live-gonの日記: 「知的財産推進計画2006の見直しに関する意見募集の結果・団体からの意見」
自分のホームページの掲示板に書かれたことに興味を引かれて読んでみたんだけど、PDFで、しかもところどころテキストでの選択ができなかったので引用しにくかった。そんなわけで打ってみた。
元はhttp://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/070531/iken1.pdfである。
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「知的財産推進計画2006」の見直しに関する意見。
拝啓
時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
この度、私どもコンピューター技術産業協会 (以下、「CompTIA」といいます)は、内閣官房知的財産戦略推進事務局(以下、「推進事務局」といいます)におかれまして、「Promotion Strategy for Important Topics Relation to the Intelectual PropertyCreation Cycle」(知的財産の創造サイクルに関する重要な課題に向けた推進戦略)(以下、「推進戦略」といいます) に関する意見を求めておられることを Intellectual Property Strategy Department(知的財産戦略課)を通じて知るに至り、この件に対して多大の関心を寄せております。 私どもは2006年についても同じく知的財産の創造サイクル専門調査会報告書(以下「報告書」とします)に関しコメントさせて頂きました。
CompTIAは、報告書にございます諸課題、当協会の多数および多岐にわたる会員に重要性な主要課題について意見を述べる機会を与えられたことを感謝しております。以下に、報告書の内容に関した特定の事項に対する当協会の当初の見解が述べてあります。検討にあてられた時間が限られていたため、私どものコメントは暫定的な性質のものとならざるをえませんが、当協会は、貴事務局において今後の検討を進めるにあたり一層の協議に参加する機会が与えられることを歓迎いたします。ご検討賜りたく本意見書を日本語と英語にて提出いたします。
CompTIAの背景情報
CompTIAは世界で最大の規模を有する情報通信技術業界の団体であり、この25年にわたって成長し、 日本を含む100を超える諸国で22,000社を越える企業を会員に擁しています。また、日立、富士通、リコー、キヤノンなど、日本に本拠を置く200社以上の企業がCompTIAの会員に名を連ねています。
情報技術(IT)セクターは、いまや110万の事業で構成され、それらの事業が1,100万ものIT関連の高収入職を支えています。これらの事業は、9億ドルもの税金を生み出し、世界経済に年間1兆7,000億ドルの貢献をしています。情報技術の利用から生み出される経済的・産業的利益は個人経済や経済人に確実に影響を与えることになります。そのため、技術セクターの成長と技術のより有効な使用は、政策立案側にとっての有用なターゲットであるといえます。継続的な研究により、情報技術の成長を促進する確実な手段は、民間セクターに活力を与えるための強力な知的財産保護と技術導入と使用を促進するための官民情報技術システムの円滑な機能の組み合わせによることが証明されています。
当協会の会員は、ハードウェア製造企業、ソフトウェア開発企業、アプリケーション・サービス提供企業、インターネット・サービス企業、流通企業、小売企業、再販企業に加えて、IT研修企業、サービス企業および通信企業によって構成されています。当協会の会員は合わせて 世界の数十万人の従業員を雇用し、毎年、数10億ドルに相当する製品とサービスを提供しています。
CompTIAは1982年に設立され、本部をシカゴに置いています。またアジア・太平洋地域の東京、北京、香港およびシドニーを含めて、世界の全地域にオフィスを設置しています。
CompTIAの中核的な機能は、世界のコンピューター産業における成長と競争を活性化する政策を促進することにあります。さらに当協会は電子商取引、顧客サービス、従業員開発およびICT従業員認定におけるベンダー中立的な基準の制定を推進しています。
報告書の大要に関する当初のコメント
