mujiの日記： 秀山祭九月大歌舞伎・幕見 2
偶数日勧進帳初日おめでとうございます。
個人的初日も今日。今日だってば←
定時ダッシュで開演15分ちょい前に到着して40番台。月初でこの程度なら多くも少なくもないかな。
でもって幕見定番席に座れたんで昨日と全く同じ位置から確認が出来たというね。定点観測したかったんでこれはありがたかった。
柝が直って緞帳の向こうから聞こえてくる片シャギリを耳にしたときには昨日のうちにテンション上げてしまったので←今日はむしろ心拍数の方が上がったりw
そして揚幕の向こうから現れる富樫。
斯様に候者は、加賀国の住人、富樫左衛門にて候
想像していたよりはやや高めの、それでも力みすぎて高すぎるというほどでもない、それでいてしっかりとした、力強さも感じられる名乗り。方々この儀、きっと、番頭仕れまで耳にして、微かなざらつきは伺えたものの、もう既にああこの響きがこの台詞回しがあああっと内心感涙にむせんでいたという(おおげさ
#基本的にそういうところで涙するってないからなー。むしろ安堵というか嬉しいというか。
#きっと、の「と」の響かせ方なんて大好物だし。この辺天王寺屋から受け継いだ台詞回しっぽくてねぇ。
#でも富樫は天王寺屋から教わった訳じゃないし、と、ふと、澤瀉一座での勉強会のときには誰に教わったんだろうね、と。
如何にそれなる強力、止まれとこその「止まれとこそ」は昨日の幸四郎は完全に喉声でぎゃーーーーーって薄っぺらい響きになってて頭抱えるしかなかったが、今日の錦之助もそこまでひどくはなかったにせよ最大限に甲に上げるときが喉声。まあねえここは富樫最大の見せ場スタートだし力むなって方が無茶だし、とはいえ調子のいいときなら綺麗に甲の声が響く訳なんだけどなあ。昼の部の唐犬も孫八も昨日はどこか声の通りの悪さがあって、朝一からだと喉起きてない？w なーんて思ったりもしたが、もう舞台稽古のときから入れ込んじゃってて若干痛んでるんだろうね。これ以上落とさないようにコンディションを整えてほしいところ。
や、もうでも、他はピンポイントなツボが悉くはまっててその点では嬉しい限り。中啓取り落としなのも変わらないし、大袈裟でない泣き上げもよかったし。折檻もし給うなれからの思い入れも、こういうときには結構緊張で間が短くなる傾向があったのが今日は短すぎず長すぎずじっくりとした思い入れで、おおこれはと。ああ、長袴の捌きは悪くはないけど幸四郎の方が綺麗かなあ。
と、初日から初日出してて、それは一安心、なところで。
昨日の記憶が鮮明なうちにそれぞれのやり方の富樫を観ておいて殊に印象に残ったのが、今回の錦之助、とにかく「見据える」富樫である、ということ。
昨今の富樫がほぼ目を背ける「金剛杖をおっ取って、散々に打擲す」のところで全く目をそらさずに見届けたのにはちょっと驚いたし、弁慶に促されて義経一行が足早に立ち去る最後のところでも一部始終を見届けていたし。ここは昨日の幸四郎も目を伏せずに見てたんで、見逃す意味合いもあって目を伏せる富樫が多かったこともあって、ふうむ？ と。
見据える、というか、見つめる、というか。
南座のときは特に延年の舞のところで孤独感寂寥感が強く伝わってきたが(あのコンディションでもそこは伝わってきてた)、今日はそれよりもまず「見据える」心境が咀嚼し切れてなくて。
ああ、4月初日と何やら通じるものがあるなぁ…こちらの想像以上、というか、想像を裏切らない、かつ想像だにしなかった方向からの表現。
それだけ、大きくなった、んだろうか。だろうな。何と見物し甲斐のあることよ。
あーとーそーれーでー肝心なことをわすれてたー滝流しあるよ！！！
例によって取水制限バリバリの滝流しだけど。しかしまあ日替わり配役に加えて日替わり演奏ってどんだけハード…
(あっしまった日付またいだっorz
#細かすぎて伝わらない違い：長袴の着付け。幸四郎は十文字結び、錦之助は一文字結び。むしろ衣装の着付けで十文字を滅多に見かけないだけに、へええー、と。あと、烏帽子の大きさというか長さは錦之助の方が長かったような希ガス。その辺は好みの問題だろうな。
#細かすぎて伝わらない違いその2：布施物。奇数日は舞台奥から加賀絹の白箱、砂金2袋(これ、砂金と鏡らしいけど、どう見ても2袋とも同じ形なので砂金ということにw)、反物6反の上にかけ紙と水引。偶数日は加賀絹・砂金2袋・加賀絹。つまり奇数日が違う、つか弁慶の差配で違うのか、とちょっとびっくり。まあ考えてみればその芝居の主役の差配ってことだわな。
取水制限www (スコア:2)
始業前に目を通していてここで吹いたｗ
富樫を早く観たくなりましたが、諸般の事情で20日過ぎに…(^^;)
Re:取水制限www (スコア:1)
本来なら昨年の南座顔見世のエントリで書くべきところよやくのまんまにしてたもんでw
取水制限というか流水制限というかちょろちょろちょろ～みたいな←
現・白鸚がさよなら公演のときに出した滝流しと同じ感じなはず。