taggaの日記: ばれにくい借用語 5
借用のなかでも、意味だけの借用というのがある。 例えば、経済学用語として「労働」を labor の訳語にあてている。 しかし、「労働」は古くは〈労動〉なのだが、 『養生訓』(1713)の「身体は日々少づつ労動すべし。久しく安坐すべからず」は"動かす"の意味に過ぎない (例は『日国』から孫引き)。
使えそうな、既存の語がなければ、新語が必要になる。 音や文字を媒介にして形をもらうのではなく、 既存の要素を組み合せて作るばあいもある。 例えば、photograph の訳語にかつてあてたことがある「光画」がそうだ。 ギリシア語の √photo "光"、√graph "書く、描く"を部分部分で借用して造語している。
;; 「お前なんかロボットだ」「ロボットじゃないよアンドロイドだよ」禁止
さらには形だけは、古語や古典語から借用して、意味を外国語から借用することがある。 『諸橋大漢和』はこのようなばあい、 古典語には出典と例をつけているが、現代語につながる意味にはつけていない。 例えば、「共和」を"王が不在のときに諸侯が合議制で政治"で使うような奴は身近にいないだろう。固有名詞でなければ、republic なり republican なりに関係した意味で使っているはずだ。 日本語も中国語もつっこんであるGoogle Booksで 1870年代以前の「共和」の例を探すと、 古典の数例とOCRの読み取りミスを除けば、日本のものばかり出てくる。
;; なお、共時(その時代)的に考えるのなら、 字音語(漢語)は実際の語源に無関係に借用語あつかいするのが楽というのが、僕の立場。 通時(歴史)的に考えるのなら、区別するけど、その区別に学問的なもの以外の重要性はないと思う。
やっぱり仏教用語じゃないんかな (スコア:1)
『椎名百貨店』(椎名高志 小学館)で
金持ちのボンボンが
「労働...労働...それって仏教用語だっけ?」
っていうネタがあり(4コマなんだからネタバレもなにもなかろう)
椎名高志なんだから、本当に仏教用語なんじゃないかとちょっと探した記憶があります。
#存在自体がホラー
初出は荘子 (スコア:1)
『諸橋大漢和』などでの最初の例は:
華佗も中国の伝説的な医師なので、仏教用語ではないと思います。
字の違いについては『日国』の「労働」の語誌で:
Re:初出は荘子 (スコア:1)
うーん、やっぱりそうなのか。ありがとうございます。
『華佗』という名前でロマンを感じてしまった。
#存在自体がホラー
ああ、IBM語の事なんだな (スコア:1)
えーっと、こっちの方 [srad.jp]です。
#IBM語というといろいろ解釈があるらしい
以後、余談
コの業界、多かれ少なかれ、会社の系統でいろいろな用語というか言い回しが違いまして...
みかか系とかIBM系とかH系とかFとかNとか....。細かく言うと会社ごとに差異はあるとは思う。(意識的に分類するなんて暇で無益な事はしませんが)
で、いろんな経歴というか背景がある協力会社を一同に集めてなんかやるぞというと、
以下のようになるんだろうなと。
「エホバくだりて、かの人々の建つる街と塔を見たまえり。いざ我らくだり、かしこにて彼らの言葉を乱し、互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。ゆえにその名は、バベルと呼ばる」
#コの業界時空に引き摺りこむように話を曲げて申し訳ないです
##そのまんま、まぬけ時空でもいいような気がしてきた
#存在自体がホラー
Re:ああ、IBM語の事なんだな (スコア:1)
ごめん、なんとなくで書いてしまったけど、引用したものは言葉が統一されなくなった結果なので、意味が通ってない。
えーっと、「Σ」以降、業界内の言葉は千々に乱れたとか....(そういうわけではないと思うが)
#存在自体がホラー