kokitoの日記: ZETA劇の幕が降りる 2
ここのところ、次から次へとZETAに関する情報が報じられていますが、ついにZETAの幕が完全に降りたように見える。
● Bernd Korzがmagnussoft社との協力関係を断念
3月23日 Bernd Korzブログ
● Bernd KorzがZETA開発終了宣言
4月2日 Bernd Korzブログ
4月3日 ついにBeOS後継「Zeta」の開発が終了 -資産はHaikuが引き継ぐ? (MYCOMジャーナル記事)
● ACCESS社が「ZETAが海賊版である」と表明
4月4日 ACCESS Confirms Zeta BeOS Version Infringing (Bits of News記事)
4月5日 「Zetaは海賊版」 -ACCESS社の責任者が見解を表明 (MYCOMジャーナル記事)
4月5日 OSNews.comでのACCESS社責任者の詳細説明
● magnussoft社とTuneTracker Systems社がZETAの販売を中断
4月5日 Magnussoft cease distribution of Zeta (magnussoft社ホームページ)
4月6日 Sales of ZETA Operating System "On-Hold" (TuneTracker Systems社ホームページ)
こんなタイムラインになっていますが、簡単にまとめると、Bernd Korzがmagnussoft社と協力関係を終了させ、magussoft社がZETAの開発への投資を中止。その後、BerndさんがZETAの開発終了宣言し、ZETAのコードをHaikuに貢献する可能性をほのめかす。これを受けたACCESS社が「ZETAが海賊版だ」と主張し、Berndさんが持っていると主張するライセンス契約の開示を再度求めた(過去に数回文章勧告もしているらしい)。現時点ではBernd KorzさんがACCESS社の主張に対して正式に解答していないまま、ZETAの開発と販売が中止された状態ですが、これで幕が完全に降りて、二度とZETAの出番がないと予測される。
ついでにですが、ある日本のBeOSファンの日記での一部の記述にコメントもしたい。
●「もちろんルール違反で商売したことはダメだけれども」
もし本当だすれば、これが立派な違法行為です。いくらBeOSが好きでも、その違法行為が及ぼす影響を考えないと。ユーザだけでなく、ZETAの在庫を持っているディストリビュータや販売店、またはZETAを自社製品に適用した企業(例:TuneTracker System)など、yellowTAB社の「ルール違反」は想像以上の影響を及ぼしていることは無視できません。
● 「yTが独自開発した部分もたくさんあり、ドライバなどは Haiku にも還元されている」
はっきり言いますが、yTからHaikuにコミットされたコードが非常に少なく、Haikuのコアデベロッパの言葉によれば、使えないものが多かった。さらに、借りにACCESS社のZETAの合法性に関する主張が認められたとしたら、Haikuも違法コードに感染されている可能性もあり、「ありがた迷惑」状態です。
その半面、多くのHaikuコードを適用したyellowTABが一番得したのが間違いない。にもかかわらず、ボランティアでコーディングするHaikuのプログラマとは多くの問題を起こした前提が多かったyellowTAB社はどうしたことか。
● 「Haiku にとっては、直接の協力だけではなく、ZETAの成長に刺激されてコミュニティーが活性化した面もあるはずだ。」
一見、ZETAがコミュニティを活性化したという見方もできるが、実際にはBeOSコミュニティを分裂させた部分が大きかった。僕もはじめてZETAに出会ったころ、Haikuがリリースされるまでのつなぎとして、ZETAに存在する意味があったと思っていたが、考えてみると、yellowTAB(というか、Berndさん)がコミュニティ全体を従事させるビジョンもなく、開発コミュニティのメンバと多くの対立を生んだ存在でした。
●「また、ライセンスが無ければソースコードも無い公算が大きく、その中で API の改良などを行った yT の技術力はすごいと思う。」
ACCESS社が「yellowTAB社またはBernd KorzさんにBeOSのソースコードをライセンスしてない」と主張していますので、yellowTABがソースコード無しで開発していたわけではない。
● 「訴訟リスクを負ってまで BeOS コミュニティーを牽引したという点に関しては率直に評価されるべきではないか」
違法行為を犯したならば、当然リスクがありますが、それを評価するのはどうか。日本では知られてないかもしれませんが、一部のBeOS開発者がyellowTAB社の態度ややりかたにうんざりしてコミュニティを離れていった形跡もあり、yellowTABが「BeOSコミュニティーを牽引した」とは言えない部分が大きい。
