taggaの日記: 共通テスト、英語民間試験導入に批判的な報道増加中 1
つっても、英検 1 day S-CBTの予約申し込みが今週の水曜日からなんだが…… (「先着順ではありません」と書いてあるけど)。
- 増谷文生. 2019-09-16. 大学6割、高校9割が「問題ある」 入試の英語民間試験. 『朝日新聞』 https://digital.asahi.com/articles/ASM984GQQM98UTIL009.html
- 増谷文生. 2019-09-15. いちからわかる英語民間試験 20年度大学入試から活用. 『朝日新聞』 https://digital.asahi.com/articles/ASM984TN3M98UTIL00H.html
- 宮崎亮. 2019-09-13. 入試改革中止求め高校生らデモ 文科相は「実施に全力」. 『朝日新聞』 https://digital.asahi.com/articles/ASM9F52SWM9FUTIL01R.html
- 参考: 国立大学協会. 2018-03-30. 大学入学共通テストの枠組みにおける英語認定試験及び記述式問題の活用に関するガイドライン. https://www.janu.jp/news/files/20180330-wnew-guideline.pdf
センター試験の後継の共通テストで、英語の民間試験(英検、GTECなど)を使うことについての批判的な報道がようやく増えてきたようだ。 一番上が、河合塾と朝日による調査で、大学の 2/3、高校の 9割が問題があるという回答。 大学の方が低いのは、国大協のガイドラインを読みとく必要がある。
新テストの枠組みにおける認定試験結果の活用については、各大学・学部等の 方針に基づき、次の方法のいずれか、または双方を組み合わせて活用することを 基本とする。
① 一定水準以上の認定試験の結果を出願資格とする。
② CEFR による対照表に基づき、新テストの英語試験の得点に加点する。
これを大学が実装すれば:
- 今までの合格者が満たしている水準を出願資格にすればいい (A1=英検3級程度、A2=英検準2級程度)。
- 英語ができる人向けのインセンティブをするために加点する (B2=英検準1級程度、C1=英検1級程度; B2は中堅でもそれなりにはいる)。
まとめると、合否判定に使ったふりしかしません、という流れになる。 それだけのために、高い金を出して(信頼度が高そうな試験では、並の受験生レベルのケンブリッジ英検[河合塾と連携]で、A2 9K, B1 11K, B2 18.5K; かなり無理な IELTS ca.25K、TOEFL ca.25K) というのは、お金持ち優遇なわけである。
それに加えて、まだ準備とできている方と思われている英検のCBT で(S-CBT ではないが)、トラブルがあって、途中で中止になっているので、不安がつのる。 で、準備ができてないと予想されている某B社がどうなんだろうとなっている。 高校側がさらに困っているのは、英検もB社も細い日程が出せないので、学年暦が組めない状態。 本当に実施できるとのと、反対派や延期派が心配している状態。 現場でごくわずかの賛成派の人たち、なぜか公平性にも実現可能性にも言及してくれないからね。
;; 本人確認とか……。
;; けど、忠犬を文科相に置いたのは、強行するぞということなんだろな。
活用推進 (スコア:2)
「利用」とか「使用」じゃなくて「活用」ってのが大学側の抜け穴なんじゃないかと。
活用 物の性質・働きが十分に発揮できるように使うこと。うまく使うこと。 (大辞林)
テストそれ自体を使うのではなく、何らかの形で「うまく使う」ことができればOK。
どうすれば「うまい」のかは、大学の自己判断ということで。
高校にとっては、不確定要素が増えていい迷惑なんですが。