パスワードを忘れた? アカウント作成
13777986 journal
日本

mujiの日記: 博多座 十一月花形歌舞伎

日記 by muji

千穐楽おめでとうございました。
上演通算102回目。昨日の昼の部が通算100回だったとな。十二夜超えはあるかな?←

楽スペは端々で見受けられたがそれより何より芝居がまだ終わってないのにスタオベとは。
最後に幕外で2人が、いや2匹が並び立つところで拍手が鳴り止まないのは11日に観たときにもそうだったんで、あーこれヘタすると楽日はスタオベあるんじゃないかなあなんて思ってたらマジそうなっちゃったというね。しかも今日は幕外へ来た獅童がしばらく立ち上がれなくて両手ついて下向いたままだった、てのがもうね。
一般商業演劇を観てる人でも芝居の最中のスタオベは初めて、てな感想も多々見受けられた、ということは、ホントに異例中の異例だったのか。博多座ならでは、というところか。
役のまま、めいのままでいようと、感情を必死に堪える態で獅童を見守っていた松也にたくましさを感じたね…
カテコは2度。最初は花道から舞台に戻ってきて、2度目は追い出しアナウンスのあとで幕開けて、先に松也に挨拶するように獅童が促して、松也が終わったら自分が引き取っての挨拶。ただでさえ本編で既に7分程度押してたのがカテコ終わったら20分オーヴァーとはwみんな帰りの飛行機間に合ったのかwww
 #主演2人は知らんが他のメインキャストは間に合ったっぽいねぇ。遠征先の楽日の帰り支度の早いこと!w

ええとそれで気付いた限りの楽スペ。
二幕目第一場。萬次郎おばばがぎろに取り入ろうと運んできた魔法の鏡に映し出される3匹、を、何を思ったかおかしら席(岩だから玉座ならぬ岩座?)から降りてきてのぞき込むぎろ、に手を振る米吉みい姫に萬太郎たぷ。そのたぷにちょっかい出しに行った國矢じぐが逆に羽交い締めにされて鏡に引きずり込まれてたとか。たぷとじぐはさて置き(置いちゃったよ←)ぎろは何をしたかったんだw特に手を出すでなしナゾ行動だった…www
二幕目第二場。ママウサギのほっぺがピンクのぐるぐるの上に右頬「千」左頬「穐」アゴ「楽」ときたもんだwちょっかい出すじぐは毎日ぶっつけでママの日替わりほっぺを見ていたようで、今日は盛んに「おいしいところかっさらって行きやがって!」と悔しがっていたwママはママで「博多座千穐楽おめでとうございます」だしw
あとは随時がぶがハイテンションだったくらいかなー。かなり出飛人混ざってたし。
 #昨日はおばばへの手付けの明太子のくだりで酒のつまみとか受ける台詞が若干違ってたらしいが今日は通常パターンだったなぁ。
 #「博多名物、辛子明太子!」とほくほく顔のおばば、ウケる客席が静まるのを待ってからしかもふくやだと勿体付けるぎろ。銘柄指定ワロスw

ぎろの登場は背景幕の振り落としで岩場を見せてそこに上がってくるところから。山羊の岩場のナワバリに、乗り込め、乗り込めだったかな、この乗り込め、乗り込めが遠吠え。両耳揃った貴重な場面。
この発端に限らず、オオカミらしい動きの表現には苦労していたようだが、走りはほぼ低い姿勢で四つ足でギャロップさながらに駆けるように見せていて(腰相当負担かかったろうね…)、岩場の階段の昇り降りも最後の最後までギャロップを崩さなかったのが流石。みんな結構油断して階段は普通に昇り降りしちゃってたから余計際立つ。最後の最後、雪山でがぶとめいを追い詰めるときだけ普通に昇ってたけどまあもうね(何←
 #11日と比べるとやはり全体的に動きが(それをいっては←
その雪山での最期があれほどまでに美しい演出だったとは。
正面席ならではの光景だったのかもしれないが、赤い照明の中で最期のあがきを見せるぎろ、降りしきる雪、その赤と白と背後の闇のコントラストの美しさ。これ歌舞伎座ではやってなかったよね明らかに、ということは今回からの注文演出だったかな。実に綺麗だった。そりゃ倒れて手も来るよね、ってその後が判ってるとそこで拍手はまだ早いとなる訳だが←
閑話、おかしら席に座を占めて時ならぬがいの来訪を受けるとき、強奪した長の首飾りを左手でもてあそんだりしているが、歌舞伎座の筋書写真見たらその場面では(というか全般に渡って)首飾りしてないんだよね前回のぎろ。だんまりでもしている気配がない。ふむ、ということは、だんまりのお約束のひとつである、お宝が暗闇の中でいろいろな人の手に渡るという演出も今回からなのか。じゃあ前回までは何のためのだんまりだったんだろ、って、めいの手紙をおじじが拾うだけだったん?
そいや今日は小賢しい、下衆女め!だった。大膳まんま。ええと覚悟はしときますが先に直信でお願いします←
がいとの立廻り、ホントお二方とも25日間お疲れさまでしたと鹿。負けると見せかけて目つぶし喰らわせるあたりが実に股五郎。見せ場っちゃあそうだろうがこんなもんじゃないよ? と物足りなく感じたのも事実、ではあるが、本当ならがぶとの一騎打ちで見せ場とするのが筋だろうにね(何かいいたいらしい←
そのがぶとの一騎打ちの流れ、11日にもやっていたんだろうがそこまで追い切れなかった姿勢、刀を肩に担いでぐっと腰を落とす形が小林! 小林! と一人でテンション上がるwそうだよ敵役で大事な人を忘れてたよ小林平八郎。うんやっぱりあと1回泉水の立廻りやって納めてほしいなあ、といいつつ、この場ではさしたる動きもなく(雪山でお互い体力消耗しているってことだろう)、がぶが背中を見せてその肩に噛みつくぎろ、でがぶが離れると起死回生の一刺しがぎろの脇腹にあって、それを抜いてから美しい最期になるんだが、その抜き方が芝居におけるリアリティにあふれててね……

およそニンではないのに、それだからこそ、これまで培ってきた歌舞伎の「力」をいろいろな引き出しから取り出して組み合わせて、ここまでのぎろを創り上げた、というところか。見事。

(ひとまず?

この議論は、muji (9607)によって テキ禁止として作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

読み込み中...