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日本

mujiの日記: 秀山祭九月大歌舞伎・幕見

日記 by muji

そしてこれまた初日以来の奇数日勧進帳幕見。
昼の部終わってソッコー行ってみたらまだ床几に座って待てる位置だったんでとりあえず並んでみたが無論立ち見なのは承知、実際入場する段になったら104番からのスタートって寺子屋から既に立ち見なんじゃん(呆
更にべっくらこいたのが発売開始時点で既に札止めだったこと。いつ札止めにしたかまでは定かではないがちょっとどうなってるの奇数日…

で。
1か月でこれほどまでに奇数日と偶数日が異質のものとなっているとは。
同じ勧進帳を名乗って上演していいのか、てなくらい。
大体滝流しのない奇数日の方が上演時間7分長い(今日の場合)ってどうよと。勧進帳って一種の音楽劇でもあるはずだけどその点においてどうなのよと。
アレだね、当社比史上最低の勧進帳だったときに富樫と義経に譲った分、今回の弁慶はやりたい放題やらせてもらった感が強いね。義経は合わせて当然だし(だからこその身内配役←)、富樫の合わせてやってますよ感が強いし。本興行だけでも6回目だもんねー富樫。
ええもう、今日観て、今月ホントに幸四郎があらゆる面で鍛えられたなとつくづく感じ入りましたよ。高麗屋ヲタが錦之助をひ弱と評したのも判るわ。弁慶に合わせているとはいえ山伏問答とかかなり手強い作り方にしてきてたし。
そうその山伏問答!
「そもそも九字の真言とは如何なる儀にや事のついでに問い申さんササ何と」
まで一息よ一息。

完敗。orz

確かにそれほど緩急つけてなかったにしてもあの声で一定の声量保って一息だもん。
こういうところがなー、4番を打つべくして育ってきたのと、4番も打てる6番バッターに納まっているのとの違いだろうなー。6番バッターにはそれでよしとしてほしくはないんだけどなー。
台詞回しの違いとかは興味深く観た、つか聴いた。1か所「陸奥へ」が抜けた? 敢えて抜かした? てところがあったが(最初に弁慶とやり取りするとき)、あの倍音の少ない声で一応高低の行き来はしてなくもないあたりが6回目の余裕か。まあ呼び止めあたりからは胸声オンパレードではあやれやれとなるが。
あ、そいや太刀の柄から手を離さない富樫なのは幸四郎もそうだが錦之助よりも徹底していた。詰め寄りで、錦之助は振付の一環として一旦手を離して、にじり寄りながら大きく上から回して再度掴むが、幸四郎はにじり寄りの最中でも一切離さず。錦之助の所作は歌舞伎味を濃くしているところがあるかもだし、幸四郎のだと緊迫感がより強くなるかと。その代わりといっちゃ何だが幸四郎は「こは先達のあらけなし」で留める仕草が出る、のはほとんどの富樫と一緒。
で、はやまり給うな、からが結構あっさり。弁慶に合わせているなと感じた最大の理由。でも目を伏せるのは「今は疑い晴れ候」からずっと。「方々来たれ」の前まで伏せてた。ふうむ。そうそうそれで、太刀持ちに太刀渡すのは「方々来たれ」をいいながら。そんなところまでタイミング違うんだ。
目を伏せる、というところでは、ほとんどの富樫がやってる、打擲で目を伏せるつか反らすのと、今日は最後に義経一行が落ちていくときに目を伏せるのもやってたなあこれ確か初日はやってなかったはずだが。だよねーやるよねーほとんどは…これはもう偶数日の「見据える」富樫が異例と鹿。
 #錦之助のことだから確たる根拠があってしていることだとは思うが…

酒宴のとき、最初に富樫が杯干すところで、後見の幸雀は箱合引を押さえるだけで富樫に対しては特に何もせず、終わってから袖の位置を整えたりしていた、のが、偶数日と違っててへええー、となったり。錦之助が杯干すときには蝶一郎が袖の角つまんで形を整えると同時に袖が前に行かないようにしてるしね。袴の裾も幸雀はほとんど整えない。位置の微調整程度。蝶一郎は位置を整えて、右脚の方だけ真ん中あたりを少し巻き込んだロール状態にしておく。これ、今月始まってしばらくは何で片方だけくしゃっとしてるんだろう、と思ってたが、実は敢えて形を作ってるんだと後半になって気が付いたw何か意味があるのかなあ。というところで、袴の裾は幸四郎の方が若干短いんではなかろうかと。だから取り回しも綺麗に出来るんじゃなかろうかと。
短いといえば烏帽子の長さが短いのも気のせいではなかった。立烏帽子の後頭部を大きくへこませて、忠臣蔵ほどではないがくの字にしているのが錦之助、へこみがほとんどなくて自然なカーブになっているのが幸四郎。確か吉右衛門の烏帽子が幸四郎タイプだったかと。これは完全に役者の好みだろうね。バランスもあるだろうし。
袖を整える、といえば、幸四郎にしろ孝太郎にしろ、座るときにばっっっさー! と、両腕を思いっ切り耳の後ろまで上げて、ぶん! と袖広げて落ち着く、て感じで、動作が大仰だなあ、と見える。然るに錦之助、上旬はほとんど広げてなかったし、中旬以降はばっさー! をやってはいるがせいぜいが耳の高さまで、ふぁさっ、ふわっ、という感じで広げているかなと。酒宴で箱合引に座るときは片袖ずつだし。
こういうちょっとした仕草が行儀の良さにつながってくるんだろう。つか大袖を扱わせたら右に出る人がいないんだったwそりゃあ取り回しも大仰にしなくて済むわな。せめてそれくらいはアドバンテージを(ってひどいw

(ひとまずー

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