mujiの日記: 映画で見る「元祿忠臣藏」後篇
歌舞伎界の今後を部外者がどうこういっても詮方ないことなので。
#野球界然り。今まで散々思い知らされてるし。
ということで昨日は見てる時間がなかった「元祿忠臣藏」後篇を。
御浜御殿、時代が時代だからか御浜遊びじゃなーい。いきなり能を楽しむ綱豊卿だったりする。
で、綱豊卿は何故か船弁慶の後ジテなんだなぁ。富森助右衛門を押さえつけてから舞台に戻って舞うところまでやった。船弁慶の所作がどういうものか全然知らないが、後ジテはあんなに激しく跳ねるものなのか? 凄い迫力だった。これからの展開を暗示してるような、てな言い過ぎか。
綱豊卿と助右衛門の丁々発止は随分抑えた感じで進んでいた。まあ、舞台ならではの大袈裟な台詞回しってのもあるだろう。右太衛門はぷはぷはもせず(ってw)重厚な綱豊卿だった。あれ、そういえば絵島が全然目立ってなかったなぁ。出演者(当時は「演技者」表記)には絵島役がいた訳だが。
南部坂は荷田春満は一切出てきませーんw遙泉院と一緒に戸田局がいるなぁ。で、内蔵助の覚悟の"腰折れ"は戸田局が受け取る。
さて遙泉院のお見送りは、と思いきや、あらびっくりいきなり投げ文が届いて討ち入りの様子を戸田局が遙泉院に読み聞かせちゃったよ! 吉良屋敷裏門がこんな形で全面カットとは!wいやーこれは上手い演出だ! 一本取られた(ってw
泉岳寺は墓前から、つか墓前だけ。焼香もしないし高田群兵衛も出てこない。四十七士の装束はほぼ史実通り。それぞれの名前は袖口に書かれていたりいなかったりで襟元に書くパターンはなし。いいねぇ。
……あれ? あれ? 仙石伯耆守に事の顛末を、って使いが出されただけ?
そんで字幕で四家預かり説明? えええ仙石屋敷なしー??? うはー大胆!!www
大石最後は随分オリジナル演出が加わっちゃってるなぁ。自分らの切腹の日を知ってて最後の宴ってんで下の間の面々が舞を披露したり、遙泉院から立派な花が届けられてたり。おや、磯貝(河原崎國太郎)が横笛披露してる。流石それらしい俳優使ってるなぁ。で、場に一緒にいた堀内伝右衛門がいたたまれない表情で座を外したり。伏線伏線w
おお、おみの綺麗だ~。そりゃあ高峰三枝子だもんな。内蔵助とのやりとりはほぼ原作通り。何故か間に磯貝が誰かを想っているってのが助右衛門にバレバレなのが映像として挿入されたりするんだが。うーん、これは余計な気もするなぁ。その後はおみのの泣きが入りまくる。偽りを誠に返す、ですな。
内蔵助が淡々としていて、それでいて一本通った重みがあって、それを抑えた台詞回しが実に味わい深い。琴の爪のくだり、舞台より映画の方が泣ける。大袈裟にしない方がいい場面だな、と思う。
#いや勿論演出の違いは承知してるけどw
切腹の下知がある場では囲いの向こう側に細川の殿様と若殿様がいる訳で、実際屏風の向こうに二人がいるんだが、あれそういえば若殿様ご訪問は省略だったな。十七人の遺言は省略だったが"当家からの引出物"は渡されてた。
で、ほどのう後より参りまするぞ、となる。
戦中の映画なので磯貝がおみのを抱き寄せる、てことはない。
ラストシーンは切腹の場で「○○どの、おしまいなされた」と呼ばわる声、「○○どの、おいでなされませ」と呼ばわる声が被る中、既に果てたおみのと横で手を合わせる伝右衛門、そこに聞こえる「磯貝十郎左衛門どの、おしまいなされた」。ふむ、なるほど。で、最後に残った内蔵助が呼ばれたところでジ・エンド。初一念が届きました、を言い残して。
なるほど、二話を一幕にまとめるなんて荒技を繰り出したものの、全十話完全通し上演てのは本当に画期的だったんだな、と、映画を見て改めて思う。吉良屋敷裏門と仙石屋敷があんな形でカットされるとは思ってなかったもんなぁ。
いや、両方とも見応え十分なのには違いない。堪能しましたよ。
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