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14065128 journal
日記

taggaの日記: 高木の師匠の教科書

日記 by tagga

「数え主義」の黒表紙の人:

表面的には高木と変わらないけど、高木の方が量との繋りをを考えている感じがする。

なお、合略仮名は開いた。

乗法の定義部分 (p.24):

7に5を掛けるということは 7を5つだけ採りて加え合わせるということなり、 即ち7に5を掛けたるものは 7+7+7+7+7=35 なり

……

甲数に乙数を掛けるとは甲数を乙数だけ採りて加え合わすという意にして、 甲数を被乗数、 乙数を乗数、 被乗数に乗数を掛けたるものをと称し、 積を索むる計算を掛け算 或は乗数と称す

例によって累加による定義である。

九九 (p.27)。和算の半九九がまだ主流なことを考慮に入れている。 9×9の81マスの表があるが、行≧列のところが太字。

普通に行わるる九九の呼び声は此原理[交換則]を応用せるものにして、 及二つの数の中に小なる方を先きに唱うるものとす、 例えば3×4を又4×3をも「三四十二」と唱え「四三十二」とは唱えざるが如し

被乗数と乗数とを交換するも其積は変わらざるが故に積にのみ着目する場合には特に 被乗数乗数という名を付して彼れ此れを区別する必要あることなし、 及箇様の場合に於ては被乗数乗数の双方を因数と称す

次のことはだいたいの教科書や学参に載っている (p.32):

掛け算の験 被乗数と乗数とを交換して再び掛け合わすべし

名数と不名数についての注意 (p.41):

乗数は必ずや不名数ならざるべからず、 例えば7に3円を掛ける 或は 5円を6里倍するというが如きは全く意味なき言なり、 之に反し、被乗数は不名数にても可なり、 爰に注意すべきは名数に不名数を掛けたる積は被乗数と同名なることなり、 但計算上の便宜の為め又は験を行うが為えに 名数の名を預り置きて被乗数数と乗数とを交換するは妨げなし

これが割り算にも出てくる (p.46):

……、然るときは割り算に二様の意義あり

(甲) 幾つ含まれ居るかを策むること即計ること

(乙) 分つこと即等分すること

(甲)(乙)意義の相違は名数の割り算に就て説明するときは一層明瞭なるべし、 (甲)の意義に於ては実と法とは同名の名数にして商は不名数ならざるべからず、 …… (乙)の意義に於ては法は不名数、商は実と同名の名数ならざるべからず、……

ということで、説明はだいたい同じ。

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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