taggaの日記: OOP 3
日記 by
tagga
- 名数型を作って、(a, u) + (b, u) := (a + b, u) (a, b は実数型[不名数]、u は単位) で + を使えるようにし、
(a, u) を au、例えば、(3, m) を 3m で表現することにして、 - mul(A, 1) := A, mul(A, n+1) := mul(A, n) + A で再帰的に mul を定義して、
- p × q := mul(p, q) と表現するようにする。
こういう処理系だと、3m + 4m とか 3m × 2 は処理できる。けど、2 × 3m は処理できない。
というのが、藤沢利喜太郎が洋算を輸入してから現在までの日数教の立場。
そんで、(3)のところで、q × p := mul(p, q) と表現してもよいけど、 2 × 3m が処理できるかわりに、3m × 2 は処理できなくなる。 国ごとに右側通行と左側通行どっちでもいいけど、うちは左側通行だからね、 っていうのが最近の『指導要領解説』に書いてある補足。
こういうストイックなスタイルは、 19世紀数学の空気だし、 しかも藤沢の師匠がストイックの権化クロネッカーなんで……。
;; (3) のところで、どっちでもいいように定義しようというのは、ストイック派の人たちにとって、きれいじゃないんだよ。
自分たちの数学と違うと言われても、それは当然違うんだけど、これも1つの数学だよね。 間違っていると否定されたのではなく、 面倒だから止めとこうというやつ。
面倒なのもあるけど (スコア:0)
ストイックで理路整然としていますが、小さな子供は演繹は苦手で帰納のほうが得意じゃないかという気もチラチラするです
素朴な疑問 (スコア:0)
名数・不名数という概念は、数学に含まれるのでしょうか。算数や算術の範疇には入っていますが、数学ではそのあたりは抽象化されてしまっているように思っています。
個人的には、算数と数学は、物理学と数学ぐらいに違うものと認識しています。メートルやキログラム、秒が出ていたら、数学じゃなくて、物理学か算数。
Re:素朴な疑問 (スコア:1)
戦前戦後で算数・数学教育用語の不思議な断絶があり、「不名数」は戦前の用語なので、現在ではほとんど使いません。 現在では小学教員向けのものだと「名数・無名数」の対が多いようですが、文科省では出てきません。 啓林館には出てきます。https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sansu/WebHelp/01/page1_07.html [shinko-keirin.co.jp] ただし、困ったことに、式の中にできるかぎり単位をつけたくない人たちなので、 分かりにくいことになっています。
指導要領解説では、中学だと 「数学的な見方・考え方」については,「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え,論理的,統合的・発展的に考えること」であるとするので、 問題の中と答には、単位つきの数は出てきます。 悪名高き、中二の食塩水などです。 高校だと、実社会や物理への応用を入れようとすると、数学なのでと拒否されてきたのですが、 新しい数Bで「数学と社会生活」が入りました (受験校はやらないと予想されています)。 おそらくここでもそうです。
それ以上の話だと、応用数理は、数学なのか、工学なのかのような、 単なる定義の問題になると思います。
なお、 数教協的には、数に単位がついているのではなく、量があって、単位量をもとに測るので単位つきの数で表記されるという理解の方が多いと思います。