masakunの日記: 福島やチェルノブイリで噂される「甲状腺がん多発についての疑問」 2
日本原子力学会誌,Vol.49, No. 1(2007)「チェルノブイリ20年の真実 事故による放射線影響をめぐって」より
(前略)
子どもの甲状腺がんはまれで、事故以前は100万人に1人といわれていたが、国連科学委員会(UNSCEAR)のポーランド代表である Z.Jaworowski は、子どもの甲状腺がんは決してまれではないという(私信、2006年6月)。スクリーニングが行われる以前まれだったのは、それらが"オカルト(occult)"で、通常年をとって死ぬまで臨床的に悪い症状を示さないからである。フィンランドの0歳から15歳の子どもについての死後のスクリーニングでは、2.4%(Harach 他)もあった。これに対して、毎年"汚染"地域の子どもの90%以上が受診した集団検診での"チェルノブイリ甲状腺がん"の最大罹患率0.027%(1994年のロシア Briansk州)は、フィンランドの通常の"オカルト"甲状腺がん罹患率の1/90にすぎないという。
公表されている約5,000という子どもの甲状腺がん(手術例)に対して、甲状腺がんによる死亡が15例というのはあまりにも少ないという指摘がある。リンパ節転移や肺などへの遠隔転移もあると報告されているが、放置できたかもしれないのに予防原則?のために甲状腺を全摘出され、一生ホルモン剤のお世話にならなければならなくなったとしたら気の毒な話ではすまないかもしれない。
なるほどね、ツイートをした人はこの論文を知っていたから、福島の甲状腺がんについても疑問を感じておられたわけね。すっきりした。
なおこの論文の結びにはこうも書かれている。
低レベル放射線による長期的な影響は、たとえあるとしても識別困難な程度のものであろう。深刻な精神的、心理的な健康障害をもたらしているものは、微量放射線に対する恐れと、事故後の社会的、経済的な要因と思われる。
これは日本でも立証されつつあると思う。
【3/23 23:40追記】「原子力災害に学ぶ 放射線の健康影響とその対策」の46頁にはこういう記述があるという(Twitter)。
(iii)甲状腺癌増加の原因は放射線か 原因が放射線と決定するためには線量との相関が必要であるが、専門家の間では、現状では線量との相関が認められたとはいえないと結論された。線量との関係が認められなければ原因は放射線と結論することはできない。そのため発表あるいは抄録の段階では、「時間的、地域的な状況証拠(temporal and geographical strong circumstantial evidence)」からチェルノブイリ原発事故により小児甲状腺癌が増加したと結論したと発表した。決して放射線が原因との結論を含んだものではない。
Togetterにもまとめられているが、この本は一回読んでみたいと思ったので追記しておく。
もっとも日本では (スコア:0)
東電(とそれをかばう安倍政権)という悪党が設定されてますので、
> 恐怖や、事故後の社会的、経済的な要因
もすべて奴らの責任だと転嫁することが可能になっています。
煽った奴はむしろ悪党と戦うヒーロー。
被災者を救うには、むしろそういう害虫を駆除するところから始めるべきだと思いませんか(盗用)
理屈が理解できないから巣に帰れ (スコア:1)
今は復興の足を引っ張りあいするべき時ではないし、理屈が理解できないからと言って仮想敵に敵意をむき出しにするべきでもない。
それが分からない頓珍漢に、スラドは10年早い。ACで書き込む臆病者は、巣にかえってTwitterで傷の舐め合いでもしてろよ。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