route127の日記: 分業忌避 5
本屋行って何となく新書コーナ見てたら『「超」整理法』の人が日経から『どうすれば日本人の賃金は上がるのか』出してた。
手に取ってはみたけどあんまりピンとこず棚に戻した。
ただ半導体露光装置の話でオランダASMLがキヤノンやニコンを抑えて躍進していくところで日本の自前主義を批判しているところは印象に残った。
昔中国の科学業界の発展について論じるところで深海調査船用のチタン外殻を外注してるみたいな話もあったことを思い出した。
日本の自前主義というのはどういった精神から発するものなのだろうか?
「人に迷惑をかけてはいけない」的なものなのだろうか?
その一方でユーザ企業が設備導入に際してメーカ企業におんぶにだっこというのはよく見るが。
(ユーザ企業内に「エンジニア」が居ないせいなのか?)
資本主義社会において分業というのは根底にあると教わった気がするが日本においてそれが上手く働かない瞬間があるとすればそれはどういった局面なんだろうか。
ただ日本も陸自の装輪装甲車がフィンランド製になるとかいうし、そもそもカールグスタフとかそうりゅうのAIPとかで北欧の兵器は入って来てはいた。
そういったなかでクリスタのAIパレット批判を見るとリードの
クリスタがAIを活用しないなら他の競合ツールが活用してシェアが奪われるだけでは
というのはその通りで日本の負けパターンに入った感じはある。
また写真登場後も画家はいなくなっていないみたいな事を言う人も見かけるが、画家自体はなくならずとも肖像画家は食えなくなって滅びていくし、そもそも題材をわざと解像度が落ちる昔話に採る辺りに作為を感じる。
銀塩カメラとデジカメなんかの例だと都合が悪いんだろうか。
デジカメもさんざんプロから批判される内に良いものに仕上がっていったけれども、そういったユーザとメーカが競い合って商品が成熟していくという道が画像生成AIにもあるんだろうか。
ASML (スコア:0)
ASMLについては資金と政治以外の理由は無いと思うけど。
企業単独で戦うしかない日本ではEUVは無理だった。
金言格言 (スコア:0)
の類には全く逆のものがある。
一定の根拠はあっても常に当てはまらない事は多い。
自前主義もそのひとつだと思う。
メリット、デメリットがあり、時ところが変われば逆にも作用する。
自前でやれば、技術を手のうちにでき、差別化にもつながる。状況のコントロールもしやすいかもしれない。
逆にライバルや外部サプライヤーの技術が優っている時にそれに固執してしまうと自ら不利な状況を招く。
じゃあ、その時その時で有利な方を選択すれば良いかというと、状況に耐え投資を続けた結果起死回生を図れたり、盤石な基盤を築ける事も無くはない。
どっちとも言えない。
オフショア開発がうまくいかない構造と同じ (スコア:0)
と安直に文系無能論と結びつけてみる
# あるいはソフトウェア軽視の結果かと
Re:オフショア開発がうまくいかない構造と同じ (スコア:1)
>ソフトウェア軽視
大づかみに言えば「ソフトウェア軽視」なんだろうけどその時の「ソフトウェア」が何を指すかは自明ではないよな。
半導体で言えばステッパの制御ソフトウェアなのか、ステッパを運用するノウハウなのか。
画像生成で言えば機械学習部分を言うのか、画像のニーズ感とかそういう営業的な要素なのか。
「日本人はソフトウェアに金を払わない」みたいなことが昔盛んに言われていた気がするけれども、最近の「コト消費」とやらにあってもこういった否定的反応が出てくるのに際して、日本人の対ソフトウェア感情のどこが変化してどこが変化してないのかというような興味というか。
Re: (スコア:0)
まさにその「自明でない」まま放置してることこそが「軽視」なのでは、と。
「自前主義」は「ヒト依存」とも言え、そこから解放されるための解析を進めないことにはどうにも。