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日記

phasonの日記: 培養下における大腸菌の進化に関する続報 5

日記 by phason

以前ここでも取り上げられた,大腸菌の進化に関する続報が出ているので,簡単に紹介.

"Genomic analysis of a key innovation in an experimental Escherichia coli population"
Z.D. Blount, J.E. Barrick, C.J. Davidson and R.E. Lenski, Nature, 489, 513-518 (2012).

前回の話を簡単に紹介すると,

・大腸菌を12の容器に分割,延々と4万世代以上にわたって実験室で培養し続ける.適当な世代間隔でスナップショットも冷凍保存(その世代の個体を,あとから調べられるように一部保存).
・そのうちの一つの群だけで3万3千世代あたりでクエン酸を食うことができる新たな系統が発生した.
・クエン酸を食えるやつの祖先を調べたら,第2万世代あたりから再出発してもいずれ同じ特性が発現.
・どうもそのあたりでクエン酸代謝の元になる遺伝子(ただしこれだけでは役に立たない)が現れ,その後それがクエン酸代謝を出来るようになるもう一つの変異で発現,さらにもっと後により効率化する変異が生じているらしい

という事が報告されていた.つまり「大腸菌を培養し続けたら新たな形質を獲得する進化が実験室で確認出来たよ」という凄い論文だったわけだ.
まあこの研究に関しては「コンタミなんじゃねぇの?」とかいろいろ疑問も呈されていたわけだが,その懸念を払拭する&進化に関する理解を深めるため,保存してあったスナップショットを利用し多数の世代でのゲノム解析が著者らによって続行されていた.その結果が今回報告されている論文.
前回の培養から予想されていたように,2万世代目あたりで起こった「クエン酸代謝の元になったであろう」変異がある程度特定され,さらにその後の発現のためにはどこが変わる必要があったのか,効率化のためにそれがどうなったのか,という部分がきちんと判明している.でも細かい話なのでばっさり省略.

何にせよ,スナップショットを取りながら進化させ,あとからそれらの遺伝子を比較検討出来るというのは何とも凄い時代になったものだ.

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