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日本

mujiの日記: 国立劇場 十二月歌舞伎公演

日記 by muji

初日おめでとうございます。
一週間前は両花道だった場内も今月は当たり前ながら元の景色に戻って。入りは1階席6割、2階席3割、3階席ほぼ満席といったところ。そんなもんであろうな…

  • 鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)
    四幕構成ではあるが通しとは銘打っていない。これで奥庭とか五條橋とか出せば通しといってもよかったんだろうけど国立4時間制限にひっかかるからなあ…
     #長いと客が飽きるってのは一種の方便だよなー。面白ければ全くの初めてでも5時間だって飽きずに観てられる訳だが。
     #…あれ、先月って結局稲妻草紙の前半で終わってるんだから今月みたいなもんじゃん? それで通しと銘打ってたってのも(禁句w
    .
    序幕の清盛館、公演DBで見る限りでは戦後2度目の上演。前回が1969年10月国立。ということは、国立でかけるときくらいでないと出すには値しない場面ということで(ぉ)まあ、確かに説明台詞多かったけど、出せば出したで菊畑や一條大蔵がどうつながっているのかが見えてくるんで、今回のような上演形態なら出してもおかしくはないかと。
    恐らくの見どころは皆鶴姫と笠原湛海の一騎打ち(笑)。それぞれ芝雀と歌昇なんだが、ってこの二人、国立鑑賞教室での葛の葉コンビだなあそういえば。歌昇の湛海は優遇措置ミエミエかと。大仰な形なのに端敵扱いという滑稽さにはまだちょっとねー。大体芝雀と釣り合い取れないじゃん、と思いきや、そこは芝雀が流石の赤姫振り。しかも鬼一法眼の娘という設定を存分に活かして湛海をたたきのめす(爆)。振袖の襷掛けなんて初めて観たかもw
     #ここで襷掛けを手伝うから下手側腰元に京珠と京由がいたんだなー。筋書配役と並び順が違った。
    たたきのめされた湛海がそのまま下手襖からはけてくってのが何とも情けないんだがwうーんだからそういう端敵的な役を歌昇に経験させてどうするんだという気も…そりゃあやらないよりはいいんだろうしお父ちゃんだってやってるとはいえねぇ。ああそういえば最近随分改善されてた鼻濁音がまた全然出来てなかったのはいかがなものかと。時代に張るとあかんのか?
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    皆鶴姫が来たのは清盛から六韜三略の巻を持ってこいと呼び出し喰った(喰ったのは鬼一法眼だけどその名代)からなんだが、その清盛が歌六。幕開き、板付きで中央に鎮座する入道相国殿がえらく男前なんですがw展開的にもっと憎々しげな雰囲気かと思いきや、どちらかというと我が儘振りが前面に出ていた感じ。勿論それで問題はないんだけど、あ、この清盛なら肩入れしてもいいかなって思えてしまうのが(ちょw)イメージ的には車引の時平を勝手に想像していただけに、そこまで巨悪な感じでもなかったな、と。
    清盛配下には上手に松江と桂三、下手に隼人と吉之助。今月は平成生まれ御曹司強化月間とイヤでも判る配役なので、隼人に随分台詞の割当があった。皆鶴に向かって取り沙汰したりとか。何かね、台詞の間の取り方がすっごくどこかで聞いたことのある感じでね、思わずニヤニヤせずにはいられなかったりw

