nqの日記: タンパク3000は無駄遣い?(2)
日記 by
nq
「五号館のつぶやき」のコメント欄にて、Nature誌の批判に対して横山氏の反論が掲載されていると教えられる。記事ではなく短い投書欄。一読し、数値やの解析手法など具体的成果物を挙げて反論していることはわかった。しかし、専門外の人を納得させる内容ではない。内容的にそれが目的の反論でもなさそう。専門的知識をもった第3者による判定が知りたいところ。たとえ、予算の取り合いを通じて利害関係にあるとしても、誠実な研究者なら学術的評価はできるのではないだろうか。
謳い文句とは別の多彩な研究で成果が上がったとしても、500億円を500人の研究者に一億円ずつ配った場合と比べて、確実に成果が大きくなければ正当化できない。
巨額の費用を使うビッグサイエンスには、素粒子物理学や宇宙科学もあるが、それらはボトムアップ型の純粋に基礎的な科学研究である。タンパク3000は、予算規模が大きく、社会的効用を目指したトップダウン型のものだから、より短期的な評価が要求されるのは当然であるし、「研究」というよりも「事業」として納税者に成果を説明できなくてはならない。
buu*ブログのトラックバックから、ブログ「地獄のハイウェイ」の興味深いエントリーを発見。基礎科学的なタンパク研究が通産省傘下で行なわれていて世界的に高く評価される学術的成果を上げていたが、短期的に製品開発に結びつかなかったため、製薬会社などのスポンサーが下りてしまい、その研究所BERIは閉鎖されたという。
なんだ、このバイオ研究の世界は。文部科学省と経済産業省で、やるべきことが逆じゃないか。
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