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日記

oruseの日記: 最低賃金 2

日記 by oruse

さて、まずは言い訳から始まる。老人閑居して不善をなすの言葉どおりの戯言だと前置きしておく。

最近、最低賃金の話題をよくみかけるようになった。10月からほんの少し上がるとのこと。
その際よく言われるのが、諸外国との比較であり、日本は貧しくなったと…。
それを脱するためにも最低賃金の引き上げが必要だとの論調のようである。

本当だろうかと思う。日本は貧しくなったはおそらく正しい。中流層の所得が減り、生活必需品への消費に追われ、心を豊かにするようなある意味無駄なお金の使い方をするほどの余裕がなくなってきているように思える。

では、最低賃金を引き上げれば、多少なりとも、消費が喚起され、好循環を生じるかと問われれば、やはり疑問符が付く。
日本が貧しくなったのは、付加価値を生む生産性が低下したためであろう。
生産性と利益率が低下しているのが主因に思える。

この点を改善することなく、最低賃金だけ改善して、好循環が生じるかといえば、そんな甘いことはなく、国や企業の借金が増えるだけのように思う。もちろん一部の高価値を生むビジネスモデルを持っている企業は別だが、大部分の旧態依然たる特に中小企業では、新たな付加価値を生み出すことなく、賃金のみを上げると、普通に考えれば、収益が減るのは自明である。最低賃金の対象者といえば、昔ながらの労働集約的なビジネスモデルに未だにしがみ付き、時代の変化に対応することもなく、生産性が低下したままの層と重なる。そこの最低賃金を上げれば、新たな利潤を生みだせなくなっている経営者としては、人件費を削るしかない。もしくは補助金頼みとなる。

最低賃金を安易に上げれば、一定の最低賃金層が職を失い、そのちょっとだけ上位層にしわ寄せが行き、今まで以上に忙しくなり、長時間労働を許容して頑張るしかなくなるが、人件費の削減を目的にしている以上、忙しくなったところで賃金が上がるはずもない。

資源のない国において、国益を支えるには、人材が必要となるわけだが、その肝心の人材が新しい価値を生み出さなくなっている。働き盛りといえば、通常は40代あたりになるが、この層が残念ながら、当てにならないといえば、怒る人も多いだろうが、その上の層から見ても、どうやら当てにならないと思っている節がある。なので、過去の創業者とか、過去に輝かしい実績を上げた功労者とかが「ならばもう一度俺が」とばかりに名乗りを上げるが、これも結果がついてきているようにはみえない。

40代前後と言えば、氷河期世代となる。この世代は本当に厳しく碌な目にあっていない。今の企業の中間層を担っているのは、この世代の中の優秀な成功者といえるだろう。イヤな仕事でも厭わず、真面目に一生懸命に頑張って頑張って生き残ってきた。ただ、そうした層の反面として、新しいものを生み出す力はどうだろうか。一生懸命に与えられた仕事を必死に頑張った。ただ、自分で新たな付加価値を生み出してきたのだろうか。

少し極端な考えだが、新しい付加価値を生み出すためには、ある程度の変わり者である必要があると思っている。イヤな仕事なんかせず、好き勝手に自分の感性の赴くまま、好きな仕事のみを面白いからという理由で集中する必要があるのだ。そんな変わり者が一定数いて、その中から僅かな確率で新しいものは生み出される。氷河期世代にはそんな変わり者が生き残れる余裕があったのか。

今や、この氷河期世代の真面目くんと、過去の老害のせめぎ合いとなっているが、芳しい結果とはならない袋小路になっているようにしか見えないのが残念なところだ。

ならば、ここはじっと我慢し、次世代に期待するか。いや、例え成功する者が現れても、そんな人材がこの日本に残るだろうか。

散々酷い言い方をしたが、実は、自分が期待しているのは、40代である。
老害よりはなんぼかマシに思える。というか、今こそやっと表舞台で活躍する時が来たのだ。

また一段と難しい局面を迎える。今後は、単に上から言われたことを頑張るだけではなく、自ら新しいビジネスモデルを構築するチャンスが訪れた。これを朗報と取るか、いい加減勘弁しろと捉えるかは、個人次第だが、比率的に僅かでも、チャンスと捉え、表舞台に躍り出てほしい。新たな利潤を生む新しいビジネスモデルが必要なのである。それを生み出すのは、やはり、若手層以外にはいないと思うのだ。

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