パスワードを忘れた? アカウント作成
286018 journal

snowyの日記: SF小説「虐殺器官」読了 2

日記 by snowy

「虐殺器官」(伊藤計劃、早川文庫JA、2010(初出は2007))を読了。最後を、関西に行く新幹線の中で読み終わるつもりが、少し読み残して、出先で読み終わった。

完成度が低い。巻末の解説で引用されている小松左京の選評と同じ事を感じた。
具体的にいくつか。途中から展開が予想できる筋立て。列車襲撃の流れはいかにも不自然だと思ったら、出版化に際して、後から加筆されたらしい。その上での、余計に目立つ不自然さ。
恐らく、独自アイデアに生成文法等の言語学の要素を組み合わせた「虐殺の文法(言語システム)」も、第一印象としては面白かったが、言語学や人文科学の教養がある読者にとってはインパクトは小さいだろう。現在の様々な国際問題を盛り込んだところも、近未来という設定を考慮しても、安直で稚拙な感じ。

SF業界で絶賛されていたり、宮部みゆき等のコメントの帯がかかっていたりするが、不信を感じる。

関連エントリ

この議論は、snowy (9274)によって ログインユーザだけとして作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
  • 感想について同感です。絶賛されているのは、作者が早死にしたからその分盛られているんだと思います。あるいは、初期でこれだけ書けたんだから生きていれば傑作をものにできたかもしれないという期待感による評価とか。

    絶賛しすぎるとなにも知らない人が読むことになり、変な期待からがっかりするだろうし、それは作者にとってもSFにとっても不幸なことだと思うんですけどねえ……。

    #読んでがっかりしてから早逝を知ったのでID

    --
    LIVE-GON(リベゴン)
    • >作者が早死にしたからその分盛られているんだと思います。あるいは、初期でこれだけ書けたんだから生きていれば傑作をものにできたかもしれないという期待感による評価とか。

      なるほど。確かにそうだと思います。

      >絶賛しすぎるとなにも知らない人が読むことになり、変な期待からがっかりするだろうし、それは作者にとってもSFにとっても不幸なこと

      おっしゃる通りだと思います。私も、大きめの帯を巻いて本屋のコーナーに平積みになっていたのが買うきっかけでしたし、その分期待していただけに、余計に失望しました。昨今の小説は、SFに限らず、売るための宣伝文句が分不相応に過大になってるように思います。

      言語の問題という映像化しにくいけれど面白いテーマなので、余計に完成度の低さが残念です。

      親コメント
typodupeerror

Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級

読み込み中...