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nagajisの日記: 村田鶴が捕まらない 3

日記 by nagajis

村田鶴(Kaku Murata)という人のことを調べている。大正7年から昭和11年にかけて滋賀県庁に勤めていた土木技術者である。名前を知ってからかれこれ9年になる。あとちょっとで決着がつきそうなのだが微妙なすれ違いが続いて望み叶わぬままでいる。その苛々をここにぶつける。

彼は滋賀県で数々の道路隧道を設計した。均整な容貌の双子の煉瓦隧道、佐和山隧道横山隧道。コンクリートの自由度を生かした意匠的なC隧道群・観音坂隧道谷坂隧道。彼の在任期間中に滋賀県に作られた道路隧道は 、いずれも造りが一味も二味も違う。彼が関わった可能性があるかも知れない。

建築や橋梁の分野では設計者の名が伝わっていることは珍しくない。専業的にそれを手がけていた人も多い。しかし道路のトンネルにこれだけ集中的に名を残していて、それが今日にも伝わっているというのは極めて稀なケースだと言える。そもそも戦前に、道路隧道を意図的に飾り立てたという例が少ない。機能や施工性を追求した結果として結構な結講に至った例はあっても、もとより装飾に主眼を置いて隧道を設計した例は、そうあるものでない。関東にお住まいの方なら笹子の旧トンネルをご存知かも知れない。あるいは神奈川水道局の東隧道・大原隧道でもいい。あんなものばかり作った人が、かつて滋賀県庁にいたということだ。

それで、彼のことを調べるようになった。こんな変わったトンネルを作った村田鶴という人はどんな人だったのだろうと。動機は単純だった。

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