていたことも思い出す(猫探しも兼ねていたが…)。東京と言ってもこんなものなのか、と思った覚えがある。人口が多いから色々なものがある一方で、ずっと続いているものもあるよね。

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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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