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日記

masakunの日記: 小涌谷(こわくだに?こわきだに?) 3

日記 by masakun

たまたまスラドで箱根の小涌谷ネタ(hotta-s氏の日記LARTH氏の日記)が続いているので、情報を整理してみる。

現在の地名「小涌谷」は「こわくだに」である。明治6年に改称されるまでは「小地獄」(当時は底倉村)と呼ばれていた。ワクワク箱根温泉第 9 回「小涌谷温泉」によると、江戸時代の箱根七湯に小地獄は「一めんに熱し巌の間より泥湯玉ぎりにゆる所都テ十四五所中にも至ってつよくにゆる所二ヶ処あり」とあり多数の泥湯を出す坊主地獄として知られていた。明治10年代に三河屋旅館が小涌谷から引き湯をしたのが小涌谷温泉の始まりで、すでに明治の終わりごろには坊主地獄の風景はなくなっており(masakunの日記)、昭和25年頃までに小涌谷の噴気地帯はなくなったという。
大正8年に小田原電気鉄道小涌谷駅開業。当時の官報には「こわくだに」とルビが振られていた。それがどうしたことか昭和34年に箱根ホテル小涌園(こわきえん)が開業すると、箱根湯本から鉄道に乗って小涌谷駅からホテルまで歩いて行くより、箱根湯本からの送迎バスで直行した方が早くて楽にもかかわらず、箱根登山鉄道はいつしか小涌谷の駅名を「こわきだに」と改称。先に挙げた温泉地学研究所の観測だよりも「このややこしい現象は、“ こわき ” と読む駅や施設の名称が広まるにつれ “ こわきだに ” という言い方が一般的に広まってきた」と認めている。
さて平成27年の小涌谷には22の源泉があり、その分布は箱根登山鉄道小涌谷駅周辺から蛇骨川上流のエリアにある。実はその中心にある箱根小涌園は昭和24年にはじめて蒸気井の掘削に成功し、積極的に火山性蒸気を取り入れて箱根最大のレジャー施設となったわけだが、小涌園が利用している蒸気井は箱根町二ノ平にある。もし小涌谷の源泉であれば温泉台帳上は温泉村〇〇号と表記される(小地獄のあった底倉村は明治22年に大平台村に併合して温泉村となった)が、今でいう彫刻の森駅がある辺りの二ノ平にある場合は宮城野第○○号となる。そのため箱根小涌園のレジャー施設は小涌谷温泉ではなく二ノ平温泉ということになるが、もしや「こわきえん」と呼ぶのはこのためか?

【参考】ワクワクはこね温泉第 10 回「二ノ平温泉」
【2023.2/1修正】コメントで指摘のあった点を修正。

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