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日記

minetの日記: 水・溶質2相系でのガラス状態からゴム状態への転移(を望まない形で観察した) 1

日記 by minet

水に何か溶質が溶けると凝固点が下がる。
だから食塩水や砂糖水は0℃より低くなっても凍らない。
水溶液が凍るときはまず過冷却液体になって、ついで純粋な氷の結晶ができ、その結晶が成長するにつれ、残りの領域はそのぶん濃い水溶液になって濃縮されていく。
残された水溶液部分が飽和濃度に達すると、そこからは氷が増えると同時に溶質が晶出するので、純粋な氷ではなく混合物となってでてくる。
つまり完全に凍った水溶液というのは、水溶液の結晶なるものではなくて、純粋な氷の部分と、共晶混合物からできていることになる。
しかし、そういう凍りかたをするのは、食塩水のようなサラサラな水溶液の場合だ。
粘る溶液、たとえば砂糖水など糖類の水溶液では、飽和濃度に達しても晶出が遅いので、濃縮と冷却が続き、さらに粘性が増していく。そしてついにはガラス状態に転移する。
早く冷やせばそれだけ氷の結晶が育たないうちにガラス化しやすい。また、水溶液が微細な構造の中にあって結晶の成長が阻害される場合もガラス化しやすい。
例えば肉や野菜を凍らせる場合、細胞はまさにそういう微細な構造物にあたる。冷凍食品は、結晶ではなくガラス+非水溶成分ということだ。
さて、こうして「凍った」ものを温めるとどうなるか。
食塩水の場合であれば、氷+食塩水の2相が共存した状態で融解していくが、ガラス状態の物質の場合、融点より低い温度でまずゴム状態に転移する。
ゴム状態では液状化はしていないが、ガラス状態より粘性が低いので、時間経過で氷の結晶が成長して食品の微細な構造が破壊され食感が損なわれたり、氷小結晶+水溶液に分離したり、あるいは雑菌が繁殖活動を行ったりする。

えー、
ここまで長々と何が言いたかったのかというと、
ウチの冷蔵庫の冷凍室がいつからか不調をきたしていたようで、庫温はかろうじて氷点下数℃を示しているのだが、
冷凍肉は軟化、アイスクリームは完全にデロデロスムージーになってしまったということ。
そして氷だけが溶けていない。はぁ…
新しい冷蔵庫買わなきゃ… orz

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  • by Anonymous Coward on 2019年02月08日 12時37分 (#3561897)

    細胞破壊は急速解凍することで回避するべき部分もあるんですね
    # 急速冷凍してないと意味ないかもだけど

    なるほど、家電(冷蔵庫、電子レンジ)での解凍時ドリップのことが売り文句になるわけだ

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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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