私どもは、報告書の内容がいくつかの特定の分野に区分されると理解しています。なお時間が制約されていることもあり、この意見書の目的上、特にソフトウェア関連特許を含む世界特許システムと標準に関連した課題に焦点を絞ってコメントさせていただきます。
論議の出発点
IP HQ Study Group Strategy Document(推進事務局調査部会の戦略文書)は知的所有権が技術革新の促進、 日本における経済成長に大きく貢献することを暗示的に認めています。 私どももこれとまったく同意見です。CompTIAは特許の保護を含む様々な知的財産の保護が技術革新と全ての産業、特に、情報技術産業の発展に不可欠であると信じています。 加えて、国際的に受け入れられている規格に対する認識は、デバイスおよびソフトウェアの相互運用性には不可欠です。最後に、偽造者
およびその海賊版製品が刑法にのもと強力に追及・訴追されなければ、上記はリスクにさらされることになります。
報告書においては、次の特定分野について述べさせて頂きます。
・ 国際標準化
・ 世界特許システム
・ 偽造品および海賊版作成
国際標準化
報告書では、国際標準化活動(P25)に向けた取り組みを強化するための具体的な提案についての概略を説明しています。CompTIAは、今回の動きを、規格とは情報技術(「IT」とします)産業の中核であるものとして賞賛します。報告書におきましては「国際標準化包括的戦略」を産業、研究機関、政府との間での協力により実行するための提案を行っており、また政府もこれを歓迎しています。
私どもは、国際標準化という枠組みのなかには、これを実現するための核となる5つの戦略があると理解しています。この戦略について次の通りコメントを述べさせていただきます。
1. 業界における意識の改革および国際標準化活動に向けての取り組み強化
報告書では、一企業が国際標準化活動に向けて取り組みを行うためには、マネジメントの意識改革、そして取り組みを強化するための組織的構造の改革による自主的な努力の強化に必要性があるとして、その詳細を述べております。加えて、様々な国際標準化案を戦略的に利用するよう進言しています。
CompTIAは、今回のイニシアティブを全力で支援します。また、ソフトウェア開発業者など小企業(以下「小企業」とします)が自社の製品の相互運用性を高めるべく最先端の技術進歩にその水準をあわせていけるよう、これら小企業への教育が重要である点も強調したいと思います。小企業こそがイノベーションの源であることが証明されており、国際的に採択された規格を早期に導入すれば短期間のうちにビジネスの成功が可能になるということが認識されるよう促す必要があります。ソフトウェア産業は、製品開発において頻繁に多様な業界規格に対処することになります。業界規格とは、ウェブサービス規格、文書交換規格、マークアップ規格、コラボレーション規格、セキュリティ規格、その他情報規格などの相互運用を進めるテクニカルルールまたはプロトコルで公然と同意されたものや事実上の業界規格も含みます。そのため、小企業は自社製品を広範囲で受け入れてもらいたいと希望する場合、ごく身近なローカルマーケットの先を思い浮かべなくてはなりません。CompTIAは、国、地域、そして世界規模の規格設定機関への積極的参加を通じて意識レベルを高めるよう貢献するスタッフを抱えております。
2. 国全体としての国際標準化活動の強化
報告書では、国際標準化機関において委員長またはオーガナイザーとして積極的に活動すること、または環境・セキュリティ・福祉その他の分野において取り組みを拡大することにより日本に先導して欲しいという要望の概要を述べています。総合的な手段での国レベルでの研究活動と国際標準化活動の促進、さらに国が一丸となっての国際標準化活動強化も、目的の一つです。
CompTIAは、日本による規格決定プロセスへの一層の参加を歓迎します。特にOASIS、W3Cなどの業界規格コンソーシアムグループやISO/IECやITUなどの既存組織などが挙げられますが、それ以外にもETSI、ANSIやEICMAなどの組織を通じ数限りないデバイスの相互運用に導く規格採用へ貴重な貢献を行ってきた業界も含みます。
消費者の選択も相互運用を進めるにあたっての強力なツールです。市場では数多くの事実上の技術規格が生まれました。たとえば、Adobe社の市場戦略は、PDF利用者にワールドワイドのウェブ上におけるドキュメント・インテグリティを維持する製品の機能を無料で提供し、顧客がPDFを選ぶように仕向けました。今日、電子文書の送信ではPDFが世界中で受け入れられているファイルフォーマットになっています。その他にも多数の例があります。ITセクターは、技術開発のスピードと比較的動きの遅い公の規格手順から、この様な事実上の規格ではマーケット主導型の発展に大きく頼っています。
