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日記

strangerの日記: 検察庁法改正案にまつわる騒動についての素人考察 1

日記 by stranger

本筋は、
・検察の独立性
・検察への民意の介入
のバランス問題。

基本的には内閣と検察の権力闘争で、検察庁法改正案で前哨戦をやっていた。
そこに野党や、(検察=司法との勘違いを利用された?)芸能人・著名人が参戦して、複雑化&話題に。
※黒川検事長の定年延長問題だけなら、これほど話題にならなかった、というのが自分の認識

■前提
司法(裁判所)、立法(国会)、行政(内閣(検察含む))の三権は独立しており、お互いの暴走を抑制する仕組みがある。
そして、その全ての良否判断は国民が行う、という前提で日本の民主主義が実現されている。
・選挙(民意) →国会議員を選出(立法府)
・→国会の決議 →内閣総理大臣を指名(行政府)
・→内閣の決議 →最高裁判所長官を指名(司法府)

回りくどいところはあるけれど、三権全てに民意が反映される仕組みになっている。
もしどこかに問題があると国民が感じたら「選挙で正す」というのが日本の民主主義構造。

【重要】検察庁も同様に、民意の反映によって暴走を抑制する仕組みになっている(憲法上では)。

■誤解
三権分立の問題はない。検察庁法改正案は内閣と検察の話なので、行政府内の問題である。
※検察を司法に組み込むべき、というような意見は有って良いし尊重すべき
※三権分立を誤解している人が多い。例えば司法府の最高裁判所長官の任命権は、三権の枠を超え行政府である内閣が持っている

■現状の問題点
1.検事総長の任命における問題点
検察官の最高位が検事総長であり、この検事総長の任命権者は内閣と憲法で定められている。

憲法に反し、現状は検察庁内で検事総長を任命し、それを内閣が追認する形になってしまっている。
これを本来あるべき姿に正そう(民意を反映できるようにしよう)、というのが安倍内閣の方針。

しかし、検事総長の任命権というのは非常に強力な権力(金と名誉と権力が密接に絡む)なので反発が起きている。
・検察庁内での権力闘争手段たる任命権を手放したくない
・内閣が検察庁に影響力を持つことで、内閣や内閣が忖度したい人物の捜査に公正性が損なわれる可能性
・専門家集団である検察庁の仕事に、素人である国民から口を挟まれたくない

2.黒川検事長の定年延長という問題点
定年延長問題は2つあり、混同している人が多い。
a.今回の検察庁法改正案(検事総長を除く検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる)
b.政府が2020年1月に閣議決定した黒川弘務・東京高検検事長の定年延長

a.は問題と思えない。
公務員の定年延長に連動したものであり、かつ適用が2年後のため、黒川氏も定年退官後、安倍氏も再選されなければ首相ではない。

b.の問題について。
黒川検事長の定年延長は、検事総長に任命するための前準備と解釈できることから
・強引に見えるそのやり方
・法解釈の正当性
を疑問視するのは正常な反応だと思う。
それと同時に、検察庁に染まっていない外様の黒川氏を、定年延長をしてでも検事総長に任命することで、民意の反映を的確に行おうとする政府の意図も納得できる(自分は納得できてしまった)。

■外野の状況
芸能人や著名人の多くが、検察=司法という嵌り勝ちな誤解から、三権分立の危機というデマに踊らされたように見える。
指摘されて気付いた人も多いようだけど、後に引けなくなって、黒川氏問題に乗り換えた人も多く見受けられる。

高学歴者や識者として名を売っている人ほど、間違いを認めるのが困難なこの状況は早く打開しないと、建設的な議論が進まず、結果として当事者以外も含め全員が損をすることになると思う。

■自分の結論
・今回の検察庁法改正案は、公務員の定年延長に連動したものなので、素直にそこを判断すれば良い(改正して良い)

(・黒川検事長の定年延長は、法解釈の決定権が内閣にあるため、強引さはあるが違憲だと言えない)
(・検事総長の任命は、憲法に則り内閣が行うべき →問題があるなら、国会で憲法改正を議論するのが正しいあり方)
(・内閣の影響力が増し、検察官が公正な調査を出来ない状態は危険 →国民が監視し、不正があれば選挙で民意を知らしめるべし)
(・内閣が黒川氏を検事総長に任命するのは、検察庁の暴走を防止するための足掛かりとして国民にとってメリットのはず)
(・勘違いや間違いは、意地を張らず素直に認めて、より良い日本にするための建設的な議論を行いましょう)

以上

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  • by shibuya (17159) on 2020年05月17日 19時46分 (#3816697) 日記

    司法に立法や行政が介入するのはいけないだろうが
    一般国民(法曹業界からの声も含めていいものとする)の意見書提出その他の
    チャネルから公然平穏な建白を行って司法が一方向に傾いたらその傾きを
    修正できればいいんだけど検事定年延長イシューとは並列で判事の人事も
    内閣がコントロールしているところがものを言っているというのが
    あって主張しづらい。。。
    // 正確に言うと裁判所の事務総局による間接コントロール?

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