最後になりますが、ZETAの存在を知って夢中した自分が、日本のBeOSファンに声をかけてJPBE.netを発足させたり、yellowTABへの協力を要請したりして、それがこんな結末になってしまったことを考えると、何だか少々の罪悪感がある。自分も「こんなはずじゃなかった」という気持ちではありますが、多くの人達を期待させた責任も感じて、自分のナイーブさが悔しいぐらいです。
さて、次は (スコア:1)
海賊版の件はまぁ、契約の話ですし企業間で解決して貰うしかないでしょうね。契約だと文言の解釈で揉めることは良くありますし。特にコメントはありません。
>借りにACCESS社のZETAの合法性に関する主張が認められたとしたら、Haikuも違法コードに感染されている可能性もあり、「ありがた迷惑」状態です。
yellowTABがBeOSのソースコードを買ったなんていう話はそもそも一度も出たことがないのですから、yellowTABが独自に書いたコードしか受け取ってないのではないでしょうか。その辺のやり取りは、海賊版の話があってもなくても気をつけてないといけなかったはずですよ。
>一見、ZETAがコミュニティを活性化したという見方もできるが、実際にはBeOSコミュニティを分裂させた部分が大きかった。
Be社が潰れてしまった後、開発者がそれぞれ自分の思うところに従って進む道を決めたわけで、結果的にコミュニティを分裂させた格好になったとしても、単純にその行為が良かったか悪かったかは何とも言えないでしょう。BeOSの後継としてあがっていたのはHaikuとZetaだけではないですが、どれも分裂を意図していたわけではないはずです。Be社がなくなった時点でコミュニティは必然的にバラける方向に進み始めていたのです。
yellowTABがBeOSコミュニティを崩壊させようと画策していたとかいう話があるのなら、勿論考えは変わりますが…
>yellowTABが「BeOSコミュニティーを牽引した」とは言えない部分が大きい。
yellowTABが牽引したかどうかはともかくとして、Zetaがパッケージとして販売されたという事実はかなり大きかったです。やっぱりモノがあるのとないのとでは全然違うんですよね。
>最後になりますが、ZETAの存在を知って夢中した自分が、日本のBeOSファンに声をかけてJPBE.netを発足させたり、yellowTABへの協力を要請したりして、それがこんな結末になってしまったことを考えると、何だか少々の罪悪感がある。
Be社が潰れた時点でこのビジネスが難しいことは皆わかっていたし、だからこそyellowTABに協力しようという人も集まった。成功が約束されていると思っていた人はいないでしょう。結果的にはやっぱり難しかったということになってしまいましたが、少なくとも私は良かったと思ってます。
今は、Zetaがインストールできるマシンがないので一年くらい動かしていません。新しく買ったマシンはどれもインストールに失敗してしまいました。Zetaはハードウェアの規格更新の時期に運悪く当たってしまって不運なところもありましたが、残ったHaikuはこの課題をどう対応するのでしょうか。私はマシン決め打ちにすべきと考えていますが…
Re:さて、次は (スコア:1)
ACCESS社が「ライセンス契約は存在しない」と主張しているので、契約の解釈の違いではないようですよ。借りにyTがライセンス契約があったとすれば、ACCESS社が書面勧告を出した時点で契約の開示をすれば、それで済んだわかですよ。
yTが独自に書いてZETAの一部として公開/配布したソフトもBeOSの派生物になりうるので、借りにyTがライセンスが無かったとすれば、ACCESSの無許可で再配布またはオープン化することはできないはずです。Haiku内でも、合法性のはっきりしないコードが受け入れない姿勢ですから、コードが公開されてもリスクを背負って使う人がいるのでしょうか。
yTが開発コミュニティの分裂を意図的にしたかどうかは別として、結果的にはそういう効果が多いにあった。BeOSを使いたいユーザにとって「今使えるZETA」が確かに魅力的ではあったかもしれない。しかし、OSプラットホームとしても(ビジネスとしても)、開発コミュニティが成長しなければ生き残れないわけです。yTがサードパーティ開発エコシステムを作らなかったどころか、多くの開発者を疎外した前例が結構あったことから、長い目で見ては、あまり良い存在ではなかったし、気を散らすものになった。
「契約の引き継ぎの問題ではないか」という指摘もありますが、その可能性は究めて少ない。企業が契約している会社が買収されたとき、その契約の存続を保持するための装置をとるのは普通です。ACCESS社がPalmを買った後に、yTに対して書面勧告を出しているということらしいので、yTがその時点で対応できたはずです。