政府は相互運用性を実現するための政策を検討するため、市場がテクノロジー・ウィナーとルーザーを取捨選択するにあたって重要な影響力を持つことを留意するべきです。確かに、消費者など民間部門こそがテクノロジーがどのように、そして本当に自分自身にとって役に立つのかの最良の判断者です。記載された相互運用性を達成する手段それぞれにおいて、相互運用性に対する取り組みの成功を確固としたものにするためにも必要な市場化テストの必要要素が含まれています。
特に最近は、基準を正規のものにするコンセンサスを基本とする組織に焦点が当てられており、技術の互換性が基準プロセスとして重要であり、エンドユーザーの関心が最も高い問題になっています。相互運用性は、技術の進化と同様、静止した概念ではありません。私どもの経験では、技術の互換性が事実上、正式な規格化を超えた、多くの代替的方法によって達成できることが実証されています。例えば、支配的なソフトウェアの仕様が出現することにより、多くの場合、正式な規格よりも強い影響力で広範にわたる互換性をもたらします。このような規格の成功例としてPDF、XMLおよびHTMLの規格を挙げることができます。
サミュエル・モールスが1844年に通信プロトコルを発明してからというものの、業界は、IT基準を活発に生み出し続けています。これは、標準電信プロトコルに対する国際的なニーズに応えるために創設されたITU(国際電気電信連合)へと続きます。業界は、ANSI EIDX(Electronics Industry Data Exchange)と同様にIEEE、ETSI、ECMAなどの機関を創設しました。EIDXはCompTIAの一部門で、電子商取引における相互運用性を目的としています。詳細はウェブサイト http://eidex.comptia.org/をご参照ください。銀行は確実なメッセージング規格として、EDIのEDIFACT/X120、SWIFTに頼っています。
時間の経過により、規格は標準規格となりえます。そして、継続しうる規格を設定するのは業界です。ICT業界における相互運用性の主要な貢献者は自主的なオープンスペックです。これは、規格の発展につながり、これに自主的なオープンスペックの採用が加わりました。結果として生ずる規格を有意義に採用することなく規格を開発しても、相互運用性を実現するための取り組みには何の役にも立ちません。規格は変わるものであり、かつ技術革新の強みを活用するためにも進化しなければなりません。
CompTIAは、業界主導型の規格を促進するための日本の取り組みを提案いたします。私どもの提案の概要は次の通りです。
・業界が自主的、業界主導型、コンセンサスに基づく規格の開発を含む相互運用性の促進を先導することを認める。
・ 政府による相互運用性プログラムが公的にアクセス可能な明確な一連の技術規格に基づくようにする。
・ 規格設定プロセスに市場も参加させること。
・ 業界主導型のオープンスタンダードを支える法的な枠組みと規制による枠組みを提供する。政府が規格決定機関への代表を務める場合、業界の参加予定者すべてに対し開かれた強力な諮問手段が設定されるようにする。
3. 国際規格のための人材育成
報告書は、次世代の国際標準化を目的として日本が国際標準化に関し経験を有する人材の知識やノウハウを利用し、そして大学やその他の場所において標準化教育を支援することによって人材育成を行うよう希望しており、その概要を述べています。同時に、賞金システムを強化し、キャリアパスを設立することによる国際標準化に対するインセンティブを促進することを希望しています。
CompTIAは、日本による技術系の人材開発への一層の投資を歓迎します。特にIT技術能力に関する世界でも最大のベンダー中立認証機関として、CompTIAは、現在そして未来の人材能力に貢献いたします。CompTIAは、規格設定プロセスがエンジニアリングから乖離し、更に重要なビジネスのゴールから乖離することに忠言いたします。
私どもは、規格設定プロセスが企業主導である必要がある旨、強調したいと思います。つまり、リアルタイムの民間研究開発から規格設定プロセスを乖離することは、ビジネスで成功するために必要とされるものとは反対のことであるからです。業界が規格設定プロセスに十分に関与してない場合、規格は技術的進歩が同プロセスに組み入れられないため被害を受けることになります。