    皆鶴姫、六韜三略の巻を持ってきて、湛海たたきのめしてから改めてこっそり読んでねと頼んだのにここで披露せいと清盛に我が儘いわれて、仕方なしに読み始めたら途中から清盛への諫言に代わってる上に署名が重盛。ニセモノ持ってきたなーと責め立てられてうろたえる皆鶴ってな展開に、あ、これ先月に引き続き第一声が揚げ幕の向こうからのアァイヤ、かなーとwktkしたら今月は上手側襖の向こうからのアァイヤ、だった(笑)。
    でもって出てきた重盛が浅葱色(水浅葱といってもいいくらい)の直衣に朱の出衣に立烏帽子だなんて何という正義の二枚目装束wwwもうね、先月から壊れてるからいっちゃうけど、今、浅葱色の衣装着せたら錦之助の右に出る人はいないと思うよ!(爆)立烏帽子は箱形の方。時代が時代だから高さのある立烏帽子が本来なんだろうけどその辺は鴨居にぶつけたりしないようにとか(ちょw)ちなみに清盛家臣達は大紋に梨打烏帽子と武士の装束、相国殿は勿論出家姿。やー、重盛の立場が装束ひとつで判るってのも歌舞伎ならではだなあ。
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    当然ながら相国殿は息子の諫言に耳など貸しゃあしない。んだが、息子となかなか眼を合わせようとはしない。睨み合いもあるにはあるが煙たがっているのがよく判るし、その様子を見て秘かに心を痛める小松殿というのもよく判る。この辺の歌六と錦之助の息の合わせ方が流石。最後には、鬼次郎・鬼三太とっ捕まえろー明日までに本物の六韜三略の巻持ってこーいと息巻く相国殿、なんだが、それが虚勢に見えたりもした、てのは、重盛の存在があってのことだったか。
    そう、先月とはうって変わっての出番5分orzとはいえ、姿を現したときからの重盛の存在感。これ、今までなら、相国殿に遠慮して一歩下がった雰囲気だっただろうけど、そんなことは一切感じさせない一本筋の通った存在。相国殿の上手側に座を占めて諫言する姿はその場をさらっていたかと。それだけに余計、水浅葱の直衣が眩しかったこと!
    …ああ、先月の山三が大きな糧になっているなあ、と、しみじみ。
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    ってたかだか35分の場面に何でこんな長々(自爆
    菊畑、今回の国立の演目が発表されたとき、そろそろ観たいな~なんて思ってたんで心底驚いたんだが、御園座が仁義にもとる演目選定したもんで(いやそっちの配役も観たかったけどさー)「関東では」5年振りの上演。5年前はとても楽しむ余裕がなかった(爆)二人のノリ地、あ、極まると楽しいんだなここ、と改めて思ったり。いやそりゃまあ虎蔵の配役にはいいたいことは山ほどあるけど、梅玉そつがないよやっぱり。悔しいけど(何が(^^ゞ
    ただ、気になったのは、この話、そもそも鬼三太が主役でしょ? ということ。その点においては又五郎の遠慮が過ぎるかと。大きくなかったんだよなー。梅玉がそつなくこなしてるけどいい意味でも悪い意味でも「力を抜いている」から、自分の見せ場を作ろうと思えばいくらでも作れそうなもんなのに。何なんだろうね。
    皆鶴姫、前段があるから湛海への態度もより楽しめる。そういえば虎蔵への恋心を表現するとき、菊の花弁だけ取って持ってってたけど、茎手折るんじゃなかったっけ? 人によって違うかな?
    吉右衛門初役の鬼一法眼、咲いたわ咲いたわが上手柴折り戸からの登場だった。これも花道からじゃなかったっけ? 花道にも菊置いてあるんだし…台詞はきっかけ1、2度付けてもらった程度でほぼOK。ふむ。
     #腰元勢が普段女方じゃない人達が多くてびっくりw蝶一郎の女方初めて観たかも! 結構さまになってた。京純が裾の扱いも歩き方もなってなかったなあ。
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    一條大蔵、この場に限らず今月は全体的に平成生まれ御曹司達に「見せる」意識が強いなと思うが、大蔵卿は特にその意識が強かったように思う。近年稀にみる奥殿での動きの良さ! 勿論檜垣での阿呆振りも自在。
    奥殿、動きの良さだけじゃなくて、最後に首を見せたときに魁春の常盤が檜扇で顔隠したのを見て慌てて包み直した、その直後に首を見つめての思い入れの表情に脱帽。すぐに「元の阿呆」に戻るだけに、あの一瞬で長成の鬱屈の全てを表現しているといっても過言ではないかも。あれだけで今月観る価値あり。
    鬼次郎は歌六で観たいなーなんて思ってしまった(^^ゞ東蔵のお京ってもしや最年長お京かも。茶店の亭主(橘三郎)に若い夫婦っていわれるくらいだからねぇ。高麗蔵の鳴瀬は収まりよく。ああ、そういえばこの役は吉右衛門大蔵卿なら吉之丞担当だったよなぁ……(´・ω・`)

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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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