taggaの日記: 祭神と被災の関係は擬似相関だと思う 3
日記 by
tagga
TLに出てきて、学生がかわいそうだと思った論文。
- ***, ***, & 桑子 敏雄. 2012. 東日本大震災の津波被害における神社の祭神とその空間的配置に関する研究. 『土木学会論文集F6(安全問題)』 68(2), 1167-1174. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejsp/68/2/68_I_167/_pdf
アブストラクトですでに論理展開がおかしい。 出典注から推測すると信頼できる参考図書(レファレンス)をみていないよう。 指導教員はその分野に詳しくなくても、論理展開、データ整理は指導できるはずだし、 図書館と協力することで参考図書の紹介はできるはず。
これ次のようなことのはず:
- 熊野、八幡は江戸時代まで修験の寺で、山伏がいたところ。基本的に山。
- 天王, 伊勢, 稲荷は「村の鎮守」だが:
- 天王は中世に流行; 近世になって伊勢, 稲荷が流行。
- 中世までの村落は入植にそれほど工事が要らないところ; 近世の入植は公共工事によるが、 水稲地域なので、治水工事・干拓の結果の低い土地。
つまり、被害が伊勢、稲荷にでやすいのは、 「村の鎮守」であり、潜伏変数の「新田開発の時期」が近世だから。
通常予想されるものと違う説を出すこと自体はいい。 リサーチクエスチョン(RQ)が他人からみて変でもいい。 けど、RQとずれた調査をさせるのは、研究指導としてまずい。 勧請当時の祭神とその性質が必要で、 スサノオではなく渡来神で疫病神である牛頭天王、 アマテラスではなく伊勢外宮の農業神トヨウケを考えないとまずい。 そういうことが書いてある文献も使っているのに、なぜこうさせる。
こういう数の調査であれば、各集落と各神社の歴史については、 県立図書館に行かせて、市町村史をチェックさせるだけで十分。 それだけで、最低限はクリアした論文になったはず。 どうしてそれをさせなかったんだろう。
;; フーコーは思想系だけど歴史の話をするときに史料をあさったやんか。 思想系の一部の人たちが頭の中だけの「データ整理」で あれこれ語れると思っているのかがずっと理解できないでいる。
あと「祭神はスサノオ」は凄くややこしいんですよね…… (スコア:2)
極端な話、現在は「祭神は大国主」とされてる出雲大社も、江戸時代末期まで「祭神はスサノオ」と思われてたし、問題の論文の中で触れられてますけど、「スサノオと同一視された陰陽道系の神」である牛頭天王を祀る神社を「スサノオを祀る神社」に含めて、ホンマにOKなのか??とか。
「祭神はスサノオ」は、いくらでも拡大解釈が可能なので、逆に言えば、何とでも言えてしまう。
社にほへと (スコア:0)
スサノオにピークがあることを突き止め、ピークになった理由は考えたけれど、他の神社がピークにならない理由を考えることには頭が回らなかったんでしょうかね
要するにモノサシに使った神社をなめていた
Re: (スコア:0)
あーそういえば俺もやるわー
いい加減なモデルでベンチマークやるわー