このようなビジネス上の成功を確かなものにするため、規格はエンジニアやエンドユーザーのもとにあるべきです。業界外の「規格専門家」によるプロセスは、最先端技術によるプロセスを除外することになります。さらには官僚支配が関与すれば、全プロセスに過度の政治色を加えかねない実際のリスクが生まれ、促進が滞ります。IT業界への建設的「非介入」の例は多く、それは特にITセクターにおいて多くの基準を作り上げ、より力強い商品を低価格で供給することで顧客に貢献し(ムーアの法則)、これは日本の顧客に対しても長きにわたって貢献してきました。
4. アジア各国をはじめとする他国との協力の強化
報告書では、日本に対し「アジアパシフィック地域における標準化の主導権」を確立、さらには中国および韓国との協力を促進するよう希望しており、その詳細を述べています。
CompTIAは、将来的には規格に発展する可能性がある新規の仕様につながる研究開発における国際協力を歓迎しますが、いわゆる「リージョナル・スタンダード(地域規格)」に対しては注意を喚起したいと思います。一例として、インターネットの急速な進化が挙げられます。これはグローバルなHTTP規格に基づき、先進社会を一変し、今では発展途上経済に対しても具体的な測定手段ともなっています。このようなインターネットの進化により、インドネシア、マナドのコーヒー生産農家が文字通りリアルタイムでコーヒーのグローバル価格を知ることができるようになり、今まではこのような情報を独り占めしてきた取引業者に対し、自身の収益を最大限にすることができます。
上記のように、IT規格は今や世界レベルとなっています。ITデジタル後の世界には境界線はありません。最近になって日本の規格協会がIT規格を扱うISO(国際標準化機構)の重要な専門委員会(JTC-1:私どももSC34の会員です)の事務局員になることを申し出たことは、日本による世界的な規格認証機関への関与の兆しであり、歓迎すべきことです。
よってCompTIAは、日本がISO/IECやITUなどITに関係する国際電気通信連合などの業界や公的な国際的な規格機関に焦点を置き、さらには将来すべてのステークホルダーの利益となる積極的にコンセンサス主導型の規格へ貢献することを提言いたします。日本の消費者とビジネスは、世界規格の採用によりグローバルレベルで利益を享受することになるでしょう。
5. 国際標準化に関する公正なルールの制定への貢献
報告書は、日本がより公正で、かつ開かれた国際標準化システムの実現に積極的に貢献するよう希望し、その概略を述べています。同時に、国際標準化に関係する知的財産を取り扱うにあたってのルールを明確にすることにより、国際標準化に関する公正なルールの制定にも貢献するよう希望しています。報告書は、世界貿易機構のTBT協定における「国際規格」および「国際標準化機関」を定義する条項は含まれておりません。
この理由から、これらの定義に関しては今まで様々な論議がなされてきました。特に米国は、ISO・IECやITUなどの代表的な国際的標準化機関がヨーロッパを拠点としている一方で、米国を拠点とするIEEEやASTAMなどの協会のほうが十分な透明性、門戸開放、公正性があるとして国際機関として適していると主張し続けています。加えて、ISO/IECなどの国際標準化機関とCENやCENELECなどの地域的な標準化機関との間の協力を促進する、またはECMAやIEEEなどの主要な標準化協会が国際規格の設定プロセスを加速化するなどのアドバンテージを握ってきた一方、ファスト・トラック・システムなど原文作成時のプロセスに透明性が欠けているなどとして批判されてきた一部の環境が存在しています。日本にとって、より公正かつオープンな国際標準化システムの実現に貢献することは必要です。
報告書は特に以下を推奨しています。
WTOのTBT協定の発行または実施およびその他の活動の改善に関する討議に積極的に参加することにより国際標準化システムがより公正かつオープンになるよう積極的に貢献すること。
CompTIAは、WIPOなど知的財産関連問題に関する様々な団体で既に実際に行われている採択プロセスに参加したいという日本の希望を歓迎します。ですが、上記2項の通り、規格の商業化に関連するような事項は概してマーケットの中に留まっており、過度に干渉的なルールは実際にはイノベーション押さえ込むことにより、報告書が希望するように逆効果をもたらしかねないことを提言します。
