taggaの日記: [読書] ことばは変わる
日記 by
tagga
黒田 龍之介. (2011) 『ことばは変わる: はじめての比較言語学』 白水社。 http://www.amazon.co.jp/dp/4560085811
東外大での講義をもとにした、比較言語学とも歴史言語学とも いいがたい入門書。 外大の半期でこれは、ゆるい感じがする。 ただ、学生にものを考えさせるという意図は分かるし、そこは評価したい。 けど、生成文法をそんなにディスらなくても。
言語学の講義としては、やっぱり言語の形式の分析か、 形式を通しての分析をさせたいのだけど、その点が弱い。 比較言語学の入門書としては、形態論への言及が少ない。 また、ソシュールに言及するのであれば、内的再建を外さないで欲しい。 中途半端な感じがするのは、 比較言語学の入門としてはテクニカルな訓練の部分が少なく、 歴史言語学の入門としては言語変化の要因をあまりあつかっていないせいだと思う。
比較と対照については、 生成系の人たちが、 「比較文法」(僕たち歴史屋には大切な、19世紀的の比較言語学の名前!) を使うので、 『日英語の比較』って感じの本には、 専門すぎて他の学派が読んでも楽しくない本と、 少しはものを考えて書けというピーな本が存在するので、 この本の記述はちょいと問題。 それに、分かってやっているんだろうけど、 生成の人の言う「心」は専門用語なので、 いきなり出すのは反則だと思う。
ほかにも細かいツッコミは、いろいろしたいけど、まあヌルい本だしいいか。
;; といいつつ来年度後期の参考図書にはリストアップ。
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