mujiの日記: 漢詩二題 1
日記 by
muji
九段目の屋台の襖に書かれている漢詩、歌舞伎と文楽とで違うものが使われている。
歌舞伎は大体白楽天の「折剣頭」を使うそうで、リンク先では近年の歌舞伎座とあるが今回の国立もそう。五言排律。排律なんて学生時分には習わなかったなあ。
拾得折剣頭
不知折之由
一握青蛇尾
数寸碧峰頭
疑是斬鯨鯢
不然刺蛟虯
缺落泥土中
委棄無人収
我有鄙介性
好剛不好柔
勿軽直折剣
猶勝曲全鉤
いかにも白楽天らしい内容。真っ直ぐだったばかりに折れてしまった剣を軽く見るな、曲がった釣り針よりは余程マシだ、てのに判官と本蔵とを匂わせている、てな。
対する文楽は李白の「送儲邕之武昌(ちょようのぶしょうにゆくをおくる)」。同じく五言排律。
黄鶴西樓月
長江萬里情
春風三十度
空憶武昌城
送爾難為別
銜杯惜未傾
湖連張樂地
山逐泛舟行
諾謂楚人重
詩傳謝朓清
滄浪吾有曲
寄入櫂歌聲
これまたいかにも李白らしい。切っても切れない酒との縁(笑)。友との別れを惜しむ歌。
妻に離れ子に別れ、だから、内蔵助、じゃない由良さんの心境にはこちらの方がしっくりくるかな。「折剣頭」だとむしろ本蔵宅にあってもおかしくないような。
文楽では主に李白の方を使うようだ。同じ住居なはずなのに違う襖ってことは実は山科閑居は2か所に分散していたとか(そうじゃない←
高校参考書には名前だけ紹介されていた気がする (スコア:1)
高等学校国語古典漢文の教科書で当該の詩をとりあげていなかったという点は完全同意。