IT業界規格の価値は、規格により提供される情報と業界の規格採用とのバランスに左右されます。規格の普及は、これら規格が業界で広く理解され、さらに市場の需給によって設定された価格で業界が積極的に支払うと同時に「正しい」情報が送信または提供された場合において成功します。正しい情報と理解が組み合わさったときに、それが共生的に規格の価値の成長と拡大が可能になります。
さらに、既存の機能に関し競合する規格が存在する場合、市場メカニズムにより価格最適化が生まれます。最終製品と同時に、規格間の競合が価格を押し下げ、開発者にとって次世代の規格を創り出すためのインセンティブとなります。
変化のない停滞した環境(つまり開発がない環境といえます)においては、情報価値は相互運用システムによって実現し、情報交換を支配する単一の規格が最も有利となります。TCP/IPソフトウェアなど基礎となる環境が有効に共有化されるため、既存の環境の最大価値と成長が既に実現している環境において多くもないリソースを拡張または新規格への投資を行うことは、ほとんど意味をなしません。
規格は、規格のユーザーが機能性を共有化できるまたは既に共有化されていることに同意できる場合において有効に働きます。低いレベルでのインフラ層における規格が典型的な例といえます。抽象的概念という高いレベルのスタック(例えばアプリケーション・ソフトウェアなど)まで上がると、そこでは技術革新が起こっており、押し付けのスタンダード・コンバージェンスは技術革新を妨げ、導入にコストがかかる扱いにくい規格を生み出すことになります。
これは上位レベルの規格を専有物にするべきと言っているわけではありません。相互運用、そして結果的にはコンバージェンスを実現するためにはオープンな開示と進行中のコンセンサス・ビルディングが必要なのです。IT業界は、現在進行中のプロセスとしてコンセンサスを反映した標準規格を開発する努力を尽くさなければなりません。様々なステークホルダーとかかわる業界には、開発する製品といずれ標準規格となりうる規格の価格を下げようとするあらゆる動機があります。確かにITにおける技術革新の歴史は上記に引用したムーアの法則につながった先人たちを足場とした標準規格の革新ともみられます。主要な標準化団体すべてがRAND(妥当かつ非差別的)条項を学術的・商業的に開発される規格に採用していることにより消費者の利益となります。
RAND(妥当かつ非差別的)条項は、パテントポリシーにおいて標準化された技術の実施許諾使用に関する条件として定められましたが、その解釈が不透明だという議論も一部あります。さらにライセンサーがライセンシーにたいし過剰なライセンス料を請求する可能性もあるとの危惧も見受けられます。実際のところ、RAND条項の解釈はそれほどやるべき価値があるとは証明されておりません。ですが、過去の実施状況を見直すことは将来の研究には有効な要素です。
世界中の業界標準化団体の大多数が、RAND (妥当かつ非差別的)条項に基づくライセンス契約により近年にソフトウェア規格に特許を受けた物質を加えることを許しています 。これは、標準規格がIT開発における最先端技術を正確に反映したものとするために行われました。
ISO/IECでは、標準規格が提案された場合、通常のプロセスが5年以上も実際のところ長引きかねないのに対しファスト・トラック・システムにより最終投票までトータルで6ヶ月の審議期間が実現しました。動きの早いIT世界のコンテクストでは、5年といえば永遠ともいえる長さで、規格によっては5年もたたないうちに影が薄れてしまいました。
香港IT連合からJTC-1(ISO/IEC合同専門委員会、IT基準)の複数の専門委員会に派遣された専門家は、それぞれの協議会やオンライン討議(インターネットが実現した能率性によりいまや大多数の業務がオンラインで行われています)に参加しました。ファスト・トラック・プロセスは、IT業界にとって計り知れない利益となり、早い段階でこれらの規格に合わせて製品を開発することにより、互換性が高まるなど消費者にとっての利益にもなると証明されました。
ANSI、ECMA、 ETSI、IEEE、IETF、ECMAなどの既存の業界主導型国内・国際機関は、コンセンサスに基づき運営され、構成団体にとって満足のいく規格により標準規格として提案される規格を事前に選別する機関として機能しています。ですから、これらはISO/IECプロセスにとって商業的に価値の高い付加価値を提供しています。
