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283083 journal

okkyの日記: たった30時間 5

日記 by okky

yuriさんの日記「一億じゃないの!?」を読んで。

不妊治療の話が書いてあったけれど。本当になんかしらの病気なのでない限り、子作りは次の方法が最も簡便で効率が高いらしい。

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先に背景知識を。

卵子の受精可能期間は、排卵から約6時間。精子の受精可能期間は24時間しかない。つまり「受精卵を作れるウィンドウ」はたった30時間しかない。この30時間がどこなのかを探索する問題だ、ととらえなくちゃいけない。つまり「日」で考えている段階で駄目なんだ。「時」で考える。

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次に。人間は卵巣を2つ持っており、大抵に置いて「交互に」排卵する。ところが子宮は1つしかない。そしてこの3つのパーツは神経ではなくホルモンと言う化学物質を通じて緩やかに同期している。つまり1日2日のずれはあり得る。ただし、あまり大きくずれるとフィードバックが働いてずれを取り戻す。「SYNC」という本があるけれど、ここに書かれている状態に近い。

これは何を意味するかと言うと、「生理の周期」= 「子宮の動作周期」を観察しても実は駄目だ、と言う事。本当に観察しなくちゃいけないのは「左右それぞれの卵巣の周期」。ただし、卵巣の周期はどれぐらい?という情報を得るのに子宮の動作周期は役に立つ。
大雑把に生理4回分の期間をプロットする。そして「1つ置きに」期間を測る。例えば1回目と3回目の間の「時間」。2回目と4回目の間の「時間」を求める。
# そう。ここも「日」じゃなく「時間」。

この2つが大きくずれているなら産婦人科へGo.

ずれていないなら、日数にして56日ぐらいの周期になるはずだ。それは卵巣の「周期」。ただし、その周期のどこで排卵が起こるのかは相変わらずわからない。

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最後に。実は排卵期が判らない哺乳類って霊長類ぐらいなものだ。いや、霊長類の中でも人間が特にひどい。
これは妊娠と出産が女性にとって非常にリスキーだから。排卵期が判る場合、そのタイミングをわざと外す事でバースコントロールできる。結果、そのような女性の子供は数が少なくなる。良く判らない…という女性の場合、バースコントロールに失敗しやすいので子供がたくさんできる。
そのような性選択の結果、人間は排卵期がよく判らない生き物になった。

で、この「排卵期が判らない」という仕組みはかなり必死なようで。「高体温期」と「低体温期」をわざわざ14日づつにしてまでしている。高体温期のどこかで排卵が起きるのだが、それはわざと個体ごとに違うようにプログラムしている。これが固定だと結局生理日から数えて何日目が危ないのか判ってしまう。単純に「高体温期」を伸ばすと、安全日が減りすぎてしまいほとんどHが出来なくなり、逆にバースコントロールに失敗しやすくなる。短くすると排卵期とほとんど合致してしまい、排卵日が予測できてしまう。

14/14の割合は「もっとも排卵のタイミングが予測しづらい」条件なのだ。

実はこれが「妊娠するウィンドウは30時間」なのに「危険日は14日以上」ある理由だ。ウィンドウが正確に判れば30時間以外は安全なのだが、性淘汰圧はそんな予測、されては困る、という方向に適応したわけだ。

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では、やり方。まず2生理周期分を表す長い長い時刻表を作る。横に長い方がいいと思うぞ。目盛の単位は「時間」。だから生理周期が28日なら 56日=1344時間。だからこれ以上の時間が入るぐらい長いグラフがいい。

で、一番左が適当な生理開始「時刻」。そんなに正確じゃなくてもいいが、区切りのよい時刻を決めておく。で、何月何日の何時がこの時刻表で言うどこなのかが判るようにしておく。

で。Hをしたら…というか大抵の場合「終わったら」だろうけれど…「H時刻」からスタートして24時間を塗りつぶす。

2生理周期が終わったら、グラフの先頭に戻る。で、塗りつぶしを続ける。3周ぐらいするとよい。

大抵の場合、グラフ中には「塗りつぶされていない窓」が出来てくるはずだ。なるべくその「塗りつぶせていないポイント」を消すようにHをする。もし、なるべく短期間でつぶしたいなら「塗りつぶしていない枠」の長さが24時間以内になるようにHをする。
2ヶ月で解決したいなら2日に一度、同じ時刻にHするのが最も簡単。

