パスワードを忘れた? アカウント作成
15021403 journal
日本

mujiの日記: 京都南座 當る丑年 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎

日記 by muji

二部は昨日今日だけ秀太郎復帰。
門之助の藤の方観られなかったんだなあ。何だかんだで大変は大変だったろうが一番おいしかったんじゃまいか?
猩々の2人がそのまま熊谷陣屋スライドしてたのに酒売りに代役が回らなかったってえのがまあいろいろと物語ってるんだろうねぇ…世間的にはよっつね代役でもよかったんちゃうかって話もあるみたいだし。ま、その辺はry
猩々は初日から今日まで2人の動きが違ってて同じ振りのときでも合わせる気配がなくて、そういうもんだったんだろうなあと。

で、本役が揃った熊谷陣屋。
制札の見得のあたりなど舞台上の顔ぶれだけを眺めれば初日と比較するのも失礼な、てくらい。これだけ揃ってやっとこさ「顔見世」だよねえと。
ただ、それはそれとして。
何でこのよっつねを1度しか観られなかったんだーーーーー!!!!!
いや勿論想定外も想定外、2日間だけの幻の熊谷をしかも初日に観られたのは見物冥利に尽きるといっても過言ではないんだが、それはそれとしてこの義経なら初日と千穐楽に堪能したかったよ!
何なのこの深すぎる義経!!!!!
幕切れで小次郎の首抱きしめて泣き上げなんてそんな義経他にいる!?!?!?

うん、これはもう、2日間の熊谷が大きく影響している義経なんだろうなあ、と。
その熊谷はある意味答え合わせ的な感じで観てしまったんだが←、ヲタだから敢えていう。

本興行では1969年6月東横ホールが初役(その前年に若手自主興行で朝日座で上演してるのは番附の上演記録にはカウントされてない)だから25歳で初役熊谷。そこから半世紀を積み重ねて磨きに磨きを掛け、團十郎型をベースに随所で芝翫型と自身の工夫を取り入れた畢生の当たり役。
然るに、僅か10日足らずで、しかも本役から稽古をつけてもらえる環境にない状態で、これまでのキャリアでもほとんど演じることのなかった実事の役、それも実事の代表といわれる役を、2日間だけの代役とはいえ初役で演じなければならない状況に置かれて。ついでながら本役も初役。

それでも今日観ていて、初日の熊谷は、本役の熊谷に決して見劣りするものではなかったと。
え、松嶋屋そこまでやってたっけ、と初日に思ったくだりは、勿論松嶋屋もやっていた訳だが、その定評ある仕草をも凌駕するほどの「想い」があったかと。
そして改めて、松嶋屋のやり方を忠実に再現して、かつ「錦之助の熊谷」であったんだ、と。
無論義太夫のイキは正直話にならないくらい開きがあるし(いやそれでも以前からしたら随分まともになったんだけど松嶋屋の鍛え方からしたら話にならないしね)、2日間限定という状況でのいい意味での開き直りもあっただろうが、想いが、気持ちが役に伝わると、ここまで魅せられるのか、と。
そんなことを考えながら観てたから義経の幕切れでの泣き上げでマジ泣きしそうになったし←

(とりあえずー

この議論は、muji (9607)によって テキ禁止として作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

読み込み中...