パテントシステム
グローバルパテントシステム実現への取り組み強化(P25)
報告書は、グローバルパテントシステム実現への取り組み強化に対する確固とした提言に関しその概略を述べています。
特許とは、技術革新がより速いペースで実現し、テクノロジーが営業秘密として保護されることにより更に広いマーケットに出ることを可能とする保証ですので、CompTIAはこの動きを賞賛いたします。これは、多くの技術革新が中小規模の企業によって生み出され、特許こそが彼らの今後の技術革新を可能とするロイヤルティまたは特許交換への「取引可能な通貨」ですので情報技術(「IT」とします)業界において特に重要なものとなります。
報告書は、世界規模のビジネスの急速な拡大により外国での特許申請が拡大しているため、パテントシステムの調和、特許申請の実施、相互承認および審査結果の利用に向けての取り組みを強化する必要性があると述べています。
(1) ワンアプリケーションの推進
三極特許庁((欧州特許庁、日本国特許庁、米国特許商標庁)間における特許明細書のフォーマット統一化に向けての合意に基づき、日本政府は早急にこれらの明細書の実施を行い、特許協力協約を新たに合意されたフォーマットを実施するために改正するべきです。日本政府は、さらに申請の直接変換を可能とするためにも上述のフォーマットに含まれていないその他の明細書の統一化を進めるべく議論を促進するべきです。
(2) 長期にわたる特許審査官の交換による日米間の国際審査協力を実現
日米で同一の特許申請を行った場合、両国の審査官の間で信頼を構築するべく同一の結果が得られるようにするため、日本政府による日米間での長期にわたる審査官交換そして日米で同一の申請を共同で審査することを提案、協議しています。
(3) 特許の相互承認に向けての取り組みの推進
三極特許庁(欧州特許庁、日本国特許庁、米国特許商標庁)間の審査結果の相互利用の促進を目的として新たに設立された「ワークシェアリング・タスクフォース」における議論に加えて、日本政府は、米国特許商標庁または欧州特許庁に先駆けて実施可能である実務レベルでの二国間協力を進めています。
CompTIAは、中小企業の技術開発社向けの市場でのコスト・カットと時間削減、そしてすべての関係者にとっての経済利益の拡大を生み出すよう、特に特許のファスト・トラッキングシステムを実現するためのハーモニゼーションを支援しています。特に、21世紀にはソフトウェアは技術的進歩から切り離すことができないとの認識が理解されるため、CompTIAはコンピューター関連開発(CII)またはソフトウェア特許の特許保護を支援いたします。例えば、気候予測や気候変化測量と同様リサーチの中でも重要な分野であるソフトウェアは宇宙産業およびバイオテクノロジーの中心にあります。
報告書のコンセプトは、知的所有権における協力の価値を国際レベルで認めた世界知的所有権機関による日本も調印国である特許協力条約(PCT)と一致しています。国際協力の恩恵は、2006年3月13日から31日まで開催された商標法条約改正の採択に関する国際外交会議において世界知的所有権機関においても更に補足されました。
オンラインコンテンツ
報告書は、インターネットユーザーが、インターネットで製作されたコンテンツや創造的なマテリアルが流通するコンテンツを含む著作権取得済みのマテリアルを楽しめるよう希望しています。報告書は、技術開発やユーザーが様々なコンテンツを楽しむことができるだけの柔軟性を持つ、ユーザーによる要望を支える法的システムの確立を求めています。
報告書は、インターネット・サーチサービスに関連する問題の解決を求めています。日本政府は、インターネット・サーチサービス提供業者が著作権で保護されているサーバー上のマテリアルをコピーまたはコンパイルした場合、サーチ結果をディスプレイした場合の著作権問題について調査し、必要な手段を講じ、デジタルおよびネットワーク環境において適切な法的システムを探る予定です。さらにコンテンツサーチ、アクセステクノロジー、世界レベルでの標準化、さらには適正な保護ルールの開発を探ります。
