taggaの日記: [読書] Une Langue orpheline
日記 by
tagga
Bernard Cerquiglini (2007) Une Langue orpheline, Minuit [amazon.fr].
標準フランス語の直系の先祖としての 「フランシアン方言」の神話を壊す本。 綿密な資料の読み直しにもとづいていて流石 Cerquiglinie センセなんだが、 じゃあ直接の先祖は何よという点で不満が残る。 Lodge センセの説の方が納得できる。
考えなければならないのは、 中世において名前のなかった方言であるフランシアン方言と 標準フランス語の祖先(仮に「前フランス語」)の間にどういう関係があるか である。 前フランス語は、 方言接触によって地域色を失ったことは確かだろうし、 それが書記階層によっていることも確かだろう。 しかし、そのプロセスが書記階層のネットワークみたいなものに よるとするのは無理な感じがする。 やはりなんらかの話者集団を考えるのが簡明で、 コイネー化を経たと考えるべきではないか。 また、その時、ベースになった方言は、 やはりフランシアン方言と考えるべきではないだろうか。 イル・ド・フランスは、学問のセンターの一つとして パリ大学が明確にできる前から機能していた訳だし、 そこで修得した前フランス語が、 それ以外の地方で H 変種であるラテン語を補助する L 変種の教養言語として機能したと 考えられるのではないか。
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