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longest-one-way-tripの日記: 津軽線

日記 by longest-one-way-trip
思いがけずスラドの古参のお二方にコメントを頂戴してしまった。意外な方の目にとまっていて恥ずかしいというか。コメントにお応しなければならないと思いつつ、プレッシャーに負けそうなので、お茶を濁してしまうことにする。

2004年12月26日に津軽線に乗っている。以下はそのメモである。

津軽線の青森~蟹田間は既乗。もっと言えば中小国まで既乗であるが、乗ったのは津軽海峡線の特急とか急行だったから、停車はおろか、ホームすらない。今回は特に印象深かった蟹田~三厩間を中心にメモをする。

この日の朝、5時35分に青森駅着。札幌発の急行はまなすを長万部から乗車した。前夜は踏み切り事故で大幅にダイヤの狂った津軽海峡線であったが、一夜で定刻運行が復活している。まだ薄暗い中、他のホームには、特急のいなほやつがるが待機している。青函連絡船はなくなったとはいえ、終着駅の貫禄は十分である。

6番線から、6時5分発の蟹田行き。発車の10分ほど前にホームに入ってきた。特急つがるに使われるE751系の間合い運用である。雪の降る中、暖色系の色が映える。

さすが特急車両と思わせる良い車内である。クロスシートの座り心地がよい。余談だが、この列車には、車内でのみ発売されるというグリーン券がある。いまでこそ、湘南新宿ラインなどは、青春18きっぷでも乗れるグリーン車があるが、こうした特急車両が青春18きっぷで乗れるというのは、おもしろい。ただ、値段は、確か、750円だったと思った。というわけで、普通車に乗った。いや、普通車でも十分すばらしいのだ。

列車が動き出すと、すぐ、眠りについた。起きたのは蟹田に着いてからだった。2番線到着。もう日が出ていて、明るくなってきていた。せっかくならこの列車で三厩まで行ってくれたらいいのに、と考えて、ふと思い直す。ここから先は30kgレールだった。それに、三厩の1面1線の小さなホームにこの特急が止まっていたらどんなにシュールだろう。そこまで考えて、またふと思い直す。いや、それはいいかも。

雪のつもったホームを慎重に歩き、跨線橋を渡り、いったん、待合室に入る。今度は3番線から、7時17分発の三厩行きに乗る。キハ40といったか、白地に赤いラインの入った車両だったと思う。ボックスシートの一画を占領する。乗客は10人いたかどうか。そのくらいだった。

蟹田~三厩間は一日5往復しかない。そのうち青森駅に直通するのは1本のみ。たった28.8kmではあるが、これを乗らないことには、完乗は果たせない。難易度では岩泉線ほどではないが、それでもやはり、そんな運行状況を知った当初は驚きで、まさか、それに乗る機会を得るとは思わなかった。この先は、目をぱっちりあける。

次の中小国は、「雲の向こう、約束の場所」に登場した。それだけの縁であるが、実物を見れば思い出す。ここから、津軽海峡線のレールが右手に登場する。複線だ。堂々とした様で、そのまま高架橋を登っていく。下り線は、上りきる前に、上り線と離れて、ちょっと大回りをする。北海道新幹線への布石である。

次の駅は、「大平」と書いて「おおだい」と読む。「平」と書いて「たいら」と読まないのは、花輪線の「八幡平」と同様か。津軽線のこの先にも「大川平(おおかわだい)」という駅がある。アイヌ語に漢字を当てたのかしらとツラツラ思うが、思考に材料がない。ここで語源を調べたらいっぱしのエッセイになるのだが、それをしないところが、メモの域である。

大平という駅がなければ、あるいは少し青森側に移設すれば、津軽二股まで津軽海峡線の高架を走らせることができたかもしれない。キハ40も新幹線も走る区間というのは、なかなかシュールでおもしろいと思うのだが、そうはいえど、海峡線にあるのは津軽今別駅であって、津軽線のそれとは違う。

運賃を比較すると、中小国~津軽二股間は19.6km。JR東日本の地方交通線で320円。中小国~津軽今別間は14.3km。JR北海道の地方交通線で260円。なるほど違うものだな。

津軽二股まで津軽線で行くと、5.3km長くなる計算なのだが、この長い分で、一山越えることになる。なんという山かは知らないが、木々には雪がまとわりついて、すばらしい光景だった。津軽線の一番の見所は大平~津軽二股間ではないだろうか。

津軽二股の駅の手前で、津軽海峡線の車庫のようなものが見えた。高架より下方にある。もしかしたら、津軽線と渡り線でもあるんじゃないかと想像してみるのだが、そういう情報はないようである。

津軽二股の駅前は、道の駅である。「アスクル」という名だそうだ。文具屋ではない。北海道新幹線奥津軽駅決定という看板がある。2003年の9月に津軽海峡線を利用したときにも、同じ看板を見た。あの当時は北海道新幹線の着工自体は決まっていなかったはずだから、駅名のみが「決定」したということだったのだろうか。

津軽線は、津軽海峡線をくぐって、その東側に出る。大川平~三厩は不覚にも寝た。大川平のあたりで、遠くのとおり沿いにパチンコ屋を見た。こんなところにもあるんだなぁ、と文化の息遣いを感じた。

三厩には7時56分着。駅舎のあたりをうろつく。乗ってきた列車は折り返し、8時5分発の蟹田行きになる。これに乗車することになる。三厩滞在時間は10分ない。今日は、後に計画が詰まっている。三厩で見所があれば、もっと滞在する計画も立てたが、どうもめぼしいものはなかった。むかしは三福航路というのがあって、北海道に渡れたそうだが、今はない。夏場であればそういうプランもあったかもしれないが、ともあれ、この日は、そさくさと引き返した。

さきほどは寝てしまった区間を戻る。左手には海が見えた。日が昇ってきて、美しい。右手に青函トンネルを出たばかりの津軽海峡線の高架橋が見えた。これはまたすぐ別のトンネルに入るのだが、そのちょっとした間隙で、白地に紫の列車が青森方面に行くのが見えた。白鳥41号だろうか。

蟹田着8時46分。1番線到着で、すぐ待合室にはいる。ストーブを囲んで津軽弁で談笑するおばさん方がいた。2番線から9時9分発の普通列車で、青森に戻る。青森には9時53分、6番線着である。
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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