masakunの日記: 【スクラップブック】ドン・アトキンスIBMソフトウェア事業部副社長に聞く
Vistaの音声認識でPerlのコードを書く試みストーリー関連で思い出した記事。
ドン・アトキンス氏(IBMパーソナルソフトウェア事業部マーケティング担当副社長)
『Warp4こそネットワークコンピューティングの
重要な鍵となるでしょう』米国でWarp4が発売された直後の10月、IBMのパーソナルソフトウェア部門でマーケティングを担当するドン・アトキンス副社長が来日した。アトキンス氏はネットワークコンピューティングの推進をガースナーIBM会長に強く進言したといわれる、会長の懐刀的存在。マレーシア、シンガポールでWarp4のプロモーションを行った後の来日だった。「今年はOS/2にとって、とてもエキサイティングな年だった」と語るアトキンス氏に、Warp4の反響やOS/2の目指す未来についてお話をうかがった。(聞き手は宮永好道氏)
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/Mag: Warp4に対する米国内の反応は?
アトキンス(以下A):たいへんエキサイティングです。発売に合わせてWebサイトを設けたのですが、最初の4日間で10万件のヒットがありました。発売直後に売り切れてしまった小売店も数多くありました。
Warp4についてじっくりとお客様の声を聞いたのですが、多くの方が「とてもリーズナブルな製品だ」とおっしゃってくださいました。現在のアプリケーションが持っている問題を解決する存在だと考えていただいているようです。
OS/2の最も大きなお客様は全世界の大企業です。そういった方々が考えているビジネス戦略、方向性に、Warp4は見合った存在であるということですね。/Mag: NT4.0に対するWarp4の優位点は?
A:Warp4は、従来使用してきたアプリケーションを継続して使うことができます。これまでの投資が無駄にならないのです。と同時にWarp4対応の新しいアプリケーションも利用できます。
IBMはネットワークコンピューティングを重視していますが、私たちはお客様が大規模なシステムアップグレードをしなくても、快適なネットワーク環境に移行できるようなシステムを提供したいのです。Warp4を使えば、既存のアプリケーションを保護しながら、ネットワークコンピューティングへ移行することも容易です。
たとえばWarp4ではNetscape Navigatorを取り入れましたし、インテルベースのOSマシンとしては初めてJavaを統合しました。OS/2を通して数多くのアプリケーションにアクセスできるのです。/Mag: Javaが統合されている点について
A:Warp4ではブラウザなしにJavaをネイティブに走らせることができます。OS/2内部にJavaクラスファイルを実行する能力を持っているのです。
Javaに関してはさまざまな動きがみられます。IBMは多くのパートナー企業と協力して、Javaを利用した真の意味でのクロスプラットフォームでオープンな環境づくりを進めていく予定です(記事注:これは「サンフランシスコ・プロジェクト」というコードネームでスタートしたもので、現在は IBM Shareable Frameworks(共同フレームワークス)と呼ばれている。詳しい情報は http://www.softmall.com/sfにある。)/Mag: 話題のVoiceTypeの実用度は?
A:立ち上げてすぐでも単語の80%は認識します。50分も使いつづければ、話していることの90~95%を認識してくれるようになるでしょう。言葉遣いを学習する能力もありますし、なまりがあっても大丈夫です。
Warp4の音声認識機能の最大の特徴は、OSに統合されている点です。特別なハードウェアは必要ありません。テキストを受け付けるアプリケーションなら、すべて音声でコントロールできるのです。
私はオフィスで使っています。山のようにたまった紙の書類を処理しながらでも、「Open」というだけでメールを開けますし、返事も書けるのですから便利です。
VoiceTypeはさまざまな業界で応用が可能ですが、とくに医療や法律など、口述による作業が多い業界ではその力を発揮するでしょう。シンガポールの病院の放射線科では、VoiceTypeを利用することで、これまで2日以上かかっていた記録が検査直後に作成できるようになったそうです。/Mag: OS/2の将来について
A:IBMは全社でネットワークコンピューティングに取り組んでいますが、その中でWarp4の役割は非常に重要です。私たちはこれからもOS/2に投資を続けていきます。IBMという企業全体において、OS/2は重要な役割を果たしているのです。そのことを考えるたびに、私は胸を躍らせています。(ソフトバンク刊 OS/2Magazine No.16 1997 January 14ページ)
特定の分野で音声認識機能に利用価値があることを示す記事でしたので、ここに掲載しておきます。オフィス文書を音声入力で作成するというMicrosoftが作ったデモンストレーションよりはるかに進んだ提案を、IBMのドン・アトキンス氏がそれより3年くらい前に提示していたことは注目に値すると思います。
またOS/2に関する過去10年を振り返ってみますと、長野オリンピックがあった1998年まではOS/2に投資しているというIBMを信ずべき確かな理由がありましたが、1998年後半~1999年にかけては日本IBMがWarp4日本語版向けのフィックスパックの提供を渋る(英語版はリリースされていた)など、日本のOS/2ユーザーとしては歯がゆい時期がたしかにありました。しかしOS/2雑誌が休刊になったものの2000年問題への需要からWarp4コンビニエンスパッケージがリリースされる発表があったあたりから徐々に、OS/2にしがみついてこれたユーザーが報われる時代が2001年以降やってきたように思います。わたしが「素晴らしきかなOS/2」というWebサイトを立ち上げたのが2000年4月。ほぼ毎週更新しつづけることができるほど、OS/2のニュースに事欠かなかった楽しい時期でした。
『巨象も踊る』というガースナー元会長の回想録によると、20世紀末にOS/2は何度もサポート中止が検討されたようです。とはいえインストールベースではWindowsに負けてしまったものの、Warp4が素晴らしい出来の製品だったからこそ、ドン・アトキンス氏が体験したエキサイティングな1996年の反響があり、2006年までのIBMによる公式サポートがあったのでしょう。IBM社内ではOS/2の役割がこの10年で完全に失われていったとは思いますが、Windowsが2000/xp/Vistaと様変わりした今でも、Warp4が優れたオペレーティングシステムであることにかわりありません。:-)
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