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taggaの日記: 数式は画像化すべきではない 4

日記 by tagga

自分で日記 を書いておいてなんだが、理想を言うと、Web文書では数式を画像にすべきではない。

念のために言っておくと、TeX の数式を画像化するツールは沢山ある。 以前にもオンザフライで画像を作ってくれるサービスについて日記を書いたことがある。 ちなみに某巨大サイトで使っているツールに必要な道具は、 前の日記と同じだったりする。

さて、なぜ画像化すべきでないかといえば、画像自体にはセマンティックがないからだ。

うさんくさい会社のサイトには、文字の情報しかないのに全体を画像化して、 img 要素しかない HTML が上っていることがある。 これは想定されているメディア以外の利用をこばみ、データとして再利用されることもこばんでいる。 再利用されてはアシがつくので困るからだろう。

数式についても、画像だけではセマンティクがない。 そうすると他のメディア、例えば、文字ブラウザ、音声ブラウザ、点字プリンタでは 使えない。式として再利用するのもやりにくい。 (X)HTML で数式を表現するのであれば、 MathML が使いものになるのであれば使うべきだ。 そうすれば、音声ブラウザや点字プリンタに向けてデータが自動で変換されるように 将来はなるだろう。現状では研究中で、ある程度できるということらしい。

ただ、今のところでは、画面向けの主要なブラウザでも対応が弱いし、 対応していてもフォントの追加やプラグインのインストールが必要な場合もある。 なので、主流派向けには画像が一番楽という状態なのだ。 とはいえ、img には alt 属性、それにできれば longdesc 属性をつけなければならない。 けど、何をどう付けるのか、それをどう自動化するのかは悩ましい。 例えば、alt には TeX を入れて、 logndesc で数式の読み上げ用のテキストの URL をいれ、 その文書の link に点字用のテキストの URL を入れることが考えられる。 ただ、TeX 数式の読み上げや点字化の研究は、MathML より蓄積があるらしいのだが、 広く使いやすい形になっているかというと疑問がある。

個人的には、A MathML for CSS Profile に期待している。方向性としては、 ブラウザに数式用のエンジンがあるより、 組版の能力が上って、それを利用して数式が自然に組める方がいいと思う。 ただ、まだ使いものになるか不安なので、 将来はこちらに移行できるような仕組みを考えながら、 現状では画像化に意味属性を付ける形で我慢しようと考えている。
;; けど、何をどう付けたものか。alt に TeX を、 title に式の名前を入れるぐらいしかできないなあ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by magnon (1401) on 2010年04月09日 12時44分 (#1746114)

    MathMLの普及を待ち続けて幾星霜という感じなんですが、書けないまま待っていてもしょうがないし、SVGがようやくという状況ですから、MathMLはあと10年はかかると思っていてもおかしくないと悲観的に考えています。

    そんなわけで、数式を書きたい欲求はあるので、Blogとかで数式を書きたいときには、img要素のALT属性に「LaTeX」な数式を入れておいて、JavascriptでGoogle Chartを呼び出して必要に応じてクライアントサイドでImageを生成させてます。こうしておけば将来MathMLが普及したときにでも変換すればいいわけですから、それでいいかと思っています。待っていてもしょうがないし、少なくともフォントもバンドルして配ってクライアントで何も考えなくていいようになるまで、僕はMathMLは使えないと判断しています。

    まあ僕のところはローカルのWebサーバでの処理でTeXが使える環境でサーバサイドで処理できるので、Google Chartに頼る必要はまったくないのですが、Javascript数行ですむ話でお手軽なので使っています。

    • 基本的に同感です。

      ただ、問題なのはアクセシビリティをどうしたらいいかということです。 WCAG 2.0 [jsa.or.jp]の方では、具体的なことが書いてないので、 WCAG 1.0 [u-shizuoka-ken.ac.jp]の方から引用します。

      3.1

      情報を表すのに適切なマークアップ言語が存在する場合、イメージではなく、マークアップを使用します。[優先度 2]

      たとえば、数式をマークアップするにはMathMLを使用し、テキストや制御レイアウトをフォーマットするには、スタイルシートを使用します。また、イメージを使ってテキストを表すことは避け、代わりにテキストとスタイルシートを使用します。指針6と指針11も参照してください。

      なのですが、WCAG 1.0 チェックリストもどき [www.ne.jp] で下のようなツッコミが入れられた状態から 改善が余りないのが困りものです。

      ……という話なのですが、本当に MathML でどうにかなるのかは疑問です。

      数式は、どうせ TeX から変換するので、 画像と MathML の両方を入れておいて、 スタイルシートかなにかで切り替えてみようかなとも考えているのですが、 どうしたものでしょう。

      親コメント
      • 間が開いてしまって申し訳ない・・・

        「情報を表すのに適切なマークアップ言語が存在する場合」という部分の解釈が難しいですね。現状何かしらの手を入れないと使えないものを存在するというのは、アクセシビリティの観点でどうか? まあ代替文字列としてLaTeXの数式をおいて置けば脳内で数式に変換して読めるだろうというのは期待して良いかもと思っています。(それでアクセシビリティは確保できているであろうと。MathMLを手書きする気にはなれないし、ソース読んでも頭の中で数式にならないです。)

        最初のうちは画像で、見られる環境が増えてきたらMathMLで良いんじゃないだろうかと思っています。でもMathMLで良いであろうと言う日が来るのだろうか。いずれにしてもLaTeXから変換しないとマークアップした数式の可読性に問題はありますね。MathematicaとかWord2007とかを使えばいいのだろうか? あとhttps://eyeasme.com/Joe/MathML/MathML_browser_test.html [eyeasme.com]でFirefox3.6でSTIX Beta Fontsをインストールして出力をみるとなかなか良いので、IEさんもがんばってほしいなあ。IEにはSVGもがんばってほしいのだが。やはりIE6の停滞が長すぎたのもこういう周辺技術の停滞を招いているのではないかと思います。

        親コメント
  • Ruby for CSS Profileも作ってほしい。
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