mujiの日記: 新橋演舞場 十二月大歌舞伎
昼の部終演後そのまま夜のチケを引き取ってレクチャーへなだれ込み。おかげで昼の部よやくなんぞ上げてる暇がなかったという。
今月は衣装の話。揚巻の3月の裲襠と娘道成寺の浅葱が地色の振袖を持参して、今月の演目には出てこないけれども縁のある衣装ということで諸々の解説。金糸は仏教界での需要が多いそうで(なるほどー)、そっちの色の好みが黄色みの強い金なので最近の金糸はそういうのが多いが、歌舞伎の照明には赤っぽい金糸の方が合うのでゆくゆくはそうしたい、なんて話が。ふむ、イエローゴールドよりピンクゴールドなのか。倉庫に役者毎に風呂敷包みに入った衣装が保管されてるとか虫干しの話とか修復の話とか、ビタミン剤やサプリメントを服用して汗をかくと染料と反応して予測のつかない色落ちをするので今後はその対策も、なんてな話もあったり。何というか、どっちもよしあしだねぇ…
#伊達十のこぶ巻きの質問をした人にはヒミツです! と教えてくれなかったwあれ探せば図解もあったりするんだけどなーw
さて籠釣瓶。
巷間噂されるとおりの、斬新すぎてあたしゃついていけませーんな籠釣瓶だった。そりゃあ歌舞伎には何が正解ってのはないからあれはあれでひとつの新しいやり方の提示なんだろうけど、それにしたって次郎左衛門がどう見ても江戸っ子なんだよなぁ…田舎のもっさりした雰囲気が抜けきれないってのが全然ない。縁切りの場で愛想尽かしされたらその場で百人斬り始めそうな感じ。あのキレ方はそうでしょ。4か月間、先祖伝来の田畑売り払って身辺整理して、片が付いてから復讐に向かうって必然性が感じられない。
殺しに来たときも籠釣瓶は自分の手元に置いたままだし(そういえば今までなら刀と判らぬように持参してたけど今回は単に風呂敷に包んだだけだから見た目に刀と判るなあ)、足袋脱ぐのも客席に脱いだ足袋わざわざ見せて座布団の下にしまうって感じだし、倒れて目を開いたままの八ツ橋にとどめを刺したり、と、妖刀籠釣瓶に操られてるんじゃなくて明確に自分の意思で人殺ししてるとしか見えない。繰り返しになるけどそれじゃあ4か月間の準備期間なんていらんでしょ。
八ツ橋は八ツ橋で次郎左衛門本気で嫌ってると鹿。この八ツ橋の造形だと九重部屋の場は出せないねー。おかげで、本来ビジネスライクなはずの九重が一番ウェットに見えたのって……
まあ、珍しいものを見せてもらったということで。この顔合わせはもうないだろうし。
奴道成寺、亀寿が今日も2球3階席へ。位置が同じだから大体同じ席近辺になっちゃうのがねー。
三津五郎は何かと辛いだろうが(みんなそれぞれ多寡はあっても辛いだろうけどね)、それでもこの人の踊りを観ていると、踊りの楽しさ、難しく考える必要のない楽しさ、てえのが感じられる。理屈じゃないんだなあ、と。
(ひとまずー
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