mujiの日記: 前進座五月国立劇場公演
予てから一度観ておこうと思っていた前進座の歌舞伎公演。
たまたまどこぞで今月国立劇場であると知って、たまたま空いていたw今日にスケジュール追加。
客席は団体客メインで1階席ほぼ満席、2・3階席は半分程度といったところか。
- 歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
幕が開くといきなり嵐広也の秦秀太郎と中嶋宏幸の八剣数馬とがちゃんちゃんばららーやっててそこへ河原崎國太郎の侍女巻絹(配役表では「侍女」。腰元巻絹、ではない)が止めに入る、て展開だけど、あれ毛抜ってこんな始まり方だっけ…しかも勅使とかいって殿上に桜町中将清房の武井茂がいたりするし、小野春道の山崎辰三郎と小野春風の瀬川菊之丞は両隣に控えてたりするし、桜町中将なんて出てきてたっけ…
と、のっけから記憶にある毛抜の展開と違ってそれはそれで面白かったり。ことわりやの短冊が入っている筈の箱の中身が空っぽで、なくしたから切腹するーと秦民部の小佐川源次郎が腹切ろうとするのも記憶にない場面。尤もこの辺の話を省略しなければこういう展開になるんだろうし、その点では判りやすくてよかったかな。
#記憶にないだけで過去2回観たときもやってたかもしれんがorz
嵐圭史の粂寺弾正が登場するのも先払の侍と供奴2人とを連れて来るのが記憶にないところ、といってもこの方が使者としての理には適っているなぁ。で、民部と玄蕃に向かって弾正が挨拶するのは花道から、てのは錦之助(当時信二郎)の時も左團次の時もそうだった筈だが、今回は舞台まで来てから挨拶していた。これはこれは玄蕃殿、だけだったな(謎笑
圭史はかつて"前進座の片岡孝夫"と呼ばれたほどの二枚目だった、訳だが、んー、おっさんだった(ぉ
大きさがあってよかったが、見得を次々見せるところの動きが何となく歌舞伎っぽくない。見得は極まるんだけど、そこに至るまでの動きが何か違うんだなあ。見得といえば天井突くときの元禄見得はやらなかったような…うーむ。あ、「煙管は踊らぬ、毛抜と小柄は踊る」もいわなかった。
國太郎の巻絹、山崎杏佳の錦の前、双方観ていて、松竹所属の俳優達がいかに指先まで気を遣っているかが改めてよく判った。國太郎も杏佳も残念ながら手が男。
とはいいつつ、演出も随所で違ったし、弾正の引っ込みも大刀を一旦担いで引っ込みかけるも再度戻って裃後見に腰に差してもらってから引っ込むなんてやってたし、前進座としての毛抜ということでなかなか楽しかった。 - 新門辰五郎(しんもんたつごろう)
また真山青果の新歌舞伎観るのかー、とか思ったり(ぉ
團菊祭でめ組の喧嘩やってるし、いい比較になるかな、と観ていたが。この話、菊五郎劇団で観たいというのが正直な感想。
梅雀の辰五郎、江戸っ子らしさを出す為なのかえらく早口なのはいいんだが、2、3度台詞に詰まってちゃあ話にならない。今月11日から始まってて楽日が22日だというのにそんなんでいいのか?
「祇園さんは京都の宝、京都の宝は日本の宝」の名台詞、せっかく梅之助の絵馬屋勇五郎が「おめぇもう一度いってみろぃ」と振ってくれるんだから、二度目にいうときはもっとじっくり聴かせてほしいのに、梅雀はつるつるつるっといってしまうんで拍手もろくに起きない。いくら青果の台詞劇だからといってもそこは歌舞伎らしく印象付けないと。
で、あー、もしかして「ニンにない」ってこういうことなのかな、と、ふと思った。残念ながら梅雀の役じゃないんじゃないかな。むしろ、藤川矢之輔の会津の小鉄の方が余程部屋頭らしい貫禄があって印象に強く残ったし。辰五郎のを組と敵対する会津部屋の頭、という、どちらかというと損な役回りなのに、梅雀を食っていた感もある。
梅之助は流石のいい味だったが如何せん声が弱い。動きが悪い訳ではないのでまだしばらくは活躍するだろうが、あとどれくらい観られるだろうか。
下座音楽が入るのに立ち回りにツケがないというのも不思議な感じだった。まあ、青果劇で下座が入るのも珍しいか。立ち回りの動きは歌舞伎じゃなかったな。現代劇も手がける劇団の強みでもあり弱みでもあり、というところか。女性が普通に出ていたのはそんなに違和感がなかった、のは新歌舞伎ならではだろうな。
実際に観てみて、何となく四国リーグを連想したりw互いの交流がもっとあればいいのに、ね。
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