このルールを可能な限り守り続ければ、かなり高い確率でHitするはずだ。また、そうでなかったとしても、この記録はあなたの担当になる産婦人科医にとってかなり有益な情報になる。

この議論は、okky (2487)によって ログインユーザだけとして作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
  • これ、卵管までの移動時間はさっぴいてるものですっけ?(ちょっと確認できない状況なので)

    それがはいってないなら、さらに短くなるんじゃないかな...
    # あんまり卵巣に近すぎても子宮外妊娠になりそうだし、子宮のすぐそばや子宮内だと超初期流産(ってうか着床失敗?)になりそうかな...

    や、詳しくは無いですが

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    M-FalconSky (暑いか寒い)
    • これ、卵管までの移動時間はさっぴいてるものですっけ?(ちょっと確認できない状況なので)

      引いてないでしょう。別に卵管までの移動時間は引く必要がありませんから。
      受精卵になったからその場で速攻で着床しようとするわけじゃなし。
      # そうなら不妊治療で悩む人はもっと少ない。

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      fjの教祖様
      親コメント
  • こういうのこそ物理的なサイズに束縛されない電算化の出番でしょう。
    ケータイに実装したら結構利用されそうな気がします。

    • 一体どこの誰が

      「今行った、よーし」シャラーン

      なんてことをしたり、

      「今生理始まった、よーし」シャラーン

      なんて事をしたりするというんだ。

      この手の記録の一番の難しさは、
      1. 正確さ
      2. 正直さ
      3. 継続
      の3つを同時に成立させるのがすごく難しいところにあるんだ。

      正確さは、「あとで記録しようとすると忘れてしまう」事をどうやって回避するか、という点が難しい。
      正直さは、ネットにつながっていたりすると特に困難で、嘘を記録しようとしてしまう。
      継続は、飽きたり、達成感がなかったり、愛着がわかなかったりすると、やめてしまいやすくなる。

      で、この3つを回避する最良の方法は、「夫婦ふたりで、自分たちの手で、記録用システムを構築する」事にある。出来合いのものをインストールして終わり、ではなく、とりあえずの記録を保存する手帳を買ったり、グラフ用紙をのりとはさみとテープでくっつけたり。そうやって自分たちで作ったものに手で書き入れていくから、きちんと記録をとろうという気になるのだよ。面白いことに。

      .

      実はこの手の Web システムや、携帯電話用のガジェットソフトって、実は結構存在する。でもほとんど成果を上げていない。なぜか?
      計算原理が違うから? まぁある程度はあるけれど、何よりもその理由は、正確さ、正直さ、継続の3つが何一つ守られないから。

      完全に自動計測してくれるというのなら話は別だろう。でも、自己申告制でしかデータの入力のしようがなく、嘘をついても問題はなく(経理とかと違って、嘘の申告をすると捕まるとかそういう事は全然ない)、挙句に成果をあげるのに長い時間を必要とするものは、電算化はほとんどの人が「使いこなせない」ソフトになる。

      .

      で。実は全く同じ計算をするのだけれど、全く使い方が逆、と言うケースに関しては実は成果のほどが判っていない。

      そう「セフレ・安全日記録ソフト」は誰も作っていない。

      原理は同じだ。
      ただ、Hをして、記録をしていって、定期的に妊娠検査薬とか生理が来たとかを記録していくと、そのたびに「安全ウィンドウ」が判ってくる、というもの。得られる情報等は全部一緒なのだが、インセンティブの向きが完全に逆。刹那的な欲求を満たすために、記録を取りましょう、というものなので、もしかするとこちらなら「使いこなせる人」は出てきやすいかもしれない。

      ただ、どう考えても倫理的に問題視されかねないよね。うまくいかなかったときに訴えられそうだし。そこに『作るインセンティブの低さ』が存在する。

      --
      fjの教祖様
      親コメント
  • その日は働く社会人の皆様も子作り休暇を取ってヒットに励めばよいのですね!

    不妊治療ってホント大変らしいので、頑張っている人には正しい情報が適切に伝わってほしいと思っています。

    #どこか他人事なのでID

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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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