mujiの日記: 2月の予習
借りてきたのはもう3週間前になるが冬期休暇が入るので年明けまでのんびり読める黙阿弥全集第18巻。
以前にも幡随長兵衛を読もうと借りた巻だが今回のメインは筆幸。無論2月の予習用。
一応ひととおりは目を通したのでこれからもう一度通読しようと思っているが、現行上演では出てこなくなった場、というか、出てこなくなったストーリーがある。黙阿弥、話の大筋を2本立てにして、それぞれの登場人物が互いに微妙に絡み合うって構造が好きだったんだなあとw先日読んだ実録伊賀越も又右衛門ストーリーと夢の市蔵ストーリーとの2本立てだし、幡随長兵衛もむしろ角力取りのストーリーがメインだし、河内山と直侍なんて通称の通りだしwただ、それぞれが独立してそれなりの出来になっている話となると、それこそ河内山と直侍くらいしかないんじゃないかなあ。大体、どちらかのストーリーが割愛されるパターンがほとんどな気がする。
閑話。筆幸もご多分に漏れず2本立ての筋のうち残っているのが略称になっている筆幸ストーリー。もう1本は小天狗要次郎ストーリー。二つ名前があるくらいなので真っ当な人間でないのは一目瞭然。盗賊である。白浪作者の黙阿弥ならでは。
要次郎ストーリーは渡辺保氏「歌舞伎手帖」の演目紹介によれば先代猿之助が春秋会で復活上演したそうだが、タイトルロールの筆幸とは直接絡むようでいて絡んではいない。筆幸が抱えた乳飲み子に乳を恵んだ萩原妻おむら(これ、原作では荻原なんだよね。いつから萩原に置き換わったんだろう)、その亭主である荻原正作の弟が要次郎(本名正次郎)というのが大詰で明らかになるという黙阿弥らしい展開なんだが、筆幸ストーリーとはその程度のつながりなんで割愛しようと思えば簡単に出来る筋な訳で。
で、もう一人、要次郎ストーリーと筆幸ストーリーでそれぞれそこそこの働きをしている人物がいる。かつてはスリで何度となくお縄になって、明治維新の御赦免で娑婆に戻ってからは筆幸と同じ長屋に住んで人力車夫として真面目に働いている入墨の三五郎。おおう、あの三五郎が二つ名前持ちでそんな過去があったとは。要次郎とは牢屋で一緒になった仲のようでwこれまた、要次郎ストーリーがなければ簡単に割愛出来る設定。なもんで現行上演では入墨持ちなんてどこにも出てこないしそんな雰囲気すら匂わせない。匂わせる必要もないしね。
それでも、黙阿弥作品の登場人物は一筋縄ではいかないのが多い、というのがよく判る一例では。若いに似合わず酸いも甘いも噛み分けたというところがある感じだね三五郎は。
……んー、過去2回筆幸観てる訳だが、そんな重要ファクターの三五郎の記憶がないのはどうしたこったい(ちょw
#2月はしっかり見届けるよ!(これだからw
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