oruseの日記: ツバメ
日記 by
oruse
拙宅の軒下にツバメが巣を作り出した。数年……いや、十数年ぶりぐらいになるか。
拙宅は首都圏というにはばつの悪さを感じるぐらいには結構な田舎に位置するが、そんな地方でもツバメはめっきり少なくなってきている印象がある。
以前は、この時期になると、ツバメが飛び交い、囀る声があちこちから聞こえてきたものだが、見なくなって久しい。
実を言うと拙宅はあまりよい住環境ではない。軒下に巣を作りやすいように板が添えられているが、これがプラスチック製でツルツルと滑り、巣を形成するのが難しいようだ。
また、ゴミ出しの前日に生ごみを軒下付近に置いておくと、カラスの攻撃を受けることから、軒下付近でも危険地帯のようである。
夜になると一羽だけが巣の中に佇んでいる。巣は相変わらず、あまり巣らしくなく、プラの部分が多く見える。
翌朝、ひと際高く拙宅前の電線で一羽が囀る。「ぴちゅぴちゅぴちゅ、じー」。
それから数日たった。相変わらず、夜巣を見ると、一羽だけで巣の中で丸まっている。
それでも毎日朝になると力一杯大きく囀る。「ぴちゅぴちゅぴちゅ、じーー…」。
何だか最後の「じー」が哀愁をもって聞こえてくるようになった。
おそらくは、今年も巣を構えることはないようだ。拙宅ではお嫁さんの来てがいないのである。
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