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日記

taggaの日記: honest error の意味がなぜ問題か 2

日記 by tagga

この項では、 前項研究不正の文脈における honest error の意味の背景説明をする。 私が不満に思っているのは、 研究不正 research misconduct から除外する honest error の意味を考えるときに、 研究不正の専門家と思われている人たちが honest error としか思えないことをしていることである。

次のようなことが honest error を引き起こしうるであろう。

  • 「条文」の解釈が分かれているのに「判決」を見ない。
  • 専門用語を調べるのに専門辞典・事典ではなく一般向けの辞書を引く。
  • 表現の意味を考えるときに、意味がどれくらい構成的(それぞれの語の意味の足し算になるか)を考えていない。

なお、前項で示したように honest error をORI(米・研究公正局)は 「判決」にあたるもので"騙す意図がない誤り"としている。

問題になったのは、次のORIの定義である http://ori.hhs.gov/definition-misconduct

Research misconduct does not include honest error or differences of opinion.

これに対応する理研の旧方針は次の通りである http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/topics/2006/20060123_1/20060123_1.pdf

ただし、悪意のない間違い及び意見の相違は研究不正に含まないものとする。

ここで、法律用語としての「悪意」は日常での意味ではないことに注意が必要である http://www.weblio.jp/content/%E5%96%84%E6%84%8F%E3%83%BB%E6%82%AA%E6%84%8F

法律行為の成否に影響を及ぼす可能性のある事実・事情について「知らない」ことを善意、「知っている」ことを悪意という。道徳的な善意・悪意とは意味が異なる。

しかし、OHのケースにおいて理研の報告書では「悪意」をそう解釈はしていないようである [追記 2016-05-31: ただし、理研の「不服申立てに関する審査の結果の報告」では「知っている」「故意」だとしている]。私個人は法学の意味で解釈することにより、 調査報告書より広く研究不正と認定すべきであったと考えている。 理研はその後、規定を次のようにした http://www.riken.jp/~/media/riken/about/reports/guidelines/backup/research-rule-20150107.pdf

[第2条2]この規程において「特定不正行為」とは、故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる、 投稿論文等発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん及び盗用をいう。

一方、文科省のガイドラインでは次のようになっている http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu12/houkoku/attach/1334660.htm

ただし、故意によるものではないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為には当たらない。

これらの規定は運用で問題になることを含んでいるが、ORIのDABでの意味にほぼあたる。

これら対して、研究不正を研究してきた山崎茂明氏はかねてより honest error を「誠実な誤り」(例えば看護分野の撤回論文から見たミスコンダクト)と訳している。 氏は千葉大学でのセミナーにおいて「米国研究公正局(ORI)の定義にもとづいて議論してもらいたい」(http://alc.chiba-u.jp/seminar/handout_20141205_yamazaki.pdf)とハンドアウトに残している。 氏の訳に賛成ではないが、このことは全く同感である。

ところで、山崎氏のように honest を「誠実な」と訳すことが適切なのかは、 調べておく必要がある。 ちなみに、 日本語において「誠実」は人の属性であるので、「誠実な誤り」という表現の意味は、 雰囲気なら分かっても厳密に理解することが私には困難である。 それはさておき、英語において一般に honest error がどういう意味かは、 次項で検討する。

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  • by Anonymous Coward on 2016年05月31日 0時11分 (#3021412)

    まず2点
    - 誰にでも間違いはある.つまり error が起こる可能性はゼロにできない
    - 改ざん,捏造,盗用は不正行為
    これが大前提です.ここまでは良いでしょうか?

    では目の前に error があったとします
    そのerror は研究不正でしょうか?

    感情は排除して,合理的に考えると
    不正行為の証拠があれば研究不正と断言できます

    しかし不正行為の証拠がなければ研究不正だとは立証できません

    このような証拠が無いerrorをとりあえず honest error と呼んでるだけです
    推定無罪みたいなものです
    善意の有無は関係ありません.honestの意味もさほど重要ではありません

    似た言い回しに black lie と white lie と言う表現があります
    これも black と white の意味は重要ではなく
    ポイントは lie を2つに分類している点です

    • by tagga (31268) on 2016年05月31日 13時29分 (#3021687) 日記

      書いてないことを読みこみ、 証拠も付けずに批判するのことを ここでは、批判しています。

      この項と前項では、misconduct と honest errorの区別は当然しています。 honest error について通常の意味での「善意」は関係ないことも、すでに書いてあります。

      親コメント
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