CompTIAは、改正ベルヌ条約およびWTOによる貿易関連知的所有権協定に基づく既存の著作権法に適用する限り、今回のやりがいのあるイニシアティブに関する取り組みを支援します。特に、コンピューター関連開発(CII)やソフトウェアなど技術に関連する知的所有権に関する法が存在しない場合、著作権法は開発者とその著作物を守ることでその著作物への適切な報酬を受けることができるため更に重要となっています。上述したように、デジタル経済では境界線がなく、日本国内の著作権法の変更においては、著作物の著作者が「本来の保護」と将来の創作のインセンティブ両方を得ることができるよう著作物の世界レベルでの著作権に関する慣例と基準を考慮すべきです。著作物へのアクセスを劇的に拡大した技術の多大なる進歩が、著作権者の権利を尊重する方法で規制を受けることはより重要なことです。
よって推進事務局は、自らの挑戦として、開発とオンラインアクセスを促進するために技術提供者と共同でオンラインサービス・プロバイダと著作権者間の交渉における取引費用を減少させるよう取り組まなくてはなりません。
これはインターネットの世界勢力のメリットを損なってはなりません。オンラインサービス・プロバイダは、出版社の領土権を留意しなくてはなりませんし、推進事務局は、オンライン環境でそれらの権利を強化することは多大なる複雑性とコストが伴うことを認識する必要があります。推進事務局は、今回の課題への解決に達するため著作権者、技術提供者そしてインターネットベースのオンラインビジネスと共になって取り組む必要があります。今回の課題は、シンプルかつ芸術的な創造性と消費者によるオンラインコンテンツへの広範囲に及ぶアクセス両方を維持するという最終的なゴールを生み出すことになります。
模造品および海賊版製品
報告書は、海賊版製品の問題点とその内容を詳しく明確にしています。
CompTIAは、本書に記載する理由により、大きくは海賊版製品の製造者および販売者の犯罪化に繋がる、力強い知的所有権保護を支援します。革新的な製品を生み出す中小企業への損害は、確実に経済的に生き残る能力を妨げかねず、それこそ創造性を持つためのインセンティブへの損失につながります。さらに、税収面での国への損害は、海賊行為は違法事業であり税システムの枠外にあることから、多大であるといえます。
報告書は、「模造品・海賊版コピー不拡散条約」(仮題)の概要を述べています。CompTIAは、ドラフトをまだ読んでいませんが、概ねその考え方に同意しております。同条約は、WTOの加盟国による批准により適切な多国間のWIPOなどの貿易組織よって長期にわたり管理されます。
まとめ
日本は長期にわたって技術革新をリードし、その結果、主要な経済的利益を実現してきました。日本の技術革新におけるリーダーシップは知的財産の保護を基盤として、その上に築き上げられました。日本は欧米と同様、これまで長年にわたりソフトウェア関連特許を認め、このような特許が、日本がICTの分野で世界をリードする国の1つとなる過程で重要な役割を果たしてきたことを確認してきました。
CompTIAは、報告書において、標準規格プロセスへの参加および特にコンピューター関連開発にかんする特許・著作権を含む知的所有権保護の強化、さらに推進事務局の技術革新と創造性を守るという壮大な目的の知的財産を強化する考えを歓迎しています。
業界を犠牲とした標準規格プロセスへの政府介入を拡大することや、知的所有権を希薄化または除去することは、日本における素晴らしい産業の発展を育んできた過去の政策から大きく逸脱することになります。さらに、このような動きは、世界の他の諸国に対し「技術革新の促進」を名目に、知的所有権の保護を弱める措置を取る口実を与えるという意図しない結果を招くことになります。
このような理由から、CompTIAはIP HQ(推進事務局)とStudy Group(調査部会)に対して、今回の提出文書で私どもが提起した見解および課題を注意深く検討され、開かれた慎重な方法で審議を進められるよう要請したいと存じます。当協会はこれらの事項を取り扱う連絡事務所を日本に開設しています。 私どもが運営するCompTIAの●●の●●と申します。私の連絡先および住所は以下の通りです。●●、CompTIA ●●
私どもはここに再度、当協会の暫定的な見解を申し述べる機会を与えられたことに感謝し、今後、審議の手続きが進められる過程でStudy Group(調査部会)およびIP HQ(推進事務局)に対し、適切であれば将来的に開かれる会議への参加を含めて、より多くの情報をお伝えする機会が与えられることを歓迎いたします。
敬具
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