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日記

mfukudaの日記: 謎の電解式脱窒装置、N-Forcer

日記 by mfukuda
海水魚飼育の雑誌 Salt&Sea32号(1999年冬号)の71~74p、85~87pに載っている水槽で「たぶん日本に1台しかない」として紹介されていたのが、N-Forcerという電解式脱窒装置。正体がわからず、ずっと気になっていたので、調べてみた。

熱帯魚/海水魚水槽では、毒性の強いアンモニアを生物ろ過で酸化して亜硝酸、さらに酸化して硝酸にすることにより、水質を維持する。ただ、硝酸も濃度によっては有害なので、「脱窒」といって逆反応で硝酸を還元して窒素ガスにする装置を導入する場合がある。廃水処理施設でも利用されている、有機物(メタノール、酢酸ナトリウム、生物分解性プラスチックなど)の存在下で無酸素条件で嫌気性細菌により脱窒をするのが一般的で、ほかに硫黄と硫黄酸化細菌の組み合わせで同様に嫌気条件下で脱窒するデバイスもある。
しかしながら、これらは設定をしくじると、逆反応で亜硝酸や硫化水素が発生することになるので、結構こわい。決定的な脱窒装置というのはまだ存在しない。

で、N-Forcerだが、ざっと日本語の海水魚の雑誌をあさってみたが、利用例はなし。Webでも日本語では情報なし。
THE 'LIVING' MARINE AQUARIUM MANUALに簡単な紹介があるが、詳細は不明。
Upscale Water Technologies(最初はUpscale Technologiesという社名だった)という会社の製品らしく、1999年ごろのWebページがアーカイブに残っていた。
The Electrochemistry and Electrochemical Technology of Nitrateに少しだけ触れられている。
この掲示板には装置の写真が載ってる。一緒に写ってるボトルは参照電極の補充用の塩化カリウム溶液だと思われる。電源は9V出力のACアダプタとのこと。
この掲示板では、メーカーの広報担当が出てきて説明しているが、メーカー側の担当者の言ってることが無茶苦茶。「2NO3¯ + 6H2O + 10e¯ → N2 + 12OH¯ 」でpHが上がるはずなのに「変わらない」といっているが、pHは上がって当たり前。アンモニアが酸化されて硝酸になってる時点でpHが下がってるんだから。

アメリカの特許US5614078A, US5935392に詳細な記載があり、ほぼこの内容で再現できそう。なお、これらの特許は2003年までに維持費の支払いがされてないために失効しています。会社自体が現存していないっぽいですね。

というわけで、自分で作って試してみればいいんだけど、最後の踏ん切りがつかない。ファンクションジェネレータはDAコンバータ付きのPICで実装して、適当なオペアンプでポテンションスタットを作って、塩化銀参照電極は秋月電子のpH電極の外部電極を流用(2本用意して劣化を検知)、炭素繊維電極はコレを使えばなんとかなりそう。炭素繊維電極は、イリジウム触媒を付着させることになってるんだけど、イリジウムがなくても効率が1/20になるだけなので、面積を20倍に増やせばよかろう。

でも、「こまめに水替えすりゃよくね?」という結論になってるのが現状。手間とお金はかかるけど、水替えすれば微量元素も供給されるし…
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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