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ribbonの日記: 読書:音楽の感動を科学する

日記 by ribbon

著者は 福井一さん。
生化学的な観点や心理学的な観点からの音楽論というべきかなあ。
色々なことが紹介されていて面白い。
面白かったことをいくつか。
3章では「音楽や音の感じ方が日本人と外国人では違う」という通説が科学的には根拠がないということ。角田忠信氏が1972年頃に「日本人の脳」諸説で展開した話なのだそうだが、再現性はなく、PETやfMRI等での測定でも差はないという結果が出ている。ただ、例えば吉田秀和氏や小泉文夫氏などが勉強不足のため広めちゃったとか。
また、フロイトの精神分析も、「似非科学」と一蹴。
そして、「音楽の定義」がないということ。Wikipediaでも種々の定義がある、としているし。
5章では音楽による情動や感情が起きる仕組み、すなわち脳の各部署の動作について説明がある。大脳周辺にある扁桃体というところが源であると。耳から来た信号は、ここと大脳と両方に行くようだ。で、恐怖とかの緊急を要する場合はここで反応すると。大脳の法は音楽の理解かな。
また、モーツァルト効果がないことも1999年に否定の結果が出ていると(Wikipedia記載あり)。
6章では音楽とホルモンについての言及。特にテストステロンというステロイドホルモンが重要であるとしている。
7章では音楽によるの上の影響について。乳児でも協和音と不協和音の違いは分かるので、これは普遍的なこと、音楽家の脳は音楽に関する部分が肥大化していること、そしてその副作用の一つとしてジストニーになる事が書かれている。体性感覚皮質の、それぞれの指などを制御する領域が大きくなりすぎ、重なってしまってコントロールがうまく出来なくなるとか。もちろん全員なるわけではなく、演奏家の100人に1人とか。結構多いなあ。
8章では才能と遺伝について触れている。確実にあると。また、失音楽症(要するに音痴)はピッチの認識が出来にくいということだとか。
9章では音楽が病気に効くかについて。
一般的に人間は短期間のストレスについては、破壊的な物でない対応できるが、長期間のストレスについては対応しきれない場合があると。そして、短期的ストレス抑制や、痛みの低減、アルツハイマー症への適用についても触れている。
そして11章。音楽はなぜ必要か。ピンカーは、「心の仕組み」で、音楽はチーズケーキ、あってもなくとも良く、生物的、進化的には不要なものであると言っているが、音楽は社会を作るために生まれてきたのだと言っている。

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