mkrの日記: 映画「芳華」の政府皮肉っぷり。ネタバレ 4
https://srad.jp/~mkr/journal/629079/
まああれで中国の検閲通るのか?と思ったが、ヤフー映画やTwitterで「中国共産党賛美映画!プロパガンダだ!」とかごく少数が言ってて、アレがそう見えるのかと、世間は広い的な感想。
以下徐々にネタバレ。
舞台が軍属慰問歌劇団ということで、前半は「偉大な毛沢東」とか「中国の大地スバラシイ」的な歌と踊りがサクラ大戦オープニング並みに豪華。この辺りのセットには数億円かかってるらしい。
めちゃくちゃ青春キラキラしてる。新海誠秒速並み(その後どん底まで落とされるところも似てる)街には中国人大好き紅い色のポスターに政府のスローガン。ここで強調してることが後半、かなり皮肉なことになる。
さらにネタバレ
ところが主人公男は政治委員に目をつけられて前線送り。前線では一度奇襲を受けたことで敵の姿さえ見えないうちに「死亡16、傷痍多数、行動可能16です!」とまあ壊滅です。この戦闘シーンにはやはり数億円かけたとか。どう見ても負け戦。戦後は食うや食わずで汚職警官に駐車違反の罰金を月収以上に要求され困窮する始末。自分も歌劇団として兵隊英雄ドラマで煽ってただけに皮肉。戦時中は英雄扱いで戦後は見捨てる政府の図。
主人公女は、文革で収容所送りだった父親は収容所出られず死亡。やっぱり政治委員に目をつけられて野戦病院送り。トラックで傷痍兵が前線から送られてくるものの、「まだ生きてるのは一人だけだ!」あとは肉塊。黒コゲの兵士は、家族への思いを語ったあと死亡。戦後、主人公女はPTSDで知人も見分けつかない状態へ。
一方、歌劇団は戦後解散するものの「俺、共産党幹部の息子だし」で将来安泰アピール団員も出る始末。汚いさすが共産党。国外で華僑になり金持ち生活する団員も。
街の紅いポスターは、共産党標語からコカコーラへと変わる。
真面目に共産党に尽くした主人公男女はとっても悲惨なことになりました。小説はそれで「そして二人は死にました」で終わりらしいが、映画は一応のエンディングをつけている。
さすがにこれで共産党賛美にはなってないと思うの。
中越戦争でしたっけ (スコア:1)
人民解放軍がボロ負けした。
それを描写できること自体が奇跡的な事だと思います。
日本と同じ (スコア:0)
さすがに国民も無知ではないしね。だから「戦前は別の国」「あの共産党は悪い党」ってことにしておけば
相対的に現代の「党」が正当化される。
敗戦国の日本やドイツでやった歴史正当化法の流用。
ロシアもみそぎ終わらせてるし、中国が最後かね
Re:日本と同じ (スコア:2)
映画内の戦争は中越戦争なので戦前も戦後も政府は継続してるんですよね。
終盤はほぼ現代が舞台だし。
Re:日本と同じ (スコア:2)
映画は実にうまいこと言い抜けられるようになっている。主人公たちが不幸になるのは政治委員に空気読んで忖度できない鈍感だったからとか党に疑問を持ったからとか言えなくもない。
党を否定する言葉は一切出てこない。歌も踊りも党賛美のみ。ただストーリーはこれ。