kenketsuの日記: 火星の人
なかなか面白かった。一言で表現するなら、火星版冒険野郎マクガイバー、が当たらずも遠からず? 当然、劇中にはダクトテープもちゃんと出てくる。
想定外の発生イベントへ、限られた手段で主人公が対応する際の発想は面白い。また、科学の知識とお手製感全開で都度何とかしていくのも、なかなかに爽快。ここら辺がマクガイバー要素。計算して出てくる色々な数字が、サバイバルの緊張感をもたらすのもいい感じ。感情や雰囲気ではなく、冷徹な数字でヤバさを表現するのが、ある意味リアルではある。
ストーリー上では、主人公のサバイバルスキルはもちろん重要。でもそれ以上に、宇宙開発における「こんなこともあろうかと」的な用意周到さがストーリーを進める大元の原動力になっているのが、大変納得できる。それらの準備がなければ生存は不可能である一方で、その用意周到さがあっても、発生してしまうトラブルのやっかいさ。現実もそうだしねぇ…。
ストーリーラインとしては、王道。一難去ってまた一難、的な。でも、場面が展開するきっかけになったとある組織間の取引や、事件関係者のひたむきさ・純粋さには、口の悪い人には、単なるご都合主義でしかないよね、と言われてしまうかも。でもいいじゃん、それでさ。この辺りは、ジェイムス・P・ホーガン的な雰囲気なり信念を感じるな、自分は。
あと、序盤で主人公を火星に置き去りにせざるを得なかった仲間たちにも、後から格好いい役割がちゃんと与えられていて安心し、感心した。なるほど、そういう風に使うのね、と。まあ、実際にああいう行動に出られるかどうかはともかく、お話としてはとても熱い展開ではある。大変結構。ここら辺もホーガン的。
内容がどれだけリアルなのかは、自分には知識が足りなくて判断はできないけれど、ハードSF的な状況設定や展開が好きな人なら、大変楽しめるのではないかな。で、これ映画にもなっているんだ…ググるまで知らなかったな。
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