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お金

route127の日記: サイバー南北朝ベネズエラ 1

日記 by route127

このあいだ離婚が報じられたビルゲイツだが、3月にはビットコインが地球環境に悪影響を及ぼしていると発言していて反感を持った。

などというコメントも見られた。
これは仮想通貨の採掘は専ら投機の為であって生存とは結び付かないという前提に立っているように思う。
であればビットコイン関連のニュースでイランやベネズエラといった米国から金融制裁を受けている国の名前がよく挙がるのは偶然なのだろうか。
自分はそうは思わないし、ドル覇権維持に軍事費つぎ込んでる国で活動するビルゲイツがそういった発言を行うことが一貫した態度だとも思えなかった。

まあそういった一時的な憤りはあったものの考えてみればベネズエラという国をミスユニバースとかJINKI:EXTENDくらいでしか知らないなと思い、そごうの三省堂で見て気になっていた中公選書の『ベネズエラ』を読んだらどうもベネズエラ経済はアメリカの金融制裁前から崩壊していたらしい。
概略は著者である坂口のレポートの通りだが、世界最大の産油国が経済政策に失敗して戦争も自然災害もないのにシリアに次ぐ難民流出国となり、国民の64%が平均11kgの体重減(マドゥロダイエット)というひどい 状況の中、食糧配給(CLAP)を受けるためには支持政党を記入したZTE製愛国者カードが必要で、選挙では指紋スキャン、コロンビアへの密売防止名目でスーパーでの買い物にも指紋スキャンと食うために自尊心を切り売りさせる為の電子装置描写がサイバー生き地獄であった。
生活必需品の不足については、

というコメントがあったが、グアイド暫定大統領がコロンビアからの物資搬入を試みたものの軍を掌握するチャベス派のマドゥロ大統領に阻止された話が紹介されていた。
外務省HPにも一応それとなく書かれているがベネズエラには大統領が2人いるのか。

2 元首
ニコラス・マドゥーロ・モロス大統領
(注)日本政府は,グアイド暫定大統領への支持を表明している。

そんなベネズエラの通貨事情についてハイパーインフレでの紙幣不足による電子マネー普及が2018年にストーリになっていて、

みたいなやり取りがあったが実際その通りでその後さらにインフラが進み、切り下げてボリバル・ソブラノとなる一方でドル経済化も進んでいったようだ。
またアメリカにドル口座を持つ市民がドルショップ(ボデゴン)での買物をzellepay(en.wikipedia)による個人間ドル送金で行うことが紹介されていた。(アジア経済研究所会計Diversity)
最近twitterのpaypal送金スレがあったが、paypalが着金まで3営業日を要すのに対しzelleは数分と着金が速いらしい。
そのスピード感がどういう仕組で実現されているのかわからないが、US法に則って送金前に名義人と制裁リストの突合せとかしないのだろうか。
岩波新書の『アメリカの制裁外交』では米国の金融制裁プログラムに銀行がかなりのマンパワーを掛けさせられていることに触れられていた。
また日本の銀行が米国の金融制裁の尻馬に乗って駐日ベネズエラ大使の口座を凍結した話があったが、wikipediaのセイコウ・イシカワの項目にその顛末がまとめられていた。
岩波新書には外交官への金融制裁をウィーン条約違反云々とあったがどの辺が該当するのか。
このへんか。

第二十五条 接受国は、使節団に対し、その任務の遂行のため十分な便宜を与えなければならない。

ベネズエラが石油価格を裏付けに流通させる仮想通貨ペトロも税金が払えるようになったとかカジノが開かれるとか断片的な話はあるが、うまく行っていないからこそいろいろなテコ入れがニュースになるのかもしれない。
アメリカの手が及ばない決済手段を手に入れることが面子の上でも実利においても重要で、その実現手段として仮想通貨を利用するというのであればそれは非難されるような動機ではないように思える。
また市民生活にあっても自国通貨が崩壊している状況では国外に脱出した親族の有無等でドルへのアクセスができない状態であれば仮想通貨が生存に直結する状況であると言えなくはない。
実際オンラインゲーム(Runescape)でのRMTを通じたいわゆるゴールドファーミング最低賃金$7.5の5倍強、月に月に$40程度の稼ぎになるそうだ。
その為Redditではベネズエラ人プレーヤーPK指南スレが立つほどだったそうだ。

通貨危機でネトゲというと1998年の韓国IMF危機でPC房が激増した話を思い出す。
90年代末のMMORPGはアカウントやアイテムを売るにしてもネットオークション等が今ほど整備されてないような気もするしRMTが行われていたのか、行われていたのならどのようにかがよく分からずにいた。
今回ベネズエラのことを調べていて少なくとも90年代の韓国で既にRMT自体が存在したことは前出のeconomist記事で分かったがその手段はどのようなものだったのだろうか。
ゲーセンのカード掲示板みたくPC房単位でアカウント売買の市場が立っていたのか、またそういった市場を取り仕切る組織なんかはあったのだろうか。

ベネズエラの反米路線についても、

というコメントがあったがチャベス就任当時からブッシュ政権下のアメリカが関与したとされる2002年4月政変(チャベスのオルチラ島幽閉と米によるカルモナ暫定政権承認)までは口先はともかくベネズエラにとってアメリカは重要な石油輸出先であり両国は深く結びついており、歴代政権を見ても、親米のベタンクール大統領は同じく親米のドミニカやグアテマラといった権威主義政権との外交関係を断絶や、チリのアジェンデ社会主義政権をクーデターで奪取した親米のピノチェ政権と国交を断絶したペレス大統領の対アメリカ政策の伝統を就任当初のチャベスも引き継いでいたという説明を聞くとそんな気もしてくる。

そんな石油に振り回されるベネズエラについては「世界最大の石油埋蔵量」を持つと言われるが、

と言われる通り、元々マラカイボあたりが産油地帯だったのがオリノコ超重質油(オリノコタール)が見つかって埋蔵量世界第一位になったらしい。
ただ採掘するにも希釈用の石油が必要だったり、重質油に対応した製油所でないと精製できなかったりと手がかかるようではある。

とりとめもなく書いたが自分の住む国でも貧富の差の拡大、インフォーマルセクターの拡大の中で国民投票法改正案が国会通過してたしこれから参加民主主義を標榜して民主主義国家が内側からドロドロに溶けてサイバー権威主義国家になっていったりするのかと思いながら読むとこれからの季節怪談代わりにゾクゾクできて良いかもしれない。

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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級

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